2008年11月26日「沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史」 佐野眞一著 集英社 2000円
補正予算案先送り。これ、麻生さんの命取りになります。民主党の攻撃云々という前に、足下の党内から「麻生下ろし」の声が高まりますよ。
そうならないために、さっさと国会を閉めちゃおうというわけでしょうけど、残念ながらマーケットから退場勧告がなされるでしょうな。
瀕死の金融機関やビッグスリーを抱えたダウのほうが酷いはずなのに、日経平均株価のほうがより暴落しそうですな。もし8000円を切ったとしたら、その責任はすべて麻生フーバー内閣にあると考えていいでしょう。
第2次補正予算が来年に先送りになったと聞いたら、ただでさえ売り一色の外国人は「日本売り」を加速しますよ。結局、補正予算提出を最後に、麻生さんは選挙をすることなく総辞職に追い込まれるんとちゃうかな。
解散したって、「選挙の顔」になるはずだった男がここまで支持率落としたらこの看板では選挙は無理でしょ。
定額給付金なんてバカな政策は引っ込めて、配当課税0、申告分離課税0。ついでに特例を設けてる21〜22年度も0にすればいいのよ。
幸い、この人、コロコロ変わることで有名になっちゃったから、この際、この評判を逆手にとって、「あっ、また変わったの? お子ちゃまねぇ」と国民に思わせとけばいい。もうだれも給付金のことなんて話題にしなくなったでしょ。引っ込めるならいまだよ。
基本的なこと言うと、経済を好転させるには金持ちと会社・経営者を元気にさせなくちゃダメなのよ。これがマクロでいちばん効きます。川上が元気になるから川下は安心しておカネ使えるわけ。
川上優遇と低所得者のセイフティネットを考慮することとは別物なのよ。前者は経済産業対策、後者は厚生福祉対策なんです。
麻生さんは、ある意味、安部さんにはなかった「鈍感力」だけはたっぷりあるけど、中身は格好ばかり気にする「気取り屋総理」。今度、注意して見てくださいね。彼、テレビに映る時、必ず笑顔を演出してるはず。あれね、得意のポーズなの。「明るさ」「少年ぽさ=若さ」「庶民性」「親近感」を醸し出したいわけ。
けどね、もう68歳なんですよ。「バカは年取らない」といいますけど、68歳。あなたの周囲の68歳、見てください。こんなに軽い? こんなにフラフラしてる? こんなに軽薄?
いい年した大人が大衆に迎合してどうすんの? 「ボク、おたく」「漫画好きなの」と若者の機嫌とってどうすんの?
いまの日本と日本人は仲良しになれそうなリーダーを求めてはいません。近寄りがたいほど厳しく峻烈だけど、権威あるリーダーを求めてるんです。総理になればだれでも権力は握れるだろうけど、「権威」で国民を納得させなきゃあかんな。
そういう意味では、小沢さん&民主党もいたずらに「民のレベル」に降りてくる必要なし。にもかかわらず、最近、選挙を意識してか、党首みずから有権者に阿る態度が見えますよ。
彼に親近感など不要。いや、邪魔。強さ、ふてぶてしさ、ずるさ、頑固、腰の据わった・・・このイメージのままでええんや。側近はこのこと、きちっと伝えなあかんど。
ところで、本日は「通勤快読」でした。興奮と怒りのあまり、ついつい我を忘れてしまいました。
「おい、よく見ておけ。アメリカはこんなことをする国なんだ」
年を迎える1人の刑事が中庭で焼いていたのは、捜査で使ったおびただしい写真。女性の局部に竹槍が突っ込まれたり、異物を無理やり押し込まれたような凄惨なものばかり。明白な証拠があがっているのに、日米地位協定の壁に阻まれて、結局、迷宮入り。
泣きながら刑事は焼いていたとか・・・こんな地元記者のエピソードからスタートする。
「月刊プレイボーイ」に連載された力作。分厚い本ですな。このめちゃ忙しい中、手に取る本ではないかも。後の祭り。
前後の格調が高い。が、中身はインタビューをまとめたものに過ぎない。ならば、つまらない? まったくそんなことはない。
たぶん、山ほどインタビューした中から原稿化するに当たってシビアに人選したのだろえう。だから、本書はフレンチや中華ではなく、いいネタをポンと出した寿司のような味がする。
「満州という時間軸と、沖縄という空間軸を立てる。この2つがクロスしたところに結ばれた像こそ、われわれがいま暮らす日本列島の掛け値無しの姿ではないか」
日本の戦後社会を透視するには「沖縄」を避けては通れない。日本という国は沖縄に義理がある。
沖縄については、いままでたくさんの本が書かれてきた。そのほとんどが「被害者意識」に隈取られた沖縄本ばかり。ノーベル賞作家の大江健三郎さんや先頃亡くなっ筑紫哲也さんなどその典型かもしれない。
「本土から沖縄に怒られに行く」「戦争の被害をすべて引き受けた沖縄に謝りに行く」という姿勢。典型的なプロパガンダ。ステレオタイプの形容詞。だが、この人たちはいったい沖縄のどこを見ていたのだろう?
