2007年11月28日「あと3年で、世界は江戸になる!」 日下公人著 ビジネス社 1470円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 八方美人もここまで来ると嫌われますわな。まっ美人じゃないけど。太田府知事さん、民主党の市長誕生であんなに万歳したら、そりゃ自民党の皆さんは怒るわな。あっちにいい顔、こっちにいい顔。フラフラガールやね、この人は。


 さてと、日本は遅れてるんじゃなくて、超先進国。世界の模範である、というのが著者のスタンス。私も大賛成です。そりゃ完璧じゃないよ。けど、こんなにいい国はない、相対的にね。
 世界中を歩いていると、こんなとこでも日本は信用されてるんだとか、円は強いなぁということをつくづく感じますよ。そのたびに、パスポートを見て、これだけの国を作ってきた先人に感謝してますよ。

 ボリビアのチチカカ湖に行ったときも、インディオたちは自国通貨より円を欲しがったもんね。タイでは1万円札が超人気。5000円札×2枚を1万冊に取り替えてくれ、と帰国するとき頼まれたもんね。

 なにより、ブラジルに行った時には、婿にならないかとあちこちの大手農場主たちから懇願されたことがあるのよ。日本人は勤勉、賢い、約束を守るという信頼のためね。

 海外に行けば行くほど、日本という国のすごさを痛感しますよ。入国審査だって日本人は特別レーンですよ。ほかのアジア、中東、アフリカ、南米の方々が長い列を作ってるのに、日本人というだけでほとんどフリーパス。
 これも信頼されてるからですよね。「日本人は観光かビジネス、国民の仕事を奪うことはない」と知ってるから。 

 著者の持論は、21世紀は世界が日本化するということ。

 たとえば、脱軍備、脱武器輸出、脱宗教、脱イデオロギー、経済第一、清潔第一、勤勉第一、平和第一、少子高齢化、女尊男卑、民主主義、自由主義、家族第一、省エネ、巨大都市、教育の普及・・・。
 すべて日本は実現してきたの。
 江戸時代といまの日本ほど、平和と繁栄が長く続いてる国はありません。

「日本は日本主導の第2国連を作れ」

 中国が怖くて参加する国が出てこなければ、日本一国で孤立すればいい。つまり、鎖国の勧めね。
 食糧自給率が低いのに?
 方法はいろいろあんだよ。

 たとえば、エネルギーは原発で生産する。食糧はバイオテクノロジーで生産する。技術力と市場力を活用する。防衛力強化もそれを活用する・・・鎖国のメリットは、日本に嫌がらせをする国とつきあわなくてすむこと。

 そうすりゃ、農薬漬けの食品、狂牛病、鳥インフルエンザにかかってる肉を食べなくてもいい。食の安全はいまより格段に向上しますもんね。

 インフラでも、江戸は世界をリードしてたんです。
 たとえば、上下水道。太田道灌が作った上水道は神田、玉川、青山、三田、亀有、千川と6つ。これ、総延長150キロで世界一。ロンドンですら30キロしかなかったんだよ。

 維新後、英米仏独露がアジアを侵略して、外国人居留地を治外法権で各地に設けたでしょ。で、日本は条約改正を何度も要求して横浜、神戸を接収できたんだけど、中国は第2次世界大戦が終わって毛沢東政権になるまで接収できなかったの。

 なぜか?

 日本は埋立て築港、上水道、下水道、道路、病院等々をすべて日本の費用で外国に供与してたんだけど、中国は全部、外国にさせてたの。つまり諸外国が退去するに当たって、新たに買い取り問題が発生したんだよ。
 もちろん、欧米は適正価格の支払いを要求します。けど、中国は投資は既に回収済みと言い張って拒絶。中国らしいよなぁ。200円高。