2009年06月25日「ROME」
カテゴリー中島孝志のテレビっ子バンザイ!」
う〜ん、古賀さんの東国原知事、衆院選出馬要請。それを受けて、「総裁選に出られる環境を調えて頂けるなら」云々というノリノリの発言。
「いや、自民党としては正式に要請はしてませんよ」とコメントした細田幹事長。というか、麻生総理。というか、自民党。
今回の「イベント」で得した人はいませんな。三方一両損ですわな。
たぶん、東国原知事を引っ張り出そうと考えたのは古賀さんじゃありませんね。裏にいます、政局のお好きな方が。
東国原知事も油断しましたな。ひと言でお里が知れちゃった。ものすごい権力志向の人だということがね。「派閥の領袖でもないボクがまさか指名されるなんてだれもわからなかった。風に乗れば勝てるんだよ」なんて囁かれたんでしょう、きっと。
この工作でなにを仕掛けたいのかと言えば、いまのうちにできるだけ大騒ぎさせて「西川問題」を隠したい。これは「大リーグボール3号=消える魔球」なのよ。
米国債を買わせるには郵政資金が必要だもん。郵政民営化がトラブッたら困るもん。どさくさ紛れに買わせちゃえ。その後なら郵政なんて国有化にしたってええんやで・・・米国代理店チームはこう考えていることでしょう。
東国原さん、そのまんま知事でいたほうがええんとちゃうか。
さて、このドラマは英米合作。HBOとBBCの共同制作です。制作費なんと200億円! ま、お金もかけたけど、それ以上にかけたのは脚本の面白さ、そして歴史考証ですかな。
時代は紀元前52年。ということは、キリストもまだ生まれちゃいないし、傭兵ばかりだけど無敵のカルタゴ軍を率いるハンニバルに、ローマの市民軍を率いたスキピオが戦いを挑んでから200年後くらいの話じゃないかな(『ハンニバル戦記』もおもろいでっせ)。
早い話が、ジュリアス・シーザーの時代ですよ。あ、これは英語名。ラテン語ではユリウス・カエサル。イタリア語だとジュリオ・チェーザレ、つうことになんのかな(『がリア戦記』もおもろいでっせ)。
ローマはギリシャ同様、さまざまな神々が支配する国。とくに祖霊を敬う風土があったようです。
去年、WOWWOW見てた人はわかると思うけど、まあ、見たら止まらないですな。全部で何時間あんのよ。20時間? ということは、見ようと思えば1日あればなんとかなる?
ローマで実際にロケしてますからね。迫力がダンチ。たまりまへんな。とまあ、外側はそんな感じ。
中身は、古代ローマ史に関心のある人もない人も
「来た、見た、勝った」
「ルビコン川を渡れ」
「賽は投げられた」
「ブルータス、おまえもか!?」
「クレオパトラの鼻が1センチ低かったら歴史は変わっていた」
・・・こんな言葉を聞いたことがあると思います。これ、すべて、この時代の逸話から飛び出てきた言葉ですね(このドラマでは、カエサルが暗殺された時、「ブルータス・・・」なんてひと言も言ってなかったけど)。
カエサル、アントニウス、ブルータス、アウグスティヌスといったヒーローたちが登場しますけど、ここだけ描いたら歴史の教科書をなぞるだけで能がない。で、狂言回しとして、ローマ軍最強の第13軍団を率いる百人隊長ヴォレヌスとその部下プッロ。この2人の人生というか運命を傍観しながら、物語は内乱時代のローマを描いていくわけ。
ヴォレヌス見たとき、あれ、この人、どこかで見たことあんの。そういえば、映画「ライジング・ハンニバル」で、レクター博士の妹ミーシャを食べたならず者の頭目の役やってたよね。このショックで博士は記憶喪失になり、カニバリズムに走るわけだからね。いちばん上の中央の人物がそれ。覚えてない?