「彼が描く沖縄は純粋無垢の聖者であり、自分1人だけが疚しさを感じる善良な日本人だと宣言し、悦に入っている」という小林よしのりさんの批判を、「それなりに説得力がある」と見ている。
「沖縄県民を聖者化することは彼らを愚弄することにほかならない」というのが著者のスタンス。なぜなら、「褒め殺しはいい加減にしてくれ」と心ある沖縄人(ウチナンチュー)から何度言われたことか・・・。論のための論ではなく、素直に耳を傾けたフィールドワークのようだ。
以前、このサイトで「東京アンダーグラウンド」という名著を紹介したことがあるが、本書は「オキナワ・アンダーグラウンド」ともいうべきものかもしれない。
インタビュー相手は、オキナワのアウトローがどっさり。苛烈な抗争の中でヒットマンとなった男の痛切な告白。沖縄と奄美大島の関係。差別の歴史。沖縄経済界を牛耳る四天王と政治家、やくざに襲撃されそのやくざと親しくなった組合活動家、米流組のエリート、軍用地主、女傑、沖縄出身の芸能タレント、その生みの親・・・。
裏情報もたっぷり。沖縄の金融事情(みずほ銀行以外なぜ進出しないのか?)、防衛省スキャンダル、沖縄密約問題、ライブドア役員の怪死事件、それに米兵による少女暴行事件・・・。
沖縄てんこもり。道理で654ページにもなるわけだ。400円高。
そうならないために、さっさと国会を閉めちゃおうというわけでしょうけど、残念ながらマーケットから退場勧告がなされるでしょうな。
瀕死の金融機関やビッグスリーを抱えたダウのほうが酷いはずなのに、日経平均株価のほうがより暴落しそうですな。もし8000円を切ったとしたら、その責任はすべて麻生フーバー内閣にあると考えていいでしょう。
第2次補正予算が来年に先送りになったと聞いたら、ただでさえ売り一色の外国人は「日本売り」を加速しますよ。結局、補正予算提出を最後に、麻生さんは選挙をすることなく総辞職に追い込まれるんとちゃうかな。
解散したって、「選挙の顔」になるはずだった男がここまで支持率落としたらこの看板では選挙は無理でしょ。
定額給付金なんてバカな政策は引っ込めて、配当課税0、申告分離課税0。ついでに特例を設けてる21〜22年度も0にすればいいのよ。
幸い、この人、コロコロ変わることで有名になっちゃったから、この際、この評判を逆手にとって、「あっ、また変わったの? お子ちゃまねぇ」と国民に思わせとけばいい。もうだれも給付金のことなんて話題にしなくなったでしょ。引っ込めるならいまだよ。
基本的なこと言うと、経済を好転させるには金持ちと会社・経営者を元気にさせなくちゃダメなのよ。これがマクロでいちばん効きます。川上が元気になるから川下は安心しておカネ使えるわけ。
川上優遇と低所得者のセイフティネットを考慮することとは別物なのよ。前者は経済産業対策、後者は厚生福祉対策なんです。
麻生さんは、ある意味、安部さんにはなかった「鈍感力」だけはたっぷりあるけど、中身は格好ばかり気にする「気取り屋総理」。今度、注意して見てくださいね。彼、テレビに映る時、必ず笑顔を演出してるはず。あれね、得意のポーズなの。「明るさ」「少年ぽさ=若さ」「庶民性」「親近感」を醸し出したいわけ。
けどね、もう68歳なんですよ。「バカは年取らない」といいますけど、68歳。あなたの周囲の68歳、見てください。こんなに軽い? こんなにフラフラしてる? こんなに軽薄?
