2007年11月22日ケータイCM大戦争

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 いまいちばん面白いのはケータイ3社のCMですな。
 Auは仲間由紀恵を使って、「なかま劇団発足」「ロミオとジュリエット」で「だれでもいいのよぉ!」キャンペーン中。
 ソフトバンクは上戸彩でわけのわからないシュールなCM。どして犬がパパなんだ?なんつう野暮はいわない。
 で、私がいちばん好きなのはDoCoMo。しかも今のじゃなくて1つ前のバージョンね。 

 DoCoMoのCM「オフィス篇」。これ、わたし的にはバカ受けなのね。
 どんなCMかというと、部下役の妻夫木聡をキム兄扮する上司がケータイしながら面罵するの。
「大体おまえは何やらしても遅い!」
「お前の真面目さがオレには伝わらん!」
「ありえへんやろ、これは!」
 妻夫木君相手に、延々と説教が続くんだけど、この間にひっきりなしにメールが届くわけ。だれから? 目の前のキム兄からよ。
「ごめんね 言いすぎちゃった キム兄」
「ウソだよ〜ん ビックリした? キム兄」
 可愛らしいデコメールで頻繁に届く。つまり、みなの手前そう言ってるけど、本心はちがうねんというメディアにデコメールで届けてるというわけ。
 で、妻夫木君はどっちが本心なのか戸惑うってシーン。

 これ、最高。資生堂の椿キャンペーンは別格として、私の中では今年いちばんウケたCM。
 つまり、面白いインパクトが強くて、なによりも商品の特性をきちんと視聴者に届けていると思うから。

 それとね、このCM見てて感じたことがあんの。それは、このキム兄のマネジメントスタイルは正解なのよ。
 あの松下幸之助さんもこんな叱り方してたもん。

 部下指導のマニュアルやマネジメント書を開くと、「部下は1人個室に呼んで叱ること」「人前では絶対叱らないように!」と書いてある。
 けど、忙しい経営者がいちいちこんなことやってられるわけがないんだよ。
 なにより、褒めることは後でもいいんだけど、叱る・怒鳴るには賞味期限があります。一瞬をとらえて電光石火の早業でやらないと効果なんてない。迫力だってないと思う。

 幸之助さんはフロア中に聞こえるように叱ってたもん。1回で全員を指導教育するためにね。
 ミスはだれにでもあるんだけど、それを1人だけ叱ったらもったいない。ミスは貴重な情報。これを活かさなければダメ。ナレッジマネジメントにならない。で、半端じゃなく叱ったわけ。
 卒倒する部下もいたけど、2人っきりになるとめちゃくちゃ誉めあげた。本人ですら気づかない長所を見つけて誉めた。だから、部下のほうでは「こんなに怒鳴ってるけど、ホントは高く評価してくれてるんだ」と思った。

 松下電器では「幸之助さんに叱られてようやく一人前。褒められてる間はまだまだや」という伝説が残ったのよ。
 マネジメントの教科書とは真逆の部下指導だが、これが大正解なの。
 人前でドカンと叱り、2人きりでは徹底的に誉める。意外と正解なんだよ。