2008年10月27日金融動乱

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 ほら、言ったとおり、麻生さん、解散しないでしょ?
 公明党との連立を反故にしてもできるわけがない。まだ、米国からOKが出ないからよ。解散したら負けちゃうし、この問題についてはブッシュと麻生さんの思惑が一致したということですな。

 それにしても、気づいたら、今月は「中島孝志の通勤快読」が少ないですな。とくに体育の日からはほとんどない。
 いやね、ご紹介したい本はヤマほどあんのよ。けどね・・・こんなに次から次へとニュースが飛び込んできますとついつい引きずられてしまいますな。いかんいかん。

 株価はバブル後最安値を大きく下回り、なんと7162円。これ、1980年。大平内閣当時の株価ですよ。
 さすがに政府も2兆円じゃ足りない。10兆円にしようと決断しましたけど、思わず笑っちゃいました。だって、宮沢さんが総理に就任した1991年とまったく同額なんだもん。

 バブル崩壊に直面してぶっ倒れた海部内閣の後を襲ったのが宮沢内閣なのね。
 この人、経済に明るいからピンと来た。
 「10兆円じゃ足りない。金融機関に公的資金を注入しないと大変なことになる」
 もち、財務の健全化(結局は天下りのための埋蔵金積立なんだけど)が最優先の大蔵省は大反対。財界も反対。この人、典型的なへたれだから、「あっそう」と引っ込めちゃった。

 このせいでどれだけ株価が落ちたと思う? 年間で26%の下落ですよ、26%。
 この数字がどれだけ凄いかといえば、体育の日を挟んで1週間で落ちた日経平均株価の下落率よりも大きいんです。

 危機にあたって、一国のリーダーが前向きか後ろ向きかによって株価は正直に動きますな。マーケットはリーダーによって変わるのよ。


むちゃくちゃ賢い人。けど、政治家には「ばか力」がないとあかんわな。

 この宮沢さん。7年後に小渕内閣で初代の財務大臣としてカムバックするわけ。
 いったい何をやったか? 公的資金注入のための「金融早期健全化法」の成立・施行ですよ。つまり、あの時、できなかったことを「もう1回いい?」とやったわけ。
 今度はリーダーが強力でした。小渕さんだもの。で、あっさり通った。7年前に宮沢さんが言ったことが官僚も財界も理解できたんだと思う。最大の抵抗勢力たる大蔵省もすでに財務省と名称を換えられるほど弱体化しつつあったということもあるだろうけどさ。

 で、この時、株価がどうなったと思う? なんと年率36%も上昇したんですよ。1年間でこんなに高騰したわけ。

 ところが、小渕さんは総理在任中に亡くなります。で、密室会議で決まった後継があの森喜朗さん。「鮫の脳みそ」と言われた人ですな。
 あっという間に株価は戻っちゃった。ホントにマーケットはリーダーのことをよく見てますよ。

 あ〜あ、オバマにしてもマケインにしても、次の大統領はこの2人のどちらかなんだから、目も当てられませんな。世界でもそう見てるはず。
 「おいおい、あんなバカで大丈夫なのか?」
 「ブッシュよりはましだろ」
 そんな会話があちこちでされてると思う。それでも、私ゃまだマケインにこだわってますけどね(どうでもいいけど、あの「遅れてきたボンドガール」どうにかならんかな)。

 いま、日本の円高・株安の真因は、日本が強いからにほかなりません。
 マイペースで大洋を航行していたら、あちらこちらから泥船が一斉にやってきて、「すんまへん。曳航してもらえんやろか」と頼まれちゃった。断ることもできるんだけど、まあ知らないわけじゃないからね。こんなにたくさん泥船牽いてたらスピードも出ないし、船の喫水線もがくんと落ちますわな。それが今回の株安・円高よ。

 いま、あちらこちらから救命ボートとかタグボート、浮き輪なんかが放り込まれてるから、そのうち泥船も自力走行できるようになります。
 正義の味方「日本丸」はそれまでの我慢よ。「アンパンマン」みたいなものですな。

 まっ、いまから株式投資、金投資を考えてる人には絶好のタイミング来たり・・・ですよ。既存の投資家は清算するのにいっぱいいっぱいなんだから。高値で買ってた人は地獄だけど、これから買う人は天国かも。めざとく証券会社に駆け込んでる人は少なくありませんな。
 買ったら、投資のことなんか忘れて3年くらい塩漬けにしといたら、まるまる太って美味しく食べられるんとちゃうか。
 「もっと下がるまで待とうか」
 欲張ったらあきまへん。「鯛の頭と尻尾はくれてやれ」「天井で売るな。底で買うな」と昔から言いますやろ。なにごともほどほどがいちばんやで。