2008年05月14日「デフレは終わらない」 上野泰也著 東洋経済新報社 1680円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 なんで写真がないのかね。新刊過ぎて間に合わないのかな。アマゾンはよくあるね。紀伊国屋ウェブではこんなことはない。

 さて、ガソリンの暫定税率がゾンビのように復活しましたけど、福田さん、よっぽど知事会にいい顔したかったんだろうね。生活者がカンカンに怒るのも無視してゴールデンウイーク前に通しちゃった。
 おかげで、GSは値上げ間直前はてんてこ舞いで、値上げ後はお茶を引いてましたな。

 チラシを見て1円でも安い店を探す主婦同様、ドライバー諸兄も一円でも安いGSを探してます。もち、私もそうです。

 つまり、合理的な経済人はこういう判断と行動をするわけ。たとえ、それがガソリン価格のようにマーケットにの動向によって極端に上がったり下がったりするようなものでもね。
 これは小麦やトウモロコシでも一緒。

「パンが高くなったから、野菜をたっぷり食べてお腹一杯にしよう」
「野菜サンドにすればいいんだよ」

 「対策」を考えるわけですね。こうなると、需要が減っていきます。需要が減ると、相対的に供給が減ってきますね。
 すると、どうなるか?
 余っちゃう。供給ってのは、いきなりストップできません。気づくと、マーケットにあふれてしまいます。
 すると、どうなるか? 備蓄できないものは、腐る前に投げ売り=バーゲンとなります。
 つまり、値段を上げても、いつの間にか下げざるをえなくなり、結果は頃合いの価格で落ち着くわけです。

 ガソリンや小麦等の投機商品の暴騰によって、あれも上がる、これも上がる、とインフレ気味のように見えますけど、一時的なものに過ぎず、いわば、典型的なコストプッシュインフレ。世間はまだまだデフレ構造なんです。

 ガソリン高いよお。じゃ、車に乗らなきゃいい。そうなんです。日本ほど、自動車以外の交通手段が発展している国はありませんからね。
 そういえば、20代の新車購入が激減しています。
 
 「車、持ってないの?」
 「ボク、エコ推進派だから」
 「えらい!」

 つい、だれもが納得してしまう。そういえば、アカデミー賞のハリウッドスターたちも会場にはトヨタのエコカーでやってくるもんなあ。
 
 ガソリン暴騰の原因は、エコ社会の本格的到来を直前にして、油しか売るモノがない連中が一か八か仕掛けてる大博打に過ぎないのよ。
 見ててごらん。そのうち、シューッとシュリンクするから。これがオイルバブルの終焉だよ。