2009年04月27日「劇場政治の誤算」 加藤紘一著 角川書店 740円
とうとう現れましたな。鳥インフレエンザがやばいとばかり思っていたら、豚ですか。
厚労省がせっせと備蓄してたのは鳥インフル用のワクチンでしょ。豚ですかあ? 完全に裏かかれちゃいましたね。「安心していい」というコメントばかり出てますけど、もち、パニックを恐れてのリードでしょ。
安心しちゃいかんのよ。マスクしましょ。外出するときはね。私のブーブーマスクもいよいよ活躍の時来たれりです。
こういう事件が株価に影響を与えないわけがありません。松藤民輔さん著『超・投資勉強法』に紹介されたダイワボウ(3107)など、典型的なインフルエンザ銘柄。取引開始から値が付かず、このままストップ高になりそうな勢いですな(結果−前日比なんと38.27%高!やっぱストップ高でしたね)。
メキシコ。アメリカ、オーストラリア・・・広がりそうですな。いちばんやばいのは空港。どこで空気感染するかもわかんないもん。中南米・北米はもちろん、海外旅行は避けといたほうがベター。
「♪ダイジョブダイジョブ」なんて小島よしおさんみたいなノリの観光客もいっばいいるけどね。行きはよいよい、帰りは怖い。発熱には潜伏期間がありますからね。サーモグラフィでは水際でチェックなんてできませんよ。
さて、加藤紘一さん。元防衛庁長官、官房長官、自民党政調会長、幹事長を歴任。保守本流。「宏池会のプリンス」と言われたけど、「加藤の乱」で味噌をつけ、事務所代表の所得税法違反の責任をとって離党。議員辞職。その後、復職。しかし復権には至ってませんな。
本書は、下野してたときに有権者たちと膝つめで話してきた経験がベースになってますな。いい感じで人間的に一皮剥けてきたような印象がありますけど、政治家に大切なことは決断と行動でね。「評論家としては超一流」と言われた、親分の宮沢喜一さんを連想されてなりませんな。そこがこの人のネックなんだと思う。
けど、本書の内容はいい。政治家の著書としてはかなり誠実によくまとめられてますな。
自由民主党の存在意義は、1つは反共政策、1つは経済成長政策。このセールスポイントが90年代の冷戦終結と経済繁栄を通じて消えてしまっていたことに、自民党の議員たちは気づいていなかった。
それでも曲がりなりにも政権与党であり得たのは、「責任感」と「まとめる力」という日本型保守ともいうべき身上を期待されてのことではなかったか、と著者は分析指摘してますな。
たしかに、かつての、すなわち、元気な頃の、つまり、活力があった頃の自民党は、野党より党内の派閥争いのほうがよっぽどしんどい「対立」でしてね。野党との交渉のほうがよっぽど楽だったかもしれませんな。
でも、こんな戦争の中でも政策ごとに1つの方針でまとめ上げ、必要とあらば内閣をつぶしてまでも財政再建を図ったりしてましたよね。消費税導入時の竹下登(DAIGOのじい様)内閣がそうでした。
ところが、いまの自民党にはそんなパワーはありません。
「自民党をぶっ壊す」という派手なパフォーマンスで国民から拍手喝采を浴びた小泉純一郎さん。国民はこのモンスター「自民党」をどう退治するのか、小泉劇場を見物するために彼がやることは多少無茶でも目をつぶってきたわけです。
この間、小泉さんは竹中平蔵さんというアメリカ産業界の代理店のような格好の相棒を見つけて、持論である「郵政民営化」の実現化を推進したわけですね。
さて、国民は「郵政民営化」に大賛成しました。けど、「郵政民営化」とは何なのか、正確に理解してた国民がどれだけいるものやら。
財政投融資の資金が不必要な道路や箱物に投入されてるんでしょ? それがなくなるわけでしょ? つまりは、行財政改革の一歩なんですよね? そんなとこじゃないでしょうかねえ。
さて、この小泉・竹中コンビにあったのはなんでしょうか? 「マーケット」と「個人」という視点のみ。その間にある「社会」という視点はすっぽりと抜け落ちてました。
規制緩和という大義名分の下、企業は空前の利益を上げ、「いざなぎ景気(1965年11月−70年7月)」を超える景気上昇期間を記録しましたね。いまは昔の話ですけどちょっと前まではそうだったんです。
でも、いつまで待とうとこの好景気の恩恵が私たちの暮らしに届くことありませんでした。こんだけ景気が継続していたにもかかわらず、豊かさを実感できた人はどれだけいました?