いい年した大人が大衆に迎合してどうすんの? 「ボク、おたく」「漫画好きなの」と若者の機嫌とってどうすんの?
いまの日本と日本人は仲良しになれそうなリーダーを求めてはいません。近寄りがたいほど厳しく峻烈だけど、権威あるリーダーを求めてるんです。総理になればだれでも権力は握れるだろうけど、「権威」で国民を納得させなきゃあかんな。
そういう意味では、小沢さん&民主党もいたずらに「民のレベル」に降りてくる必要なし。にもかかわらず、最近、選挙を意識してか、党首みずから有権者に阿る態度が見えますよ。
彼に親近感など不要。いや、邪魔。強さ、ふてぶてしさ、ずるさ、頑固、腰の据わった・・・このイメージのままでええんや。側近はこのこと、きちっと伝えなあかんど。
ところで、本日は「通勤快読」でした。興奮と怒りのあまり、ついつい我を忘れてしまいました。
「おい、よく見ておけ。アメリカはこんなことをする国なんだ」
年を迎える1人の刑事が中庭で焼いていたのは、捜査で使ったおびただしい写真。女性の局部に竹槍が突っ込まれたり、異物を無理やり押し込まれたような凄惨なものばかり。明白な証拠があがっているのに、日米地位協定の壁に阻まれて、結局、迷宮入り。
泣きながら刑事は焼いていたとか・・・こんな地元記者のエピソードからスタートする。
「月刊プレイボーイ」に連載された力作。分厚い本ですな。このめちゃ忙しい中、手に取る本ではないかも。後の祭り。
前後の格調が高い。が、中身はインタビューをまとめたものに過ぎない。ならば、つまらない? まったくそんなことはない。
たぶん、山ほどインタビューした中から原稿化するに当たってシビアに人選したのだろえう。だから、本書はフレンチや中華ではなく、いいネタをポンと出した寿司のような味がする。
「満州という時間軸と、沖縄という空間軸を立てる。この2つがクロスしたところに結ばれた像こそ、われわれがいま暮らす日本列島の掛け値無しの姿ではないか」
日本の戦後社会を透視するには「沖縄」を避けては通れない。日本という国は沖縄に義理がある。
沖縄については、いままでたくさんの本が書かれてきた。そのほとんどが「被害者意識」に隈取られた沖縄本ばかり。ノーベル賞作家の大江健三郎さんや先頃亡くなっ筑紫哲也さんなどその典型かもしれない。
「本土から沖縄に怒られに行く」「戦争の被害をすべて引き受けた沖縄に謝りに行く」という姿勢。典型的なプロパガンダ。ステレオタイプの形容詞。だが、この人たちはいったい沖縄のどこを見ていたのだろう?
「彼が描く沖縄は純粋無垢の聖者であり、自分1人だけが疚しさを感じる善良な日本人だと宣言し、悦に入っている」という小林よしのりさんの批判を、「それなりに説得力がある」と見ている。
「沖縄県民を聖者化することは彼らを愚弄することにほかならない」というのが著者のスタンス。なぜなら、「褒め殺しはいい加減にしてくれ」と心ある沖縄人(ウチナンチュー)から何度言われたことか・・・。論のための論ではなく、素直に耳を傾けたフィールドワークのようだ。
以前、このサイトで「東京アンダーグラウンド」という名著を紹介したことがあるが、本書は「オキナワ・アンダーグラウンド」ともいうべきものかもしれない。
インタビュー相手は、オキナワのアウトローがどっさり。苛烈な抗争の中でヒットマンとなった男の痛切な告白。沖縄と奄美大島の関係。差別の歴史。沖縄経済界を牛耳る四天王と政治家、やくざに襲撃されそのやくざと親しくなった組合活動家、米流組のエリート、軍用地主、女傑、沖縄出身の芸能タレント、その生みの親・・・。
裏情報もたっぷり。沖縄の金融事情(みずほ銀行以外なぜ進出しないのか?)、防衛省スキャンダル、沖縄密約問題、ライブドア役員の怪死事件、それに米兵による少女暴行事件・・・。
沖縄てんこもり。道理で654ページにもなるわけだ。400円高。