2008年11月21日今日は石川洋先生の講話があります。

カテゴリー中島孝志の原理原則研究会」

 GMほか米国自動車メーカーの首脳が雁首揃えた議会での発言を聞いてますと・・・これは「失業者テロ」ですな。
 「公的資金を投入してくんないと失業者どんどん出すかんね。金融不安が原因なんだかんね。わしらぜんぜん悪くないかんね。政情不安になっても知らんかんね」
 まさにそんな感じ。民主党の支持基盤は労組だから、今回は労資一体となったキャンペーンなんでしょう。

 けどねえ、金融不安がなくたって同じことだったでしょ。原油が暴騰したときにすでに「死に体」だったと思いますよ。GM傘下のオペルなど、太陽電池大手のソーラーワールドが食指を伸ばしているとか。「エコカー」事業に本格的に乗り出すつもりなんですな。
 これ、正解。こういう「垂直買収」というか「逆買収」はありえますな。

 米国政府がビッグスリーを万が一助けるとしても満額回答はありません。デトロイト市民ではなく全米市民が納得するだけの「血」を流してもらわんとな。

 たとえば、GM・フォード・クライスラーをすべて持ち株会社の元に集めて合併させちゃう(社名は「ビッグスリー・カンパニー・ホールディングス」・・・なんちゃって)。で、「MECE」を展開して「ダブリ」はすべてカット。工場・従業員・研究開発などすべての事業分野を査定し(デューデリですな)、採算のとれるものだけに絞り込む。

 つまり、再生のポイントは「査定」→「選択」→「編成」→「資源の集中」を超短期間でほぼ同時に実行すること。これしかないのよ。構造的にダメだからね。短期間に業績が回復するわけがありません。

 でも、その間、従業員はレイオフしとけばいいじゃん。これ、米国企業の得意技じゃん。
 米国の場合、レイオフ=クビではありません。レイオフ=横に置いておく=いまは仕事がないの。景気がよくなったらまた来てね、という意味なのね。
 こういうことができるのも年金とか失業保険がしっかりしてるから(ここが日本と違うとこ。米国の失業と日本のそれとは温度差があるんだよね)。

 業界揃ってダメなわけじゃなく、ビッグスリーだけがとんでもなく悪いわけでしょ。次回の「社長が愛した数式」でご紹介しようと思ってるんだけど、ポルシェの経営はすごいよね。瞬間風速ですけど、あの不動の4番打者エクソンモービルを時価総額で超えちゃったもんね。

 つまり、ビッグスリーは資金を投入したところで砂漠に水を撒くようなものなんです。図体だけはでかいけどムダの塊なんですよ。

 こんな会社に税金注ぎ込んだらどうなるか? 事実上、「米国のデフォルト」を意味します。超ドル安。つうか、1ドル1円(明治維新の為替相場)。紙切れになります。
 この前の金融サミットにしても、なんだかんだ言ってもドルは基軸通貨の座から滑り落ちなかったでしょ? けど、これ、やっちゃったら終わりだわな。

 さてさて、本日は原理原則研究会です。講師はこの方! 石川洋(いしかわ・よう)先生です。30年来のおつきあい。私の師匠です。京都からお越し頂きます。久しぶりです。

 こんな総混迷、総混乱、総不安の時代だからこそ、「軸」をしっかり喝を入れてもらいたいと思います。


石川洋先生---昭和5年、栃木県生まれ。17才のとき、一燈園創始者、西田天香師と出会い、入園を決意。托鉢者として今日にいたる。かたわら、沖縄への奉仕活動「仏桑会(ぶっそうげ)の会」事務局長、順教尼遺弟会「この花会」相談役、国際宗教同志会常任委員、世界宗教者平和会議日本委員、人権・難民委員として活躍。国内では、教育・福祉・企業内教育の講師として東奔西走。海外では、カンボジアなどで幾多の危険な場面に直面しながら難民救援にあたっている。

 ご講話のテーマは「捨てなければ得られない--人生逃げ場無し」です。