2008年03月08日皇帝のいない3月

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 政権与党に気配り心配りの福井俊彦さんがいよいよ任期切れ。政府は後任に武藤敏郎さん(財務省元事務次官)を推しました。

 これに対して、民主党は反対。「財金分離の原則」を掲げ、副総裁に就任するときも反対してたわけだから当然といえば当然か。
 この11日に態度を決めるということですが、さて、どうなることやら。

 「総裁人事を政争の具にするな」というのがマスコミのスタンス。だって、テレビ・新聞をチェックしても「国民の声」として紹介されるのはそんなのばかりだもん。だから、民主党はちと及び腰なのね。

 たぶん、11日には「条件付き受諾」になると思う。いまほど、この案件を利用して高く売れるチャンスはない。なにを担保に取引すんのかな・・・。

 民主党のリスクは?

 まず、な〜んだ、民主党はやっぱり旧社会党体質なんだ。なんでも反対!社会党だけど、結局は長いものに巻かれちゃう体質か・・・と国民に見透かされてしまう。

 「断固反対!」と貫き続けるなら、それはそれで「ぶれない民主党」のアピールにはなるけど、一方で、頑固で柔軟性がない、と判断されちゃう。

 つまり、どちらに転んでもメリットもデメリットもあるわけよ。作用もあれば反作用、副作用もあんの。民主党の出方がわからずに見切り発車した福田さんだけど、民主党も迷走してるわけさ。

 もし民主党が反対して総裁が空席となったらどうなる?
 総裁だけが空席になるんじゃないの。副総裁も任期切れで空席になんのね。
 するてぇと、6人の理事のだれかが代行になる。でも、「いざ」という時には合議制だ。

 日銀の仕事ってのは「通貨の番人」なのね。通貨=為替です。いまは円高基調で動いてる。もち、ドルが一方的に下落してるわけでユーロに対しては少し安い。つまりドル1人負けなわけです。

 もち、この根底にはアメリカ経済に対する信用不安がありますよね。
 アメリカの金融システムに対して不安。お金は臆病だかんね。つねに過剰反応しちゃう。で、金や原油、商品が急上昇。一方、ドルは下落・・・というわけですね。

 インフレより景気の下支えを優先するバーナンキとしては、さらに利下げしたい。すると、金、原油、商品は上がります。だって、もう1回利下げしたら円は1ドル100円を切っちゃうもん。すると当然、日経平均株価は大暴落。

 株暴落、金、原油、商品暴騰。これがシステムとして繰り返す・・・かも。こうなると、マスコミも国民もやいのやいの騒ぎますな。で、国会も日銀総裁を引っ張り出す。
 つまり、次の総裁は最初からいきなり超忙しくなるのよ。そうそう、グリーンスパンの後を受けたバーナンキみたいなものね。

 さて、ここからが肝心。

 いま、アメリカの金融機関はめちゃくちゃです。救済しようにも救済できないところまで来てるのもある・・・かも。「引き金」を引いた瞬間、あのバブル崩壊時の数倍の規模で金融恐慌が起こるでしょうな。

 さてさて、民主党が反対したら、19日から日銀総裁は空席になりますよね。この前後かな。要注目!