2008年11月19日「年金テロ事件」が暗示すること

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 厚労省の元事務次官夫婦が殺害され、その後、別の元事務次官の妻が刺傷。連続テロですね。

 最初の事件を聞いたときにはプロの仕業で「迷宮入り」かなと思いましたけど、2件目の事件で犯人は致命的な失敗。人相風体を見られていては犯人特定も時間の問題でしょう。

 けど、この手の事件。つまり、テロですけど。いよいよ起きたか、と思いましたね。
 というのも、これだけ官製不況が起こり、官僚不祥事が続発。とくにあの社保庁と厚労省は「国民怨嗟の的」といってもいい役所ですからね。戦前の日本ならとっくにテロが起きてるはず・・・と考えていたからです。

 ただ、今回の連続テロは、はたして戦前のような「政治的意図」「愛国心」から起きているのかどうかは疑問です。もちろん、政治的意図や愛国心があればテロをしてもいいわけじゃありませんよ。

 1930年代、日本ではテロが続発していました。5.15事件、血盟団事件、2.26事件・・・日本の政界財界の要人テロが続きました。しかし、これらは個人的な恨みや怒りによる突発的な行動ではなく、組織的に明確な意図をもって行われた超法規の「政治行為」だったのです。

 テロの広がりとそのダイナミズムによって、組織的かどうかはすぐに判明するでしょう。が、配偶者まで巻き添えにするという行動から考えれば、政治的意図云々ではなく、個人的な恨み辛み、怒りの発露による短絡的思考。良かれ悪しかれ、戦後の民主主義で育った人物による身勝手な「テロ」、自己満足の「ヒーローイズム」と判断したほうが正解かもしれません。

 犯人は官僚を狙い、どうして政治家を狙わなかったのか? 逮捕されたら、ぜひ、この点を確認してみたいものです。あるいは、これから狙う? いやいや、そんな価値すらない。この日本はやはり政治家ではなく官僚によって操作されている・・・ということなんでしょう。
 いずれにしても、「時代閉塞の現状」をシンボライズする事件であることは確かですな。