2008年10月14日リートの破綻が示唆すること

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 日本も米国も株価が暴騰してますね。10%以上じゃないですか? 日米だけじゃなくて世界的に暴騰してます。おかげで金はいったん休息。
 G7&G20にそうとう期待してたんでしょうなあ。ブッシュさんも飛び入り参加するなど「演出」も考えたようですな。だれかがアドバイスしたんでしょう。
 まっ、結果的に先に述べた「松下幸之助さんの危機管理」風の行動になったんで、会議でポールソンさんの隣にブッシュさんが見えたときには、「なるほどね」とニンマリしちゃいましたよ。

 投資は投資家の心理で決まる。「VIX指数」なんてまさにそうですもんね。「恐怖指数」だって。これ、S&P500のオプション取引の値動きをベースに算出されたものなんですけど、通常は10〜20の範囲内をうろちょろしてるわけ。

「危ねえな」「大丈夫か」と先行き不安になると数値がドーンと上昇するわけ。たとえば、今まで大きかったのは「ロシア危機(98年8月)」が45、「アメリカ同時多発テロ(01年9月)」が43。翌年の「エンロン不正会計事件」が45。「イラク戦争」なんて34にしかならなかった。
 で、今回の「金融危機」はあれよあれと48を超え、ピークは80に届いちゃう始末。いかに投資家にとって「恐怖」だったかがわかりますな。

 今後しばらく、投資家はマーケットに振り回されるでしょう。一喜一憂が止まらない。バケツの底が抜けちゃった状態ですからね。いま、塞ぐことができるのは日本しかいませんわな。アメリカは自力走行不能の事故車です。日本はJAFみたいなもんです。このマネタリー・プレゼンスをミリタリー・プレゼンスに変換せんとな。

 そういう意味で、北朝鮮のテロ支援国家が解除されようとされなかろうと、日本の態度・方針さえぶれなけりゃいいのよ。ここんところはひ弱な外務官僚などに舵取りを任せたらあかんで。

 さてさて、アーバン、スルガなどの噂のUSAが破綻。その後、東京証券取引所上場のJリートのニューシティ・レジデンス投資法人が民事再生法を申請。


総混迷・総混乱の中、解散なんてしてられんわな。

 リートのピークは去年の5月。ここ1年、都心の地価もずっと下がり続けてきましたね。
 少し前までリート市場が賑やかでミニ・バブルだった理由は、外資系のファンドがマーケットに大挙して乗り込んできたからですね。
 資金は個人投資家もそうですけど、多くは地銀。地銀なんだから地元の開発者のサポートでもしてりゃいいのに、都心のリートにばかり投資してきたわけ。

「株価が暴落しちゃって7〜9の決算が作れない」なんて言い訳するんじゃなくて、正直に、外資系ファンドに投資してやられちゃった・・・と正直に言えばいいの。たぶん、この人たちの運用能力なんて郵政公社とドッコイだと思うよ。

 そういうわけで、外資系の投資銀行、ヘッジファンドの破綻は、日本の地銀のいくつかを直撃します。さ〜て、どこだろ? どこでもいい。中央は大丈夫。けど、そうとう貸し渋りしてますなあ。

 かつて超優良企業で有名だった○○にしたって、M銀行が直前で手を引いためにM&Aと本社ビル売却に失敗。経営の厳しい地銀など、当局の指導など無視して貸し渋り・貸しはがしに邁進するでしょう。

 会社が消えなかったとしても、内定取り消しは平気であるかもしれません。不安な就活生はもう1回、就活しといたほうがいいかも。
「就活保険」なんて売り出さないかな、掛け捨てで。いけると思うんだけどね・・・。