2008年08月26日民主党代表選について

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 「江夏の21球」にも感動したけど、「上野の413球」にも感動しましたよ。「簡単に勝たせてくれるわけがない。1球1球、勉強になりました」との弁には心揺さぶられましたね。

 真剣勝負というのは観客を惹きつけるだけでなく感動させますな。スポーツがプレイする者だけでなく、見る者をも心をわくわくさせる理由はそこにありますな。

 無知なるがゆえに「勝てそうもない相手」に蛮勇で向かったのはドン・キホーテですけど、彼女たちは「アメリカは勝てる相手だ」とどの選手も思っていたとか。そのベースには精神力だけでなく、相手エースの弱点を丸裸にした情報準備にあったんですね。

 一方、「勝てる相手」にまさかの連敗。浮き足立ったアメリカは、勝手に自滅したかのように思えますな。

 ところで、五輪だけでなく、仕事も人生も勝者より圧倒的に多いのは敗者です。勝負の常ですな。勝者の弁に学ぶべきことは多いでしょう。けど、敗者の姿勢にも学ぶべきことは少なくありません。
 その潔い負けっぷりにも拍手・・・です。


 さて、9月の民主党代表選。予想通り、これで小沢一郎さんの無投票三選が決まりましたね。

 当初、「代表戦を戦うぞ!」と勇ましかった野田佳彦さんも枝野幸男さんも消えちゃいました。とくに枝野センセなんて、先週発売の「週刊朝日」で田原総一朗さんと対談。「勝てない選挙には出ませんよ」と明言。

 そうか、あの発言はこういう意味だったんですな。私ゃ、てっきり、野田さんかご自身が立候補して、勝つべく戦略をきっちりと練っている・・・とばかり思ってました。
 なるほど、「勝てないんだから出るわけないだろ」という意味だったんですねえ。期待して損しちゃった。


いい参謀・相談相手がおらんのやろな。

もっと視野を広げんとあかんのちゃう?

 マスコミの論調は自民党の麻生幹事長とくりそ。つまり、「代表戦にだれも出馬しないなんて信じらんなぁい。それでも開かれた党なのか?」「民主党は小沢一郎党首の独裁だ」・・・なんてね。

 けどさ、もう少しで政権が取れそうなのに、わざわざ対抗馬を出してどうすんのよ? ここは無投票でええんじゃ。小沢党首の元で結束する・・・でええんじゃ。

 自民党で毎度対抗馬が出るのは、企業組織に喩えてみれば、派閥という「カンパニー制度」を採用してるからよ。総裁選は毎度、派閥の忠誠度をチェックする機会でもあるわけね。

 民主党は元々潰れそうな会社がM&Aで整理・吸収された中小企業なのよ。まだまだ一枚岩ではありません。「政権党であり続ける」という共通の価値観でまとまる自民党とは違うのよ。政権とったことないんだから。

 いまは、内部固めを真剣にせなあかん時期やんか。ようやくステイクホルダー=有権者から認められそうな経営者が出てきたというのに、野田・枝野の両センセは、この9月の株主総会で「社長交代」の動議を出そうというわけでしょ?
 こりゃあかんでえ。

 ま、こんな勘違い男についてく政治家はさすがにいませんわな。

 それにだな、今度の代表は即、総理大臣になるかもしれない選挙なのよ。すると大臣とか党三役、あるいは各委員会委員長とかの人事も考えないとあかんねん。
 この人たち、そこまで考えて出馬しようとしてたのかいな。

 もしホントに出馬するつもりなら、もっときっちりと根回しせなあかんでえ。いまの民主党は岡田センセや前原センセが代表をしてた頃とは、その存在価値もダンチに違うんやからね。
 この人ら、細かいことはよっく見えるけど、大局観ちゅうものがないんとちゃうか?