けどさ、ローマ人のセックスってのは男も女もオープン(R18ドラマだよ)。権謀術数は男だけでなく女の側もたっぷり。大奥なんてもんじゃありませんな。
DVD全12枚・全22章(1枚はインタビュー等の特典版)。
第1シーズン
1話 失われた鷲 2話 ルビコン渡河 3話 ローマ入城前夜 4話 休戦の使者 5話 アティアの奸計 6話 アントニウスの決断 7話 ポンペイウスの最期 8話 クレオパトラ 9話 凌辱 10話 凱旋式 11話 第十三軍団の栄光 12話 カエサル暗殺
第2シーズン
13話 遺言 14話 表と裏 15話 キケロの提案書 16話 執念 17話 偽りの和解 18話 フィリッピの戦い 19話 セルウィリアの呪い 20話 貞淑と裏切り 21話 宣戦布告 22話 第一の市民
参考までに、ブルータスというのは、カエサルを暗殺するわけですけど、母親はカエサルの愛人で息子同様の待遇を受け続けてた人物。で、仇をとったのはアントニウス。カエサルの友人。で、カエサルの姪を事実上の妻にしてた人物。本妻はこの愛人アティアの娘なんだけどね(参考までにアウグスティヌスの姉なのね)。
で、カエサル亡き後、エジプトでクレオパトラといい仲になっちゃう。政治上の目的で妻と愛人がやってきても会わずに追い返しちゃった。なぜ? 古女房は嫌だから? ま、それもあるかもしれないけど、アウグスティヌスが支配するローマと戦う大義名分が欲しかったからね。
アウグスティヌスちゅうのは、アントニウスの愛人の息子。妻の弟。で、アントニウスをローマから追い出した張本人。ま、アントニウスを自害させて、ローマに共和制を敷き、即、帝政ローマにするわけだけどね。
裏切り、金、嫉妬、セックス、暴力・・・乱れに乱れたローマを立て直すなかで、むき出しの政治を貫いた男たち、女たちのドラマ。検察やマスコミを使った、日本の権謀術数なんてまだかわいげがありますな。
とくにわたしが気に入ったのは、奴隷の実態が正確に赤裸々に描かれてるとこ。こうなのよ、あの当時の奴隷ってのは。
ま、並の映画100本分の濃さ。こんだけはまったのは「冬ソナ」と「チャングム」以来かも。長編ドラマはいいな、やっぱし。
「いや、自民党としては正式に要請はしてませんよ」とコメントした細田幹事長。というか、麻生総理。というか、自民党。
今回の「イベント」で得した人はいませんな。三方一両損ですわな。
たぶん、東国原知事を引っ張り出そうと考えたのは古賀さんじゃありませんね。裏にいます、政局のお好きな方が。
東国原知事も油断しましたな。ひと言でお里が知れちゃった。ものすごい権力志向の人だということがね。「派閥の領袖でもないボクがまさか指名されるなんてだれもわからなかった。風に乗れば勝てるんだよ」なんて囁かれたんでしょう、きっと。
この工作でなにを仕掛けたいのかと言えば、いまのうちにできるだけ大騒ぎさせて「西川問題」を隠したい。これは「大リーグボール3号=消える魔球」なのよ。
米国債を買わせるには郵政資金が必要だもん。郵政民営化がトラブッたら困るもん。どさくさ紛れに買わせちゃえ。その後なら郵政なんて国有化にしたってええんやで・・・米国代理店チームはこう考えていることでしょう。
東国原さん、そのまんま知事でいたほうがええんとちゃうか。
さて、このドラマは英米合作。HBOとBBCの共同制作です。制作費なんと200億円! ま、お金もかけたけど、それ以上にかけたのは脚本の面白さ、そして歴史考証ですかな。
時代は紀元前52年。ということは、キリストもまだ生まれちゃいないし、傭兵ばかりだけど無敵のカルタゴ軍を率いるハンニバルに、ローマの市民軍を率いたスキピオが戦いを挑んでから200年後くらいの話じゃないかな(『ハンニバル戦記』もおもろいでっせ)。
早い話が、ジュリアス・シーザーの時代ですよ。あ、これは英語名。ラテン語ではユリウス・カエサル。イタリア語だとジュリオ・チェーザレ、つうことになんのかな(『がリア戦記』もおもろいでっせ)。
ローマはギリシャ同様、さまざまな神々が支配する国。とくに祖霊を敬う風土があったようです。
去年、WOWWOW見てた人はわかると思うけど、まあ、見たら止まらないですな。全部で何時間あんのよ。20時間? ということは、見ようと思えば1日あればなんとかなる?