日本経済がこんなに傷んでいるのは、小泉・竹中コンビが心血を注いだ経済政策(規制緩和)によって極端な外需依存になっていたためです。
なにより彼らが壊したものの中で重要なものは「地域社会」でした。地域社会が消えてなくなりつつあります。いま、自民党が「農業再生にお金をばらまく」と行脚した小沢民主党に後れを取っているのもこの部分の再生です。
大店法の改正によって地方に大きなスーパーが乱立しました。昔ながらの商店街は競争に負けてシャッター通りになってしまいましたね。すると、売上の激減した店主は跡継ぎに店を任せず、地元や県庁所在地の中小企業でサラリーマンをさせたがるようになります。
結果として、後継者は店よりも会社によりスタンスを置き始めるようになるんです。
するとどうなるか? 地域の祭りやイベントより社長のゴルフのお供や出張を優先するようになります。仕事や昇進、出世競争に真剣になるわけです。当然、地域イベント等に振り向ける時間は激減するはずですね。
こうして、本来ならば地域のリーダーとなるべき人材が1人、また1人と消えていくわけです。
この構図は地方の商工部だけでなく、農村漁村部でも同じです。原油や肥料等の資源高騰不安に、さらに不漁不作というリスクを抱えれば、息子にこの仕事を継いでほしいとはなかなか言えませんよ。だれが自分と同じ苦労を続けろなんて言えますかいな。勉強して、食いっぱぐれのない公務員とか大きな会社のサラリーマンになってほしい。こう願うのは当然です。
08年、原油、鉄鉱石、石炭、食糧など、日本が海外から輸入した資源価格の総額は18兆円あります。
消費税に換算すると6.5%分です。つまり、これらの上昇分を価格に転嫁すると、あと6.5%値上げしないといけないわけ。当然そんなに値上げしたらだれも買ってくれない。だから、生産者とか卸売りとか小売が泣いてるわけですね。
「世の中には不平等はあるものだ。なにがいけない」
これは小泉さんが首相をしていた時の発言です。
「改革の方向は間違えていません。安い賃金の労働者が増えていることは事実ですが、契約社員でやっていくほうが自分の人生として正しいと思っている人もいる。この制度はもっと良くなるけれども、まだ改革の途中です。だから矛盾が現れているんです」
これは竹中平蔵さんの発言ですね。
「弱い立場の人々の悲しみ、怒り、喜びに触れることができなければ、それは経済学ではない」
これは98年にノーベル経済学賞を受賞したハーバード大学アマーティア・セン教授の言葉です。
この人のインタビュー記事が朝日新聞に掲載されてました。
1市場経済体制はいくつもの仕組みで動いている。市場はその1つにすぎない。市場の利用だけを考えて、国家や個人の倫理観を否定するなら、新自由主義は人を失望させる非生産的な考え方と言わざるを得ない。
2政府が出しゃばり過ぎれば問題だ。だが、政府は解決でもある。国家は社会基盤を作る点で役割が大きい。金融機関の活動を抑制する点でも重要だ。手っ取り早く儲けようとして市場を歪めるのを防衛しなければならない。
3市場にはできることとできないことがある。(規制をする)国家は悪だ、という考え方は、理論と言うよりも衝動みたいなもので、そう思いこんでる人は正当化の理屈を後から考える。
もう1つ、ナショナリズムについても言及してますけど省きましょう。
日本人の個人金融資産は1500兆円もあります。銀行利息を3%つけたら45兆円。これりが毎年受け取れるわけです。なんと消費税16%に相当する金額です。
金融資産をたっぷり抱えている老人ほど消費しない、と思われていますが、それは元本を減らしてまで何かを買おうとはしないだけで、利息分ならせっせと可愛い孫のためにとか、旅行やグルメに散財すること必至だと思うんです。
なにしろあぶく銭ですからね、利息なんてものは。
