2009年05月27日大本営発表には気をつけなはれや!
カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」
今朝の新聞発表に対して、「ズームインSUPER(日本テレビ)」の辛坊キャスターが噛み付いてました。すなわち、「こんな数字、いままで何回も発表されてる。いまどうしてわざわざ一面トップなんだ」ということ。
いったいなんのことかというと、朝日、日経等に掲載された「年金」発表に関する記事。たとえば・・・。
---年金、世代格差くっきり 厚労省が新たな試算結果を公表
厚生労働省は26日、公的年金の世代間格差に関する推計など新たな試算を社会保障審議会年金部会に報告した。若い世代ほど負担が重くなる姿が鮮明になったほか、将来にわたって厚生年金の「給付水準50%」を確保するという制度の看板も揺らいでいる。「安心」のもろさが改めてにじんだ。
今回の試算は2月にまとめた5年に1度の公的年金の財政検証の一環。それによると、来年70歳(1940年生まれ)の標準世帯の厚生年金の受給総額は本人が払った保険料の6.5倍。来年65歳の世帯は4.7倍と、5年前の試算(4.6倍)より上昇した。一方、来年30歳になる80年生まれ以降は2.3倍にとどまる---
データを図版入りで詳しく説明してるわけ。けどね、この記事、私は辛坊さんとはぜんぜんちがう意味でとらえましたよ。
これ読むと、「不公平じゃねえか。ざけんなよ。年寄りばっかいい思いしやがってよ」と感じる人もいるでしょうし、「しょうがないか。寝たきりの年寄り抱えてるけど、これでも年金稼いでるかんね。死なないように注意してる」とかね。
でもさ、本線から外れちゃダメよ。この発表、インチキです。というか、正確にいえば、国民の錯覚を上手に仕掛けたきわめて作為的な記事ですな。いやあ、新聞社も記事掲載すんなら、読者がだまされないよう、きちんと解説記事も掲載せんとあかんよ。でないと「報道」とは呼べないんとちゃうか。
どういうことかというと、つい3カ月前に厚労省はこんな発表をしてたじゃないですか?
---公的年金の積立金の市場運用利回りが2008年度に、2年連続でマイナスになる見通しとなった。07年度がマイナス5兆8000億円。08年度は大きくマイナス10兆円を超えそうである。---
08年9月のリーマンショック以降、株価が半分になっちゃったのは、皆さん、ご存じの通り。いま少し戻してますけど、少なくとも30%は吹っ飛んでます。ということは、08年〜09年度はさらにマイナス幅が拡大すると見ていい。つまり、年金はばくちで大負けしてるというわけ。
こんなていたらくにもかかわらず、厚労省は「年4.1%の利回り維持」をいまだに前提にしてるわけ。この高配当。とてもじゃないけど、あの官僚どもに実現できる数字じゃありませんわな。
日銀総裁も財務大臣も「最悪の事態を抜けた」「底を打った」「ゆるやかに回復基調」などと述べてますけど、目の前にはGM破綻必至。米国債大量発行。消化不能。金利暴騰=価格暴落=国債暴落=ドル暴落。
この国債とドルのダブル暴落が、債券市場と株式市場、そして金市場に影響を与えないはずがありません。とくに前者2つは地獄を見るかもしれませんな。
ただでさえ、国民資産の運用に毎年5〜10兆円の損失を計上。さらにリーマンショック以降の株価暴落でどれだけ運用に失敗しているか。今後の米国債暴落を考えると、とてもとても彼らの「理論値」なるものが信用できるわけがありません。
記事にある「来年30歳になる80年生まれの人は2.3倍にとどまる」なんてのは、もち、夢のまた夢。悔しかったら、元本見せてみい。もはや紙くずになっとるんとちゃうか(たぶんそうなってると思うな)。
いったいなんのことかというと、朝日、日経等に掲載された「年金」発表に関する記事。たとえば・・・。
---年金、世代格差くっきり 厚労省が新たな試算結果を公表
厚生労働省は26日、公的年金の世代間格差に関する推計など新たな試算を社会保障審議会年金部会に報告した。若い世代ほど負担が重くなる姿が鮮明になったほか、将来にわたって厚生年金の「給付水準50%」を確保するという制度の看板も揺らいでいる。「安心」のもろさが改めてにじんだ。
今回の試算は2月にまとめた5年に1度の公的年金の財政検証の一環。それによると、来年70歳(1940年生まれ)の標準世帯の厚生年金の受給総額は本人が払った保険料の6.5倍。来年65歳の世帯は4.7倍と、5年前の試算(4.6倍)より上昇した。一方、来年30歳になる80年生まれ以降は2.3倍にとどまる---
データを図版入りで詳しく説明してるわけ。けどね、この記事、私は辛坊さんとはぜんぜんちがう意味でとらえましたよ。
これ読むと、「不公平じゃねえか。ざけんなよ。年寄りばっかいい思いしやがってよ」と感じる人もいるでしょうし、「しょうがないか。寝たきりの年寄り抱えてるけど、これでも年金稼いでるかんね。死なないように注意してる」とかね。
でもさ、本線から外れちゃダメよ。この発表、インチキです。というか、正確にいえば、国民の錯覚を上手に仕掛けたきわめて作為的な記事ですな。いやあ、新聞社も記事掲載すんなら、読者がだまされないよう、きちんと解説記事も掲載せんとあかんよ。でないと「報道」とは呼べないんとちゃうか。
どういうことかというと、つい3カ月前に厚労省はこんな発表をしてたじゃないですか?
---公的年金の積立金の市場運用利回りが2008年度に、2年連続でマイナスになる見通しとなった。07年度がマイナス5兆8000億円。08年度は大きくマイナス10兆円を超えそうである。---
08年9月のリーマンショック以降、株価が半分になっちゃったのは、皆さん、ご存じの通り。いま少し戻してますけど、少なくとも30%は吹っ飛んでます。ということは、08年〜09年度はさらにマイナス幅が拡大すると見ていい。つまり、年金はばくちで大負けしてるというわけ。
こんなていたらくにもかかわらず、厚労省は「年4.1%の利回り維持」をいまだに前提にしてるわけ。この高配当。とてもじゃないけど、あの官僚どもに実現できる数字じゃありませんわな。
日銀総裁も財務大臣も「最悪の事態を抜けた」「底を打った」「ゆるやかに回復基調」などと述べてますけど、目の前にはGM破綻必至。米国債大量発行。消化不能。金利暴騰=価格暴落=国債暴落=ドル暴落。
この国債とドルのダブル暴落が、債券市場と株式市場、そして金市場に影響を与えないはずがありません。とくに前者2つは地獄を見るかもしれませんな。
ただでさえ、国民資産の運用に毎年5〜10兆円の損失を計上。さらにリーマンショック以降の株価暴落でどれだけ運用に失敗しているか。今後の米国債暴落を考えると、とてもとても彼らの「理論値」なるものが信用できるわけがありません。
記事にある「来年30歳になる80年生まれの人は2.3倍にとどまる」なんてのは、もち、夢のまた夢。悔しかったら、元本見せてみい。もはや紙くずになっとるんとちゃうか(たぶんそうなってると思うな)。