2001年01月29日「考える力 やり抜く力 私の方法」「アメリカ人はこうしてプレゼンに自信をつけている!」「英語の学び方」
今回も3冊ご紹介することにします。
1 「考える力 やり抜く力 私の方法」 中村修二著 三笠書房 1400円
著者はカリフォルニア大学サンタバーバラ校の教授。
というよりも、青色発光ダイオードの開発で、いま世界中から注目されている人ですね。「四国の田舎の中小企業から世界的な技術が開発された」というので、新聞、雑誌、テレビでも露出度抜群の人ですね。
痛快まるかじりの本です。著者の努力、悔しさ、怨念、周囲との軋轢、疑問、喜び、自己実現など、ドラマを書くとしたら、すべての要素が満載された一冊です。もう本屋さんに並んでるのかなぁ。版元から直接もらったので、わかりません。
著者はそれまで三件の技術開発に成功してるんですが、日本では会社のブランドがないから売れない。あとからノコノコやってきた大企業にすべて美味しいところをもっていかれる。そこで、研究対象として選んだのが、いちばん困難な青色発光ダイオード。赤色、緑色の発光ダイオードは開発されてたんですが、青色は開発がむずかしくどこもできなかったんですね。
でも、社内は四面楚歌。著者の孤軍奮闘がはじまります。
開発のための材料も、業者から馬鹿にされてパンフも送ってこない。研究したくても機械がない。そこで手作りで機械を作る。なかなかできないから、給料はあがらず、後輩にも抜かされる。「コンチクショー」が発奮エネルギーとなって頑張ります。
当時、キーとなる素材にAとBがありました。Aはもう少しで開発できるのではないか、と世界的に認められている素材。いわば、常識ですね。それに反して、Bは不可能ではないけれども、限りなく不可能に近い素材。そこで著者はどうしたか。Bでやろうと決断するんですね。理由は、「大企業もこの素材で研究している。開発に成功してもどうせブランド力の差で売れない。ならば彼らがまったく手がけてない素材でチャレンジしよう」と。
これが正解でした。常識というのは錯覚に過ぎないんですね。必ずできるものではない。できそうだ、とだれもが信じ込んでいるに過ぎないんです。著者が開発に成功したいま、業界でAの研究をしている人はいません。批判した著名な研究者や大学教授たちもこぞってBになだれ込んでいるんです。
この本は元気が出ます。アメリカと日本の企業文化、価値観の違いもよくわかります。大企業病は規模には関係ありません。ちっぽけな組織でも大企業病にかかるんですね。
いま、著者はアメリカでベンチャー企業を起こし、学生起業家を育成しようとしています。こんな著者に世界中の企業、大学、研究所からオファーがありました。ところが、日本からは一つもありませんでした。
日本の技術、ものづくり云々という前に、日本からこういう人材が流出する危機感を政府はもってるんですかねぇ。
2 「アメリカ人はこうしてプレゼンに自信をつけている!」 ビビアン・ブッチャン著 スリーエーネットワーク 1600円
英日対訳ですから、英語の勉強にもなりますね。プレゼンをどう訓練したらいいのか。懇切丁寧にまとめられた好著です。
いろんな名演説家、名プレゼンターのエピソードや話材がたくさん掲載されています。
チャーチルの雄弁家論など笑ってしまいます。
「雄弁家というのは、演壇にあがる前には何を話したらいいかわからず、話している間は自分が何を言っているのかわからず、話し終えてからは自分が何を話したのかわからない人のことである」
いますね、こんな人。前にも書きましたが、長野選出の元総理などこの典型ですね。首相時代に、外国人記者クラブで講演したものの、みんなメモすら取らなかったんですね。というのも、取るべき話がないだけではなく、いったい何を言いたいのかチンプンカンプンだったというのです。こういう頭の悪さ、伝える技術を持っていない人が一国のリーダーになちゃダメですね。やっぱり、日本の政治家はまだちょんまげの時代だな。黒船が来ないと変わらないね。
こんな政治家を当選させる価値観が日本をダメにするのではないでしょうか。
3 「英語の学び方」 渡部昇一・松本道弘著 ワニのNEW新書 667円
対談を一冊にまとめた本です。わたしは人生論として読みました。
「日本人には、もし、という仮定がない」という意見には同感です。日本人は事実と真理だけで仮説を立てるということがありません。仮説そのもが現実になっているんですね。 たとえば、「生まれ変わったら、男になりたいか、女になりたいか」という命題は論理的ではありません。でも、日本人は難なく使います。「わたし、女でいいわ」といえば、現状満足とわかるわけです。つまり、仮定のことを言ってるんじゃないんですね。