ところが、いままで預金者は本来受け取るべき利息がもらえなかった。極端な低金利が続きましたでしょ。
では、その分はいったいどこに消えてたかというと、ご存じのように金融機関がまるっぽ頂いてたわけ。もちろん、それが企業への貸し付け等に使われていたわけですね。リーマンショックになるまではこのお金でもって景気回復へとつながっていたわけですよ。
企業は好景気で潤って内部留保を増やしたり、自社株を買ったり、株主への配当を増やしたりして、せっせと時価総額を高めるために懸命でした。なぜ時価総額を増やすかと言えば、株式交換でM&Aがしやすくなるということもありますが、メインは乗っ取り対策でしょ。
日本上空をハゲタカがたくさん飛んでましたからねえ、去年の9月までは。
もちろん、利息が増えるということは、金融機関の貸出金利が高くなるということでもあります。けど、貸しはがし・貸し渋りで悩むのと、金利高で悩むのと、中小企業の経営者にとってどちらがましか? 考えてみればわかりますよね。
さらにいえば、もしガリガリ亡者の外資系企業経営者やファンド等に乗っ取られる心配がなければ、日本企業は株主への配当に回すよりも、従業員や派遣社員等の待遇改善などの労務対策に回す余裕が出てくるはずですよ。この辺は政策でどのようにでも変えられるんじゃないかなあ。
そんなことしたら、外国からの投資が減る? いまどき、外国にそんな余裕がありますか? もし余裕があったとしても、GMに代表されるような米国企業に投資しますか?
いま、日本の企業構造、労務構造を改善する絶好のチャンスだと思いますけどね。欧米企業も、かつての日本企業のような仕組みにしたいと考えてるんじゃないかなあ。それくらいのインパクトがあったんですよ、今回の金融危機は。350円。
厚労省がせっせと備蓄してたのは鳥インフル用のワクチンでしょ。豚ですかあ? 完全に裏かかれちゃいましたね。「安心していい」というコメントばかり出てますけど、もち、パニックを恐れてのリードでしょ。
安心しちゃいかんのよ。マスクしましょ。外出するときはね。私のブーブーマスクもいよいよ活躍の時来たれりです。
こういう事件が株価に影響を与えないわけがありません。松藤民輔さん著『超・投資勉強法』に紹介されたダイワボウ(3107)など、典型的なインフルエンザ銘柄。取引開始から値が付かず、このままストップ高になりそうな勢いですな(結果−前日比なんと38.27%高!やっぱストップ高でしたね)。
メキシコ。アメリカ、オーストラリア・・・広がりそうですな。いちばんやばいのは空港。どこで空気感染するかもわかんないもん。中南米・北米はもちろん、海外旅行は避けといたほうがベター。
「♪ダイジョブダイジョブ」なんて小島よしおさんみたいなノリの観光客もいっばいいるけどね。行きはよいよい、帰りは怖い。発熱には潜伏期間がありますからね。サーモグラフィでは水際でチェックなんてできませんよ。
さて、加藤紘一さん。元防衛庁長官、官房長官、自民党政調会長、幹事長を歴任。保守本流。「宏池会のプリンス」と言われたけど、「加藤の乱」で味噌をつけ、事務所代表の所得税法違反の責任をとって離党。議員辞職。その後、復職。しかし復権には至ってませんな。
本書は、下野してたときに有権者たちと膝つめで話してきた経験がベースになってますな。いい感じで人間的に一皮剥けてきたような印象がありますけど、政治家に大切なことは決断と行動でね。「評論家としては超一流」と言われた、親分の宮沢喜一さんを連想されてなりませんな。そこがこの人のネックなんだと思う。
けど、本書の内容はいい。政治家の著書としてはかなり誠実によくまとめられてますな。
自由民主党の存在意義は、1つは反共政策、1つは経済成長政策。このセールスポイントが90年代の冷戦終結と経済繁栄を通じて消えてしまっていたことに、自民党の議員たちは気づいていなかった。
