2008年10月17日「崖っぷち高齢独身者」 樋口康彦著 光文社 798円
これ、ドラマになります。いや、できます。脚本次第ではかなり面白いドラマになるはず。しかも、マーケットとして考えても視聴率は高くなると思うよ。
視聴率がとれずにお悩みのテレビ局の人、野心満々の脚本家志望の人。チャンスチャンス。
さて、著者は富山の私立大学(かな?)で心理学を教えてる43歳の「結婚弱者」。
結婚弱者というのは著者の造語。「恋愛弱者」なる言葉も編み出してる。
この人、お見合いパーティ114回、結婚相談所でのお見合い68人というつわもの。で、悟りを得た。そのフィールドワークの成果が本書というわけ。
著者の「結婚活動」のスタートは38歳。まず結婚相談所から始めた。これ、40万円もすんのよ。で、お見合いパーティはその2年後から始めた。
どちらも当初は「ビギナーズラック」でまあまあの相手とカップルになれた、とのこと。これ、著者に言わせると奇跡に近いらしいね。正直、やらせもあるからね。この業界は。
お見合いパーティなんていうと、私の世代ではやっぱ「ねるとん紅鯨団」(フジテレビ系)の番組を思い出すなあ。まあ、あんな絶叫告白はないらしいけど。
私なんか26歳(家内が22歳)でさっさと結婚しちゃったから、この手のサービスには縁がなかったけどね。ツヴァイ等の結婚情報サービス利用者は未婚女性の8%が利用してるみたい。
この本、かなり本音で語ってます。奥歯にものの挟まった表現なんかない。ずばり直球。こりゃ、聞く人が聞けばかなりきついっすよ。
えっ、どんなのかって? おせーてあげる。
「参加者は1度も恋愛経験のない人が多かった」
「お見合いパーティでも結婚相談所でも、活動期間の短い人同士が結ばれる確率が高い」
「面の皮が厚くないと結婚活動はできない(パーティに出るたびにすでに知っている男女と合う。にもかかわらず、お互いに初対面のフリしてトークするわけ)」
「男性は40歳を過ぎたあたりから結婚歴のある女性を紹介される。女性は30代後半がタイムリミット(出産リミットということだろうね)」
「常連がいる。男女問わず、そこそこ相手にされる人に多い。パチンコや競馬と同じ心理。もしかして次は、という欲望から中毒になる」
「ちなみに常連は男女とも社会適応してるとは言い難い人物が多い。なにかが壊れている」
「女性たちからキモイとクレームが多く寄せられ、出入り禁止となった男性もいる(な〜るほど)」
「酷い格好をしていったり失礼な発言をしたり、極端にレスの遅い人、些細なことでアポを断る、遅刻。化粧せず、態度が拒絶的、などの行動をとる人が大変多い」
なんのために高い費用を払って参加してるのか意味不明、ということですな。優先順位がわかってないんだね、きっと。優先順位の筆頭は「結婚すること」でしょ? ある意味、おバカさんなのかもしれませんな。
これ、高いコストの結婚相談所だけでなく、気楽なお見合いパーティでも一緒。遊び半分なんて意識はないのよ。みな、真剣。けど、ルーズでいい加減な行動になっちゃう。つまり、「結婚弱者はコミュニケーション弱者だ」と著者は悟っちゃった。
後半になると調子が出てきたのか(?)、さらにヒートアップ。
「無職・学生が同一カテゴリーとしてまとめられてるけど、いままでNGにしてたのをOKにしてみたら、ドッと紹介所が届いた。価値観の欄では、仕事してないことに他人の意見はまったく気にしない、とある。学歴は中退。裕福でもないのに働かない。おそらく社会参加できない人たち?」
「彼女たちは家族の中でも厄介者で、周囲の人たちはなんとかしてどこかの男性に押しつけようとしているのではないか」
たしかに。
「男性は5回、女性は3回。それだけ参加してカップルになれなかったり、トークタイムにだれからも話しかけられなかったら、お見合いパーティはやめたほうがいい」
会場には「カップルになりたい!」「ならないとかっこ悪い」「ほかの人に負けたことになる」・・・という強い心理が渦巻いてるわけ。スタッフも「最初はお友達レベルでいいですから」と唆すし、希望第6位まで相手を記入できるようになってるわけ。
でも、記入したくない女性のほうが山ほどいる。
そんなに酷い女性たちばかりなのか? 著者によるとどうもそうらしい。
でも、人のことは言ってられないよ。服装にしても、著者も最所は無頓着だったのよ。友人から注意されてようやく気づいた。また、結婚活動する中で気づいたことがあった。
「なんて、自分はモテナイんだろう。ここまでモテナイとは思ってもみなかった」
でも、せっせと参加する。参加したい。なぜか?