ローマで実際にロケしてますからね。迫力がダンチ。たまりまへんな。とまあ、外側はそんな感じ。
中身は、古代ローマ史に関心のある人もない人も
「来た、見た、勝った」
「ルビコン川を渡れ」
「賽は投げられた」
「ブルータス、おまえもか!?」
「クレオパトラの鼻が1センチ低かったら歴史は変わっていた」
・・・こんな言葉を聞いたことがあると思います。これ、すべて、この時代の逸話から飛び出てきた言葉ですね(このドラマでは、カエサルが暗殺された時、「ブルータス・・・」なんてひと言も言ってなかったけど)。
カエサル、アントニウス、ブルータス、アウグスティヌスといったヒーローたちが登場しますけど、ここだけ描いたら歴史の教科書をなぞるだけで能がない。で、狂言回しとして、ローマ軍最強の第13軍団を率いる百人隊長ヴォレヌスとその部下プッロ。この2人の人生というか運命を傍観しながら、物語は内乱時代のローマを描いていくわけ。
ヴォレヌス見たとき、あれ、この人、どこかで見たことあんの。そういえば、映画「ライジング・ハンニバル」で、レクター博士の妹ミーシャを食べたならず者の頭目の役やってたよね。このショックで博士は記憶喪失になり、カニバリズムに走るわけだからね。いちばん上の中央の人物がそれ。覚えてない?
けどさ、ローマ人のセックスってのは男も女もオープン(R18ドラマだよ)。権謀術数は男だけでなく女の側もたっぷり。大奥なんてもんじゃありませんな。
DVD全12枚・全22章(1枚はインタビュー等の特典版)。
第1シーズン
1話 失われた鷲 2話 ルビコン渡河 3話 ローマ入城前夜 4話 休戦の使者 5話 アティアの奸計 6話 アントニウスの決断 7話 ポンペイウスの最期 8話 クレオパトラ 9話 凌辱 10話 凱旋式 11話 第十三軍団の栄光 12話 カエサル暗殺
第2シーズン
13話 遺言 14話 表と裏 15話 キケロの提案書 16話 執念 17話 偽りの和解 18話 フィリッピの戦い 19話 セルウィリアの呪い 20話 貞淑と裏切り 21話 宣戦布告 22話 第一の市民
参考までに、ブルータスというのは、カエサルを暗殺するわけですけど、母親はカエサルの愛人で息子同様の待遇を受け続けてた人物。で、仇をとったのはアントニウス。カエサルの友人。で、カエサルの姪を事実上の妻にしてた人物。本妻はこの愛人アティアの娘なんだけどね(参考までにアウグスティヌスの姉なのね)。
で、カエサル亡き後、エジプトでクレオパトラといい仲になっちゃう。政治上の目的で妻と愛人がやってきても会わずに追い返しちゃった。なぜ? 古女房は嫌だから? ま、それもあるかもしれないけど、アウグスティヌスが支配するローマと戦う大義名分が欲しかったからね。
アウグスティヌスちゅうのは、アントニウスの愛人の息子。妻の弟。で、アントニウスをローマから追い出した張本人。ま、アントニウスを自害させて、ローマに共和制を敷き、即、帝政ローマにするわけだけどね。
裏切り、金、嫉妬、セックス、暴力・・・乱れに乱れたローマを立て直すなかで、むき出しの政治を貫いた男たち、女たちのドラマ。検察やマスコミを使った、日本の権謀術数なんてまだかわいげがありますな。
とくにわたしが気に入ったのは、奴隷の実態が正確に赤裸々に描かれてるとこ。こうなのよ、あの当時の奴隷ってのは。
ま、並の映画100本分の濃さ。こんだけはまったのは「冬ソナ」と「チャングム」以来かも。長編ドラマはいいな、やっぱし。