2001年01月15日「ハンニバル」「金持ち父さん 貧乏父さん」「タフ&クール」
今回も三冊ご紹介することにします。
1 「ハンニバル(上・下)」トマス・ハリス著 新潮社 各780円
あの名作「羊たちの沈黙」の続編です。
ジョディ・フォスター演じるクラリスは最高でしたね。犯人バッファロー・ビルについてのヒントを与えたレクター博士はまんまと刑務所を抜け出しました。それが前作のラストシーンでしたね。
今回はこの腐れ縁に、さらに腐れ縁。つまり、レクター博士によって我が身を食われた大金持ちメイスンの復讐劇をメインプロットにしてストーリーは展開します。かなり分厚い本ですが、そこはエンタテメントの傑作。あっという間です。しかし、こんな本ばかりだとホントに仕事の邪魔ですね。
ところで、前作は10年以上前の作品だと思いますが、そのとき、読みながら「これはひどいな」「おぞましいな」と何回も感じながら読んだものですが、今回はほんの二カ所だけ。それもそれほどショッキングな感じはしませんでした。
悲しいかな、それはここ数年、日本で発生している数々の凶悪犯罪のおかげです。以前は、「やっぱりアメリカだな」ということがバリアになってくれました。それがいまでは「事実は小説よりも奇なり」ですから、作家にとっては受難の時代です。
2 「金持ち父さん 貧乏父さん」 ロバート・キヨサキ著 筑摩書房 1600円
いわゆる蓄財の本。子どもにも読めるように易しく書かれています。
それもそのはず、本書の構成は「友人の父さん−−学歴はないが金の作り方をきちんとマスターして金持ちになり、多額の寄付もしている悠々自適の金持ち父さん」と「自分の父さん−−高学歴で人を指導する仕事についているもの、金は汚いものだという考えを持ち、それでいながらお先真っ暗の生活をしている貧乏父さん」を対比し、友人の父親に「金銭哲学」を指南される子どものモノローグとダイアローグなのです。
子どもに読ませようとしたところ、「必要なし。あなたが子どもに借金しているくせにどんな顔して言うの」と家内から止められました。まぁ、でもいい本です。
日本では「お金とのつきあい方」と「人間とのつきあい方」を学校では教えてくれませんから、格好の指南書だと思います
3 「タフ&クール」 長谷川耕造著 日経BP社 1600円
レストラン経営では定評のあるグローバル・ダイニングの創業者の処女作。全編本音で貫かれた強烈な本でした。
功なり名遂げた人が書いた人畜無害の経営書が少なくありませんが、これは毒にも薬にもなると思います。とくに喧嘩にあけくれ、目覚め、一転して受験勉強。それでいて中退して世界を放浪。結婚、離婚。成功、失敗、絶頂期、奈落期。まさに波瀾万丈の人生。だからこそ、チャレンジマインドがたっぷりまぶされていました。
1 「ハンニバル(上・下)」トマス・ハリス著 新潮社 各780円
あの名作「羊たちの沈黙」の続編です。
ジョディ・フォスター演じるクラリスは最高でしたね。犯人バッファロー・ビルについてのヒントを与えたレクター博士はまんまと刑務所を抜け出しました。それが前作のラストシーンでしたね。
今回はこの腐れ縁に、さらに腐れ縁。つまり、レクター博士によって我が身を食われた大金持ちメイスンの復讐劇をメインプロットにしてストーリーは展開します。かなり分厚い本ですが、そこはエンタテメントの傑作。あっという間です。しかし、こんな本ばかりだとホントに仕事の邪魔ですね。
ところで、前作は10年以上前の作品だと思いますが、そのとき、読みながら「これはひどいな」「おぞましいな」と何回も感じながら読んだものですが、今回はほんの二カ所だけ。それもそれほどショッキングな感じはしませんでした。
悲しいかな、それはここ数年、日本で発生している数々の凶悪犯罪のおかげです。以前は、「やっぱりアメリカだな」ということがバリアになってくれました。それがいまでは「事実は小説よりも奇なり」ですから、作家にとっては受難の時代です。
2 「金持ち父さん 貧乏父さん」 ロバート・キヨサキ著 筑摩書房 1600円
いわゆる蓄財の本。子どもにも読めるように易しく書かれています。
それもそのはず、本書の構成は「友人の父さん−−学歴はないが金の作り方をきちんとマスターして金持ちになり、多額の寄付もしている悠々自適の金持ち父さん」と「自分の父さん−−高学歴で人を指導する仕事についているもの、金は汚いものだという考えを持ち、それでいながらお先真っ暗の生活をしている貧乏父さん」を対比し、友人の父親に「金銭哲学」を指南される子どものモノローグとダイアローグなのです。
子どもに読ませようとしたところ、「必要なし。あなたが子どもに借金しているくせにどんな顔して言うの」と家内から止められました。まぁ、でもいい本です。
日本では「お金とのつきあい方」と「人間とのつきあい方」を学校では教えてくれませんから、格好の指南書だと思います
3 「タフ&クール」 長谷川耕造著 日経BP社 1600円
レストラン経営では定評のあるグローバル・ダイニングの創業者の処女作。全編本音で貫かれた強烈な本でした。
功なり名遂げた人が書いた人畜無害の経営書が少なくありませんが、これは毒にも薬にもなると思います。とくに喧嘩にあけくれ、目覚め、一転して受験勉強。それでいて中退して世界を放浪。結婚、離婚。成功、失敗、絶頂期、奈落期。まさに波瀾万丈の人生。だからこそ、チャレンジマインドがたっぷりまぶされていました。