2001年01月01日「ポケモンストーリー」「ロンドン・デイズ」「あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント」
今回も三冊ご紹介することにします。
1 「ポケモンストーリー」 畠山けんじ・久保雅一著 日経BP社 1400円
かなり分厚い。550ページもあった。けど、すぐに読めた。
理由は会話が多いこと。文章が易しいこと。そして、身近で楽しい話題であること。うーん、ベストセラーってこんな作り方なんだろうな(他人事みたいだけど)。
ポケモンは企画からこの世に具体的な形となって登場するまでざっと6年。最初はまったくといっていいほど泣かず飛ばずだったらしい。
苦節6年もかけて、やっとできたにもかかわらず、「えっ、それしか作らないの!?」と制作者が唖然としたほど最初のロットは少なかったのである。問屋もユーザーも完全無視。
でも、小学館の漫画「コロコロコミック」でじわじわと深く潜行して広がっていく。
1年目でスヌーピーを抜き、2年目でミッキーマウスを抜き、3年目でディズニーキャラクターが束になっても敵わないほどのブランドになった。
成功の裏にある苦労話、苦心、ノウハウの一部始終があますところなくまとめられている。残念なことは、任天堂の山内社長との対談が取れなかったこと。マスコミ取材をほとんど受けない山内さんを土俵に乗せるために、筆者は彼の好きな囲碁での勝負に出る。でも、どうやら負けてしまったようなのだ。でも、これで十分。
事業というのは社長が最終的に進路を決断するけれども、日本の場合、たいていは現場、中堅の優秀な人間が動かしているのである。
見事な一冊だと思う。
2 「ロンドン・デイズ」 鴻上尚史著 小学館 1600円
著者は劇団第三舞台の主宰者。また、映画監督でもある。
実はわたしの大学の1年先輩でもある。だから、よく稽古する姿を見ていたものだ。
本書はロンドンデイズというとおり、ロンドンでの1年間の生活を回想してまとめたもの。
どうして、ロンドンへ?
彼が生徒としてギルドホール演劇学校に入学したからだ。
話は入学1カ月前のにわか語学研修から始まる。いやはや、すったもんだの悪戦苦闘の物語だけど面白い。英語との苦闘、独自の勉強方法の紹介、、日英、日米の比較文化、人間同士の葛藤、ドラマ、友情‥‥‥‥そして演劇論。内容が実に多岐に渡っているが、充実度は抜群である。
でも、鴻上さんは年齢や肩書き、人種などの枠を越えて人気者になれるキャラだね。英語ができないということはそれだけでものすごいハンデキャップなんだけど、それでも周囲の人間とのコミュニケーションに懸命に頑張った。
「授業中はいいけど、休憩になると早口のなまりのある英語でさっぱりわからん。ストレスから解放されるために1人で昼食をとった」とのこと。よっぽど大変だったんだね。
3 「あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント」 鴻上尚史著 1400円
これも鴻上さんの本。実は彼の本って、ほとんど読んでるんだよね。
本書は演劇のスペシャリストとして、人とのコミュニケーションを上手にとるにはどうしたらいいか。演劇のノウハウを十分に活用したアイデアが満載。
「絵でも歌でも魅力的なものは表現が豊かです。単調で平板なものには心を惹かれません」
「感情は絶対に伝わる」
「大切なことを言うとき、本当のことを言うとき、本音を語るとき、声は普段より低くなる」
「声の単調な人は表情も感情も単調で平板」
「美しい声と表情のある声の違いってなんだろう」
「声の高さ」「声の大きさ」「声の速さ」「声の間」「声の音色」をポイントに解説しています。
経営者にしろ、営業マン、教育者、政治家にしろ、演劇のノウハウはいろんな分野に活かせるね。まさに目からウロコが落ちました。
1 「ポケモンストーリー」 畠山けんじ・久保雅一著 日経BP社 1400円
かなり分厚い。550ページもあった。けど、すぐに読めた。
理由は会話が多いこと。文章が易しいこと。そして、身近で楽しい話題であること。うーん、ベストセラーってこんな作り方なんだろうな(他人事みたいだけど)。
ポケモンは企画からこの世に具体的な形となって登場するまでざっと6年。最初はまったくといっていいほど泣かず飛ばずだったらしい。
苦節6年もかけて、やっとできたにもかかわらず、「えっ、それしか作らないの!?」と制作者が唖然としたほど最初のロットは少なかったのである。問屋もユーザーも完全無視。
でも、小学館の漫画「コロコロコミック」でじわじわと深く潜行して広がっていく。
1年目でスヌーピーを抜き、2年目でミッキーマウスを抜き、3年目でディズニーキャラクターが束になっても敵わないほどのブランドになった。
成功の裏にある苦労話、苦心、ノウハウの一部始終があますところなくまとめられている。残念なことは、任天堂の山内社長との対談が取れなかったこと。マスコミ取材をほとんど受けない山内さんを土俵に乗せるために、筆者は彼の好きな囲碁での勝負に出る。でも、どうやら負けてしまったようなのだ。でも、これで十分。
事業というのは社長が最終的に進路を決断するけれども、日本の場合、たいていは現場、中堅の優秀な人間が動かしているのである。
見事な一冊だと思う。
2 「ロンドン・デイズ」 鴻上尚史著 小学館 1600円
著者は劇団第三舞台の主宰者。また、映画監督でもある。
実はわたしの大学の1年先輩でもある。だから、よく稽古する姿を見ていたものだ。
本書はロンドンデイズというとおり、ロンドンでの1年間の生活を回想してまとめたもの。
どうして、ロンドンへ?
彼が生徒としてギルドホール演劇学校に入学したからだ。
話は入学1カ月前のにわか語学研修から始まる。いやはや、すったもんだの悪戦苦闘の物語だけど面白い。英語との苦闘、独自の勉強方法の紹介、、日英、日米の比較文化、人間同士の葛藤、ドラマ、友情‥‥‥‥そして演劇論。内容が実に多岐に渡っているが、充実度は抜群である。
でも、鴻上さんは年齢や肩書き、人種などの枠を越えて人気者になれるキャラだね。英語ができないということはそれだけでものすごいハンデキャップなんだけど、それでも周囲の人間とのコミュニケーションに懸命に頑張った。
「授業中はいいけど、休憩になると早口のなまりのある英語でさっぱりわからん。ストレスから解放されるために1人で昼食をとった」とのこと。よっぽど大変だったんだね。
3 「あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント」 鴻上尚史著 1400円
これも鴻上さんの本。実は彼の本って、ほとんど読んでるんだよね。
本書は演劇のスペシャリストとして、人とのコミュニケーションを上手にとるにはどうしたらいいか。演劇のノウハウを十分に活用したアイデアが満載。
「絵でも歌でも魅力的なものは表現が豊かです。単調で平板なものには心を惹かれません」
「感情は絶対に伝わる」
「大切なことを言うとき、本当のことを言うとき、本音を語るとき、声は普段より低くなる」
「声の単調な人は表情も感情も単調で平板」
「美しい声と表情のある声の違いってなんだろう」
「声の高さ」「声の大きさ」「声の速さ」「声の間」「声の音色」をポイントに解説しています。
経営者にしろ、営業マン、教育者、政治家にしろ、演劇のノウハウはいろんな分野に活かせるね。まさに目からウロコが落ちました。