それでも曲がりなりにも政権与党であり得たのは、「責任感」と「まとめる力」という日本型保守ともいうべき身上を期待されてのことではなかったか、と著者は分析指摘してますな。
たしかに、かつての、すなわち、元気な頃の、つまり、活力があった頃の自民党は、野党より党内の派閥争いのほうがよっぽどしんどい「対立」でしてね。野党との交渉のほうがよっぽど楽だったかもしれませんな。
でも、こんな戦争の中でも政策ごとに1つの方針でまとめ上げ、必要とあらば内閣をつぶしてまでも財政再建を図ったりしてましたよね。消費税導入時の竹下登(DAIGOのじい様)内閣がそうでした。
ところが、いまの自民党にはそんなパワーはありません。
「自民党をぶっ壊す」という派手なパフォーマンスで国民から拍手喝采を浴びた小泉純一郎さん。国民はこのモンスター「自民党」をどう退治するのか、小泉劇場を見物するために彼がやることは多少無茶でも目をつぶってきたわけです。
この間、小泉さんは竹中平蔵さんというアメリカ産業界の代理店のような格好の相棒を見つけて、持論である「郵政民営化」の実現化を推進したわけですね。
さて、国民は「郵政民営化」に大賛成しました。けど、「郵政民営化」とは何なのか、正確に理解してた国民がどれだけいるものやら。
財政投融資の資金が不必要な道路や箱物に投入されてるんでしょ? それがなくなるわけでしょ? つまりは、行財政改革の一歩なんですよね? そんなとこじゃないでしょうかねえ。
さて、この小泉・竹中コンビにあったのはなんでしょうか? 「マーケット」と「個人」という視点のみ。その間にある「社会」という視点はすっぽりと抜け落ちてました。
規制緩和という大義名分の下、企業は空前の利益を上げ、「いざなぎ景気(1965年11月−70年7月)」を超える景気上昇期間を記録しましたね。いまは昔の話ですけどちょっと前まではそうだったんです。
でも、いつまで待とうとこの好景気の恩恵が私たちの暮らしに届くことありませんでした。こんだけ景気が継続していたにもかかわらず、豊かさを実感できた人はどれだけいました?
日本経済がこんなに傷んでいるのは、小泉・竹中コンビが心血を注いだ経済政策(規制緩和)によって極端な外需依存になっていたためです。
なにより彼らが壊したものの中で重要なものは「地域社会」でした。地域社会が消えてなくなりつつあります。いま、自民党が「農業再生にお金をばらまく」と行脚した小沢民主党に後れを取っているのもこの部分の再生です。
大店法の改正によって地方に大きなスーパーが乱立しました。昔ながらの商店街は競争に負けてシャッター通りになってしまいましたね。すると、売上の激減した店主は跡継ぎに店を任せず、地元や県庁所在地の中小企業でサラリーマンをさせたがるようになります。
結果として、後継者は店よりも会社によりスタンスを置き始めるようになるんです。
するとどうなるか? 地域の祭りやイベントより社長のゴルフのお供や出張を優先するようになります。仕事や昇進、出世競争に真剣になるわけです。当然、地域イベント等に振り向ける時間は激減するはずですね。
こうして、本来ならば地域のリーダーとなるべき人材が1人、また1人と消えていくわけです。
この構図は地方の商工部だけでなく、農村漁村部でも同じです。原油や肥料等の資源高騰不安に、さらに不漁不作というリスクを抱えれば、息子にこの仕事を継いでほしいとはなかなか言えませんよ。だれが自分と同じ苦労を続けろなんて言えますかいな。勉強して、食いっぱぐれのない公務員とか大きな会社のサラリーマンになってほしい。こう願うのは当然です。
08年、原油、鉄鉱石、石炭、食糧など、日本が海外から輸入した資源価格の総額は18兆円あります。
消費税に換算すると6.5%分です。つまり、これらの上昇分を価格に転嫁すると、あと6.5%値上げしないといけないわけ。当然そんなに値上げしたらだれも買ってくれない。だから、生産者とか卸売りとか小売が泣いてるわけですね。
