2008年04月15日『ノーカントリー』(No Country for Old Men)

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 この前のアカデミー賞(第80回)で、作品賞ほか8部門にノミネートされ、結局、作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞と4つ受賞した作品ですな。

 コーマック・マッカーシー著『血と暴力の国』をコーエン兄弟が映画化しました。

 私、この兄弟の作品、かなり観てますよ。『ミラーズ・クロッシング』『バートン・フィンク』『ファーゴ』『ビッグ・リボウスキ』『バーバー』『ディボース・ショウ』・・・なんちゅうか、淡々とものごとが進んでいく映画って好きなのね。
 スカーレット・ヨハンスンが好きで『モンタナの風に揺られて』からずっと観てんだけど、『バーバー』の彼女にはちょっとびっくり。あんな役やらせるかね。
 もしあんな娘いたら・・・いるだろうねえ。

 さてと、話は単純に言うと、ネコババ男と殺人鬼、それから麻薬組織の三つどもえの追いかけっこ。まっ、中心はネコババ男と殺人鬼なんだけど。

 舞台は、1980年のテキサス。荒涼とした土地で猟をしてたら、たまたま殺人現場を発見。死体がゴロゴロ。で、カバンを開けると200万ドルの現金。麻薬もごっそり。 
 こうなりゃネコババしちゃうよね。

 けど、まさか、札束に発信器が取り付けられてるとはね。これじゃ、簡単に追い込まれるわけですよ。

 この殺人鬼が無表情でむやみやたらと殺しまくるんだよ。ショットガンのほかに、高圧ボンベのスタンガン。これが便利でね、鍵穴も人間の頭も撃ち抜いちゃうほどの威力。

 ようやく発信器に気づいたネコババ男が、殺人鬼を返り討ちにしてやろうとするんだけど、失敗。
逆に土手っ腹に風穴か開いちゃう大けが。カバンを投げ捨てて、メキシコの病院に駆け込むわけ。
さあて、これからどうなるかは言わない。いま、上映中だもんね。

 けど、なんとも意表を突かれるラストシーンですよ。こんなのあり? でも、ありえそうなことかも・・・よぉわかりません。



 保安官にトミー・リー・ジョーンズ。殺人鬼にハビエル・バルデム(アカデミー賞受賞)、ネコババ男にジョシュ・ブローリンが扮してます。

 余談だけど、宇宙人ジョーンズ、いえいえ、トミー・リー・ジョーンズはノーベル賞のアル・ゴア(クリントン政権の副大統領)とはハーバード大学でルームメイト。優秀な成績で卒業してます。人は見かけによらんわな。

 ところで、この人、缶コーヒーのCMに出演してるけど、「日本人て不思議だね。CM撮影のために何十人もロスにやってきたけど、ボクが日本に行った方が安く作れたんじゃないの?」だって。
 そりゃそうだけどさ。それを言っちゃおしまいだよね。
 
 で、ジョシュ・ブローリンはこの前、観たぞと思ったら、デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウの『アメリカン・ギャングスター』で自殺する悪徳刑事の役してたなぁ。もう一つ付け加えると、ダイアン・レインの旦那さん。

 けどさ、浦沢直樹の『MONSTER・全18巻』読み終わった後だと、この映画の殺人鬼でも普通に見えてくるからね。
 こりゃ、シャーリーズ・セロンの『MONSTER』でも観ないとあかんかな。