2008年03月30日雨の京都も乙なものです

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 ちょっと寄っただけなのに、ズルズルズルと居着いてしまいました。
 あいにくの雨の京都。いえいえ、なかなかいいものです。

 傘なんてささない? それも粋ですが、私ゃ月形半平太じゃありません。

 「月様、雨が・・・」
 「春雨じゃ濡れていこう」

 京の春雨ってのはさっと降る。けど強いんです。上からじゃなく、下からのしぶきが凄い。傘なんか、さしたところで濡れるんです。
 だから「濡れていこう」というわけです。

 番傘が好きです。バサバサバサと振り付けるあの音には心が落ちつく思いがします。いわゆる、f分の1揺らぎというヤツですね。

 京都嵯峨野の直指庵・・・ではなく、太秦の広隆寺に寄ってみました。
 ここは藤原家の菩提寺。道長像があったかと思うんですけどね。以前、どこかで拝観したことがあります。ここではなかったかと。
 今回は弥勒菩薩(重要文化財)に会いたくてね。きゃしゃな姿になんともいえない深い笑みをたたえています。24年ぶりの再会になるのかな。


太秦の名所ですね。今年の京は桜が早い。

 後白河法皇の命により清盛が建立した蓮華王院、通称、三十三間堂も久しぶり。
 100メートルにわたって1001体の仏像が並ぶ姿は圧巻です。しかも、金色に輝く様は畏れ多く、圧倒されるばかりです。これを平安の世に見せつけられた人々は千手観音に敬虔な気持ちになったことでしょうね。

 4年にわたる大掃除では、千手観音の下にうずらの卵大の金箔が集まったとか。金閣寺(鹿苑寺)、中尊寺金色堂と並ぶ黄金の魅力でしょうか。
 かつて、太陽だけでなく、光り輝くものに畏敬の念を日本人は抱いたのだと思います。

 清水寺、八坂、知恩院、五重塔、豊国神社、方広寺・・・それから祇園へ。
 寒い雨というのに、祇園新橋の桜はほぼ満開。日本人は正月明けから、まだかまだかと桜を待ち続ける。桜狂いの民族なのか、春がそれほど恋しいのか・・・。

ねがわくは 花のもとにて 春死なん その如月の 望月のころ(西行)


かにかくに 祇園はこひし 寝るときも 枕のしたを 水の流るる(吉井勇歌碑)


だれが撮ったか・・・祇園新橋巽橋に影絵が踊る。

 京に来てまでシャンソンを聴きに行った。「巴里野郎」という店。横浜や銀座とはちとちがう趣。けど、2人知ってるシンガーがいたね。やっぱ売れっ子でんなあ。
 さあ帰ろう。たっぷりエネルギーもチャージしたし。4月は小樽か。北へ帰ろう。思い出連れて。こちとらフーテンの寅だもの。そういえば、寅さんの妹もさくらか。