アメリカ人はどういう反応を示すかという、そもそも生まれ変われる可能性がなければ答えないんですね。
目からウロコの英語論です。
1 「考える力 やり抜く力 私の方法」 中村修二著 三笠書房 1400円
著者はカリフォルニア大学サンタバーバラ校の教授。
というよりも、青色発光ダイオードの開発で、いま世界中から注目されている人ですね。「四国の田舎の中小企業から世界的な技術が開発された」というので、新聞、雑誌、テレビでも露出度抜群の人ですね。
痛快まるかじりの本です。著者の努力、悔しさ、怨念、周囲との軋轢、疑問、喜び、自己実現など、ドラマを書くとしたら、すべての要素が満載された一冊です。もう本屋さんに並んでるのかなぁ。版元から直接もらったので、わかりません。
著者はそれまで三件の技術開発に成功してるんですが、日本では会社のブランドがないから売れない。あとからノコノコやってきた大企業にすべて美味しいところをもっていかれる。そこで、研究対象として選んだのが、いちばん困難な青色発光ダイオード。赤色、緑色の発光ダイオードは開発されてたんですが、青色は開発がむずかしくどこもできなかったんですね。
でも、社内は四面楚歌。著者の孤軍奮闘がはじまります。
開発のための材料も、業者から馬鹿にされてパンフも送ってこない。研究したくても機械がない。そこで手作りで機械を作る。なかなかできないから、給料はあがらず、後輩にも抜かされる。「コンチクショー」が発奮エネルギーとなって頑張ります。
当時、キーとなる素材にAとBがありました。Aはもう少しで開発できるのではないか、と世界的に認められている素材。いわば、常識ですね。それに反して、Bは不可能ではないけれども、限りなく不可能に近い素材。そこで著者はどうしたか。Bでやろうと決断するんですね。理由は、「大企業もこの素材で研究している。開発に成功してもどうせブランド力の差で売れない。ならば彼らがまったく手がけてない素材でチャレンジしよう」と。
これが正解でした。常識というのは錯覚に過ぎないんですね。必ずできるものではない。できそうだ、とだれもが信じ込んでいるに過ぎないんです。著者が開発に成功したいま、業界でAの研究をしている人はいません。批判した著名な研究者や大学教授たちもこぞってBになだれ込んでいるんです。
この本は元気が出ます。アメリカと日本の企業文化、価値観の違いもよくわかります。大企業病は規模には関係ありません。ちっぽけな組織でも大企業病にかかるんですね。
いま、著者はアメリカでベンチャー企業を起こし、学生起業家を育成しようとしています。こんな著者に世界中の企業、大学、研究所からオファーがありました。ところが、日本からは一つもありませんでした。
日本の技術、ものづくり云々という前に、日本からこういう人材が流出する危機感を政府はもってるんですかねぇ。
2 「アメリカ人はこうしてプレゼンに自信をつけている!」 ビビアン・ブッチャン著 スリーエーネットワーク 1600円
英日対訳ですから、英語の勉強にもなりますね。プレゼンをどう訓練したらいいのか。懇切丁寧にまとめられた好著です。
いろんな名演説家、名プレゼンターのエピソードや話材がたくさん掲載されています。
チャーチルの雄弁家論など笑ってしまいます。
「雄弁家というのは、演壇にあがる前には何を話したらいいかわからず、話している間は自分が何を言っているのかわからず、話し終えてからは自分が何を話したのかわからない人のことである」
いますね、こんな人。前にも書きましたが、長野選出の元総理などこの典型ですね。首相時代に、外国人記者クラブで講演したものの、みんなメモすら取らなかったんですね。というのも、取るべき話がないだけではなく、いったい何を言いたいのかチンプンカンプンだったというのです。こういう頭の悪さ、伝える技術を持っていない人が一国のリーダーになちゃダメですね。やっぱり、日本の政治家はまだちょんまげの時代だな。黒船が来ないと変わらないね。
こんな政治家を当選させる価値観が日本をダメにするのではないでしょうか。
3 「英語の学び方」 渡部昇一・松本道弘著 ワニのNEW新書 667円
対談を一冊にまとめた本です。わたしは人生論として読みました。
「日本人には、もし、という仮定がない」という意見には同感です。日本人は事実と真理だけで仮説を立てるということがありません。仮説そのもが現実になっているんですね。 たとえば、「生まれ変わったら、男になりたいか、女になりたいか」という命題は論理的ではありません。でも、日本人は難なく使います。「わたし、女でいいわ」といえば、現状満足とわかるわけです。つまり、仮定のことを言ってるんじゃないんですね。
アメリカ人はどういう反応を示すかという、そもそも生まれ変われる可能性がなければ答えないんですね。
目からウロコの英語論です。