「世の中には不平等はあるものだ。なにがいけない」
これは小泉さんが首相をしていた時の発言です。
「改革の方向は間違えていません。安い賃金の労働者が増えていることは事実ですが、契約社員でやっていくほうが自分の人生として正しいと思っている人もいる。この制度はもっと良くなるけれども、まだ改革の途中です。だから矛盾が現れているんです」
これは竹中平蔵さんの発言ですね。
「弱い立場の人々の悲しみ、怒り、喜びに触れることができなければ、それは経済学ではない」
これは98年にノーベル経済学賞を受賞したハーバード大学アマーティア・セン教授の言葉です。
この人のインタビュー記事が朝日新聞に掲載されてました。
1市場経済体制はいくつもの仕組みで動いている。市場はその1つにすぎない。市場の利用だけを考えて、国家や個人の倫理観を否定するなら、新自由主義は人を失望させる非生産的な考え方と言わざるを得ない。
2政府が出しゃばり過ぎれば問題だ。だが、政府は解決でもある。国家は社会基盤を作る点で役割が大きい。金融機関の活動を抑制する点でも重要だ。手っ取り早く儲けようとして市場を歪めるのを防衛しなければならない。
3市場にはできることとできないことがある。(規制をする)国家は悪だ、という考え方は、理論と言うよりも衝動みたいなもので、そう思いこんでる人は正当化の理屈を後から考える。
もう1つ、ナショナリズムについても言及してますけど省きましょう。
日本人の個人金融資産は1500兆円もあります。銀行利息を3%つけたら45兆円。これりが毎年受け取れるわけです。なんと消費税16%に相当する金額です。
金融資産をたっぷり抱えている老人ほど消費しない、と思われていますが、それは元本を減らしてまで何かを買おうとはしないだけで、利息分ならせっせと可愛い孫のためにとか、旅行やグルメに散財すること必至だと思うんです。
なにしろあぶく銭ですからね、利息なんてものは。
ところが、いままで預金者は本来受け取るべき利息がもらえなかった。極端な低金利が続きましたでしょ。
では、その分はいったいどこに消えてたかというと、ご存じのように金融機関がまるっぽ頂いてたわけ。もちろん、それが企業への貸し付け等に使われていたわけですね。リーマンショックになるまではこのお金でもって景気回復へとつながっていたわけですよ。
企業は好景気で潤って内部留保を増やしたり、自社株を買ったり、株主への配当を増やしたりして、せっせと時価総額を高めるために懸命でした。なぜ時価総額を増やすかと言えば、株式交換でM&Aがしやすくなるということもありますが、メインは乗っ取り対策でしょ。
日本上空をハゲタカがたくさん飛んでましたからねえ、去年の9月までは。
もちろん、利息が増えるということは、金融機関の貸出金利が高くなるということでもあります。けど、貸しはがし・貸し渋りで悩むのと、金利高で悩むのと、中小企業の経営者にとってどちらがましか? 考えてみればわかりますよね。
さらにいえば、もしガリガリ亡者の外資系企業経営者やファンド等に乗っ取られる心配がなければ、日本企業は株主への配当に回すよりも、従業員や派遣社員等の待遇改善などの労務対策に回す余裕が出てくるはずですよ。この辺は政策でどのようにでも変えられるんじゃないかなあ。
そんなことしたら、外国からの投資が減る? いまどき、外国にそんな余裕がありますか? もし余裕があったとしても、GMに代表されるような米国企業に投資しますか?
いま、日本の企業構造、労務構造を改善する絶好のチャンスだと思いますけどね。欧米企業も、かつての日本企業のような仕組みにしたいと考えてるんじゃないかなあ。それくらいのインパクトがあったんですよ、今回の金融危機は。350円。