「パーティで女性から選んでもらうことは自信回復・癒しになる」
「美人でなくたっていい。私と一緒にいることを愉しんでくれる女性。そんな人がたまらなく愛しい」
「トークタイムが始まる。当たり障りのない話をしつつ、まず肌の皺をじっくりチェック。次にその女性とのHを想像する。孤独な老人になるのと、この女性との間にこどもをもうけるのと、どちらがましかを判断する」
まあ、本音でしょうなあ。正直ですなあ。えらいと思う。けどさ、「自分が幸せになりたい」ということばかりで、相手の幸せをまったく考えていない。そこまで追い込まれちゃってる・・・ということ?
物心ついたときからモテテモテテ困った私が言っちゃいけませんよね。「上から目線」はダメダメ。自戒しないとね。
けど、正直、いい女はたいていいい男が独占してるのよ。で、男女とも相手が結婚してるかどうかなんて関係ないわけ。「魅力」というのはそういうもんだからね。
すると、どうなるか? 20代独身ばりばりの木村佳乃タイプや深キョンタイプ、はるかタイプ(綾瀬はるかね。ハリセンボンじゃねえよ)といった女性を既婚者がカノジョにしちゃってるわけ(ウシシ)。
だから、ますます独身男性はマーケットに「いい女」がいなくなっちゃう。まあ、そんなにいい女ならこの手のサービス不要だろうけどね。
この不公平、不平等は実は目立たないけど深い「格差」なのよ。
高校時代に小田急線?1のイケメン、ジャニーズか?と噂された不肖、小生としては所詮「恋愛弱者」「結婚弱者」の気持ちはわかりません。いまでも「ハマの舘ひろし」と異名をとってるんだからね。
この前も電車の中で熱い視線を送ってくる20代そこそこの超美人がいました。ずっと見つめてるわけ。痛いくらい。その真剣な眼差しに正直心打たれましたね。そこそこ混んでる車内でここまであからさまに訴えかけてくるか・・・最近の女性は積極的だ。いや正直だ。
「あのお・・・(えっ、コクルわけ? 展開が早いよお)」
「えっ、なに?」
「あのお」
「正直に言っていいんだよ」
「さっきから私の靴踏んでるんですけど。どけてもらえます」
「・・・ん?」
ま、いつもこんな展開ですけどね。チェッ。350円高。
視聴率がとれずにお悩みのテレビ局の人、野心満々の脚本家志望の人。チャンスチャンス。
さて、著者は富山の私立大学(かな?)で心理学を教えてる43歳の「結婚弱者」。
結婚弱者というのは著者の造語。「恋愛弱者」なる言葉も編み出してる。
この人、お見合いパーティ114回、結婚相談所でのお見合い68人というつわもの。で、悟りを得た。そのフィールドワークの成果が本書というわけ。
著者の「結婚活動」のスタートは38歳。まず結婚相談所から始めた。これ、40万円もすんのよ。で、お見合いパーティはその2年後から始めた。
どちらも当初は「ビギナーズラック」でまあまあの相手とカップルになれた、とのこと。これ、著者に言わせると奇跡に近いらしいね。正直、やらせもあるからね。この業界は。
お見合いパーティなんていうと、私の世代ではやっぱ「ねるとん紅鯨団」(フジテレビ系)の番組を思い出すなあ。まあ、あんな絶叫告白はないらしいけど。
私なんか26歳(家内が22歳)でさっさと結婚しちゃったから、この手のサービスには縁がなかったけどね。ツヴァイ等の結婚情報サービス利用者は未婚女性の8%が利用してるみたい。
この本、かなり本音で語ってます。奥歯にものの挟まった表現なんかない。ずばり直球。こりゃ、聞く人が聞けばかなりきついっすよ。
えっ、どんなのかって? おせーてあげる。
「参加者は1度も恋愛経験のない人が多かった」
「お見合いパーティでも結婚相談所でも、活動期間の短い人同士が結ばれる確率が高い」
「面の皮が厚くないと結婚活動はできない(パーティに出るたびにすでに知っている男女と合う。にもかかわらず、お互いに初対面のフリしてトークするわけ)」
「男性は40歳を過ぎたあたりから結婚歴のある女性を紹介される。女性は30代後半がタイムリミット(出産リミットということだろうね)」
「常連がいる。男女問わず、そこそこ相手にされる人に多い。パチンコや競馬と同じ心理。もしかして次は、という欲望から中毒になる」
「ちなみに常連は男女とも社会適応してるとは言い難い人物が多い。なにかが壊れている」
「女性たちからキモイとクレームが多く寄せられ、出入り禁止となった男性もいる(な〜るほど)」
