2008年10月02日「脱藩官僚、霞ヶ関に宣戦布告!」 脱藩官僚の会 朝日新聞社 1680円
「毒をもって毒を制す」という言葉がありますけど、「脱藩官僚」をもって「過去官僚」を制す、ということでしょうな。
脱藩官僚の会に馳せ参じたのは、通産出身の衆院議員江田憲司さん、「埋蔵金発掘」の高橋洋一さんなど8人。
ホントはもっといたんだけど、「いまさら出身官庁と喧嘩して勤務先に迷惑かけたくない」という人が多かったとか。たしかにねえ・・・本音かな。
官僚の得意技は「根回し」と「骨抜き」。政治家を嵌めるために罠をかける。その手口は罠に落とされたことにすら気づかないほど巧妙。
こういうところに頭を使うより「国益」に貢献する政策作りに頑張ってもらいたいものですけど、なかなかそうならない。なぜなら「自分の益=省益=国益」と考えてるから。
いまもなお公務員制度改革が叫ばれてる理由はここにあんだけどねえ。「私益=省益」はわかるけど、それと国益がイコールだなんて考えてる「思い上がり」が糾弾されてるわけね。
で、「過去官僚」の手口をよ〜く知ってる「脱藩官僚」がその裏技を見破って、国民に教えちゃうというわけです。
自前の政策スタッフを持たない政党や政治家にとって、官僚機構というのは都合のいい政策シンクタンクなのよ。けど賞味期限切れどころか、いまや毒入り餃子かセサミンになっちゃってるわけでしょ。
かつて、政治は3流でも官僚と財界が1流だから日本はもってる、と言われたことがありましたね。けど、いまや過去官僚が政財界の足を引っ張ってるわけ。
「おいら、いち抜〜けた」という脱藩官僚の皆さん。いまの官僚の実態を見れば、あんな風にはなりたくねえや、と考えるのも無理ないわな。
たとえば、橋本内閣時代、「経済財政諮問会議」を創設することですったもんだしました。当時、大蔵省は大反対でしたもんね。で、なにかというと「財政」という2文字を抜こうと画策するわけ。
だって官邸に予算をコントロールされたら大蔵省の存在価値がなくなるもんね。
同様に、財政と金融を分離するときも太反対。けどねえ、大蔵省主流の主計官僚って法案作成には詳しくても経済理論には弱くて、自分たちが管理監督しているはずの金融機関の若手にレクチャーしてもらってる有様。これで米国発金融恐慌にどう対応すべきか・・なんて青写真が描けるわけがありませんな。
こういう知識の落ち込みを見てたら、なんだこりゃとバカらしくもなりますな。
中央省庁再編時にも、組織防衛のために「あれはできない」「これも無理です」と総理に言い訳ばかりしてる幹部。「なんて頼もしい人なんだ」と思うより「いったいどっち向いて仕事してるんだ?」とまともな官僚なら感じますよ。「オレも10年経ったらあんな男になるのか・・・」と思えばぞっとする。江田さんはこれが退職の動機だったらしいよ。
公務員制度を改革するとき、高橋さんが目をつけたのは「出口」から先に改革すること。入口とはたとえば採用。採用配属なんかを議論してたら30年かかります。
で、出口=天下り斡旋、年功序列から着手すべしというわけ。これ、正解。
ところで、過去官僚の味方ってマスコミの世界にも多いんです。なぜなら記事のネタをもらえるから。
「彼ら、鳩そのもの。ネタという豆を蒔くとポッポッポーと寄ってくる」「あれ書け、これ書け」というと大喜びで書く。過去官僚たちは鳩を使って自分たちに都合のいい数字や情報を流して世論を誘導する、というわけです。
いま、これらの過去官僚たちがいろんな団体に天下ってます。最大の天下りは「族議員」ですね。過去官僚の終の棲家になっちゃってる。
だから、自民党の中でもまともな政治家が改革をしようと思っても省庁と結託してる連中がよってたかって潰すわけ。渡辺善美さんがかつて行革担当大臣をしてた時、公務制度改革法案が消滅しかけました。で、野党が助けて成立させたことがありました。彼、泣いてたでしょ。
過去官僚+現在官僚の威力というのは現役の大臣を縛り上げるくらい強力なわけ。けどね、彼らは世論をバックにした政治家には弱いのよ。
国民はどの政党が政権を取ろうが、改革するなら応援せんといかんですな。
自民党は選挙の争点は景気回復とか年金だと思ってるようだけど、実は公務員制度改革がキモなのよね。なぜなら、景気回復は民間が頑張ればなんとかなります。公共事業は部分最適・全体不適で結局、円高を招くだけです。年金改革のポイントは社保庁・厚労省改革にほかなりません。
日本を打たれ強い筋肉国家に変貌させるには、ムダを垂れ流す公務員機構を改革せんといけません。
