2008年01月11日御礼!映画「北辰斜にさすところ」大ヒットばく進中!

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 2007年は、弁護士をやってる義兄の道楽につき合いまして、前半は本業そっちのけに映画プロデュースの真似事で、家内をはじめ出版社・顧問先の皆様方にご迷惑をかけ、あちらこちらからお叱りを受けました。
 が、ようやく完成。正月から全国封切りとなっております。

 この映画、タイトルが『北辰斜(ほくしんななめ)にさすところ』。なんや、これ? めちゃ古めかしいやん。
 そら、私は子どもの頃から懐メロファンですから、知ってましたよ。旧制七高の寮歌でっしゃろ? けど、普通の人は知らない。ぜんぜん知らない。

 この映画、時代設定は現代なんですよ。けど、旧制高校から数えると100年の歴史を持つ対抗野球戦を狂言まわしに、一部、回想シーンがあるんですね。
 昭和19年、弊衣破帽にマント。腰手拭いの旧制高校生の青春群像を描いてるわけ。もちろん、戦争シーンも出てきます。やっぱ、アナクロ?
 監督は『ハチ公物語』『遠き落日』『大河の一滴』『草の乱』などで知られる神山征二郎さん(記念すべき25本目の作品)です。


満員御礼!都内では1/18まで上映→好評に付き、25日まで延びました。観客満足度第3位!(シネマピア調査)。

 なんといっても三國連太郎さんが主役で、緒形直人、林隆三、佐々木愛、神山繁、北村和夫、織本順吉、鈴木瑞穂、犬塚弘、滝田裕介、土屋嘉男、三遊亭歌之介、高橋長英、斉藤とも子、河原崎建三、永島敏行、坂上二郎の各氏が脇をがっちり。ナレーターには山本圭さん。
 こりゃ実力派揃い。ある意味、日本演劇界の総力をあげた一作ともいえますな。

「こんな映画、だれが観るの?」と『週刊新潮』誌上で映画評論家のおすぎさんは酷評(笑)。

 ところが、どっこい。意外と健闘してるんですよ。
 ふたを開けたら60〜80代の方が続々と劇場に吸い込まれてくわけよ。どの劇場も封切り3日間は毎回(1日4回)立ち見の大盛況。平日でも6〜7割は席が埋まってる状態ですねん。
 そりゃ、『踊る大捜査線』と比較したら話にならないけど、ほとんど宣伝予算がないのにこんなにヒット。嬉しい誤算。義兄もなんとか豆腐の角に頭をぶつけて死なずに済みそうです。

 劇場に足を運んでくださったアナタ、ありがとうございます。「キーマンネットワーク特別講演会(1/28)」の特別講師・松藤民輔さんのお子さん方(3人)など、鑑賞感想文を丁寧に書いておくってくれました。あんがとさん!

 こんな映画、だれが観るの? たしかにそうなんです。プロの映画評論家がいうのもわかるんです。
 けど、戦後、一貫して、この世代が愉しめる映画って日本にはなかったんですね。映画は若い世代が愉しむもの。せいぜい中年とか壮年止まり。シルバーは家でテレビを見てりゃいい・・・こんな意識だったんでしょうな。
 つまり、マーケティング的に考えると、この世代は「失われた顧客層」だったのね。

 けど、こんなに集客できた。独立系の映画では動員観客数1位!
 そうか、万人にウケる必要なんてないんだ。この世代、この地域、この階層にウケりゃいいんだ。つまり、ターゲティングね。このほうがかえってお客さんを絞り込めちゃう。つまり、セグメント戦略ね。
 だれにもウケるはだれにもウケない。あらためて、マーケティングの基本の基本をキモに銘じておかなくちゃ。反省!猛省!