「酷い格好をしていったり失礼な発言をしたり、極端にレスの遅い人、些細なことでアポを断る、遅刻。化粧せず、態度が拒絶的、などの行動をとる人が大変多い」
なんのために高い費用を払って参加してるのか意味不明、ということですな。優先順位がわかってないんだね、きっと。優先順位の筆頭は「結婚すること」でしょ? ある意味、おバカさんなのかもしれませんな。
これ、高いコストの結婚相談所だけでなく、気楽なお見合いパーティでも一緒。遊び半分なんて意識はないのよ。みな、真剣。けど、ルーズでいい加減な行動になっちゃう。つまり、「結婚弱者はコミュニケーション弱者だ」と著者は悟っちゃった。
後半になると調子が出てきたのか(?)、さらにヒートアップ。
「無職・学生が同一カテゴリーとしてまとめられてるけど、いままでNGにしてたのをOKにしてみたら、ドッと紹介所が届いた。価値観の欄では、仕事してないことに他人の意見はまったく気にしない、とある。学歴は中退。裕福でもないのに働かない。おそらく社会参加できない人たち?」
「彼女たちは家族の中でも厄介者で、周囲の人たちはなんとかしてどこかの男性に押しつけようとしているのではないか」
たしかに。
「男性は5回、女性は3回。それだけ参加してカップルになれなかったり、トークタイムにだれからも話しかけられなかったら、お見合いパーティはやめたほうがいい」
会場には「カップルになりたい!」「ならないとかっこ悪い」「ほかの人に負けたことになる」・・・という強い心理が渦巻いてるわけ。スタッフも「最初はお友達レベルでいいですから」と唆すし、希望第6位まで相手を記入できるようになってるわけ。
でも、記入したくない女性のほうが山ほどいる。
そんなに酷い女性たちばかりなのか? 著者によるとどうもそうらしい。
でも、人のことは言ってられないよ。服装にしても、著者も最所は無頓着だったのよ。友人から注意されてようやく気づいた。また、結婚活動する中で気づいたことがあった。
「なんて、自分はモテナイんだろう。ここまでモテナイとは思ってもみなかった」
でも、せっせと参加する。参加したい。なぜか?
「パーティで女性から選んでもらうことは自信回復・癒しになる」
「美人でなくたっていい。私と一緒にいることを愉しんでくれる女性。そんな人がたまらなく愛しい」
「トークタイムが始まる。当たり障りのない話をしつつ、まず肌の皺をじっくりチェック。次にその女性とのHを想像する。孤独な老人になるのと、この女性との間にこどもをもうけるのと、どちらがましかを判断する」
まあ、本音でしょうなあ。正直ですなあ。えらいと思う。けどさ、「自分が幸せになりたい」ということばかりで、相手の幸せをまったく考えていない。そこまで追い込まれちゃってる・・・ということ?
物心ついたときからモテテモテテ困った私が言っちゃいけませんよね。「上から目線」はダメダメ。自戒しないとね。
けど、正直、いい女はたいていいい男が独占してるのよ。で、男女とも相手が結婚してるかどうかなんて関係ないわけ。「魅力」というのはそういうもんだからね。
すると、どうなるか? 20代独身ばりばりの木村佳乃タイプや深キョンタイプ、はるかタイプ(綾瀬はるかね。ハリセンボンじゃねえよ)といった女性を既婚者がカノジョにしちゃってるわけ(ウシシ)。
だから、ますます独身男性はマーケットに「いい女」がいなくなっちゃう。まあ、そんなにいい女ならこの手のサービス不要だろうけどね。
この不公平、不平等は実は目立たないけど深い「格差」なのよ。
高校時代に小田急線?1のイケメン、ジャニーズか?と噂された不肖、小生としては所詮「恋愛弱者」「結婚弱者」の気持ちはわかりません。いまでも「ハマの舘ひろし」と異名をとってるんだからね。
この前も電車の中で熱い視線を送ってくる20代そこそこの超美人がいました。ずっと見つめてるわけ。痛いくらい。その真剣な眼差しに正直心打たれましたね。そこそこ混んでる車内でここまであからさまに訴えかけてくるか・・・最近の女性は積極的だ。いや正直だ。
「あのお・・・(えっ、コクルわけ? 展開が早いよお)」
「えっ、なに?」
「あのお」
「正直に言っていいんだよ」
「さっきから私の靴踏んでるんですけど。どけてもらえます」
「・・・ん?」
ま、いつもこんな展開ですけどね。チェッ。350円高。