そういう意味で、脱藩官僚は「役所の落ちこぼれ」ではなく「役所のマインドコントロールが解けた人」ととらえるべきでしょう。応援してます。500円高。
脱藩官僚の会に馳せ参じたのは、通産出身の衆院議員江田憲司さん、「埋蔵金発掘」の高橋洋一さんなど8人。
ホントはもっといたんだけど、「いまさら出身官庁と喧嘩して勤務先に迷惑かけたくない」という人が多かったとか。たしかにねえ・・・本音かな。
官僚の得意技は「根回し」と「骨抜き」。政治家を嵌めるために罠をかける。その手口は罠に落とされたことにすら気づかないほど巧妙。
こういうところに頭を使うより「国益」に貢献する政策作りに頑張ってもらいたいものですけど、なかなかそうならない。なぜなら「自分の益=省益=国益」と考えてるから。
いまもなお公務員制度改革が叫ばれてる理由はここにあんだけどねえ。「私益=省益」はわかるけど、それと国益がイコールだなんて考えてる「思い上がり」が糾弾されてるわけね。
で、「過去官僚」の手口をよ〜く知ってる「脱藩官僚」がその裏技を見破って、国民に教えちゃうというわけです。
自前の政策スタッフを持たない政党や政治家にとって、官僚機構というのは都合のいい政策シンクタンクなのよ。けど賞味期限切れどころか、いまや毒入り餃子かセサミンになっちゃってるわけでしょ。
かつて、政治は3流でも官僚と財界が1流だから日本はもってる、と言われたことがありましたね。けど、いまや過去官僚が政財界の足を引っ張ってるわけ。
「おいら、いち抜〜けた」という脱藩官僚の皆さん。いまの官僚の実態を見れば、あんな風にはなりたくねえや、と考えるのも無理ないわな。
たとえば、橋本内閣時代、「経済財政諮問会議」を創設することですったもんだしました。当時、大蔵省は大反対でしたもんね。で、なにかというと「財政」という2文字を抜こうと画策するわけ。
だって官邸に予算をコントロールされたら大蔵省の存在価値がなくなるもんね。
同様に、財政と金融を分離するときも太反対。けどねえ、大蔵省主流の主計官僚って法案作成には詳しくても経済理論には弱くて、自分たちが管理監督しているはずの金融機関の若手にレクチャーしてもらってる有様。これで米国発金融恐慌にどう対応すべきか・・なんて青写真が描けるわけがありませんな。
こういう知識の落ち込みを見てたら、なんだこりゃとバカらしくもなりますな。
中央省庁再編時にも、組織防衛のために「あれはできない」「これも無理です」と総理に言い訳ばかりしてる幹部。「なんて頼もしい人なんだ」と思うより「いったいどっち向いて仕事してるんだ?」とまともな官僚なら感じますよ。「オレも10年経ったらあんな男になるのか・・・」と思えばぞっとする。江田さんはこれが退職の動機だったらしいよ。
公務員制度を改革するとき、高橋さんが目をつけたのは「出口」から先に改革すること。入口とはたとえば採用。採用配属なんかを議論してたら30年かかります。
で、出口=天下り斡旋、年功序列から着手すべしというわけ。これ、正解。
ところで、過去官僚の味方ってマスコミの世界にも多いんです。なぜなら記事のネタをもらえるから。
「彼ら、鳩そのもの。ネタという豆を蒔くとポッポッポーと寄ってくる」「あれ書け、これ書け」というと大喜びで書く。過去官僚たちは鳩を使って自分たちに都合のいい数字や情報を流して世論を誘導する、というわけです。
いま、これらの過去官僚たちがいろんな団体に天下ってます。最大の天下りは「族議員」ですね。過去官僚の終の棲家になっちゃってる。
だから、自民党の中でもまともな政治家が改革をしようと思っても省庁と結託してる連中がよってたかって潰すわけ。渡辺善美さんがかつて行革担当大臣をしてた時、公務制度改革法案が消滅しかけました。で、野党が助けて成立させたことがありました。彼、泣いてたでしょ。
過去官僚+現在官僚の威力というのは現役の大臣を縛り上げるくらい強力なわけ。けどね、彼らは世論をバックにした政治家には弱いのよ。
国民はどの政党が政権を取ろうが、改革するなら応援せんといかんですな。
自民党は選挙の争点は景気回復とか年金だと思ってるようだけど、実は公務員制度改革がキモなのよね。なぜなら、景気回復は民間が頑張ればなんとかなります。公共事業は部分最適・全体不適で結局、円高を招くだけです。年金改革のポイントは社保庁・厚労省改革にほかなりません。
日本を打たれ強い筋肉国家に変貌させるには、ムダを垂れ流す公務員機構を改革せんといけません。
そういう意味で、脱藩官僚は「役所の落ちこぼれ」ではなく「役所のマインドコントロールが解けた人」ととらえるべきでしょう。応援してます。500円高。