2009年07月09日「東京進化論」 増田悦佐著 朝日新聞出版 819円
稀代の博学が「東京」というメガシティを語るとどうなるか? めちゃ期待して手に取ったんですけど、さすがのひと言ですな。
ま、世界ナンバーワンの都市ですからね。ひと言でいうのは困難を極めますけど、政治、経済、社会、文化・・・的に、これほどいろんな要素を畳み込んでいる都市というのも希有でしょうな。
著者はこのメガシティを鳥の目、虫の目、魚の目で観察。そのレポートが実に面白いでんなあ。増田版アド街っくですな。あなたの街の宣伝本部長ですな。
で、神出鬼没。渋谷、六本木、新橋、新宿、原宿、広尾、品川、吉祥寺、高円寺、国分寺、立川から、祐天寺、上野、築地、さらには蒲田、大井町まで脚を伸ばしてます。
いま話題の池袋乙女ロードや中野ブロードウェイ、アキバ等のおたくのメッカ。さらには著者一押しの雑司ヶ谷までカバー。とても今年還暦を迎えた人の行動とは思えないほど精力的ですな。
私、民俗学が好きで「みんばく」の会員でもあるんですけど、民俗学というと現地でいろんな人の中に飛び込んで風土や風習をリサーチするという手法でアプローチするわけですけど(フィールドワークというやつね)、著者は歴史学と経済学というフィルターを通して街をウォッチしてるわけ。
だから、街の成り立ちとか歴史等の蘊蓄も勉強になりますなあ。
六本木がアメ車ブームを切り拓いた街だったとはち〜とも知りませんでしたよ。
前からギロッポンは外車ディーラーが多いなあと思ってのね。ヤナセも元々はここでしょ? いまだにダントツで六本木周辺に集積してますわな。
なぜか? ここにマッカーサー直属の第1騎兵師団3000人が駐屯してたから。
当時の法律では、日本人は外国製の新車には乗れなかったのよ。キャディラックもリンカーン、シボレー、マスタングにしても、どんなに早くとも2年落ちしか買えないように通産省に規制されてたというわけ。
それでも日本の若者からセレブにいたるまで、憧れのアメ車の納品を待ちに待ったのね。しかも元値の3倍ものお金を出しても喜んで購入してたわけ。
戦争に負け、貧しかった日本人は、強くて、豊かなアメリカに憧れてたんでしょうね。そのシンボルがアメ車だもの。欲しくて欲しくてしかたがなかったんだろうね。
で、米兵たちは2年間乗り回したあげく、3倍の値段で払い下げることができたんだから笑いが止まらないわな。みな、こぞってアメ車を本国から取り寄せたことは言うまでもありません。なかには兵隊などやってるより、アメ車専門のディーラー紛いのことをしたほうがずっと儲かると考える輩が出てきてもおかしくないですわな。
そんな不良外国人たちがつくり上げたのが六本木の風俗なのかもしれません。
都市は進化してますな。文化がその推進役なんでしょう。どんどん変わります。都市は生きてますな。情報発信できる都市、できない都市。いろいろありますな。もちろん、情報発信できる都市は全国、全世界から人間を惹きつけてしまいます。そのくらい引力が強い。
けど、できないからといってダメなわけじゃない。住み処としてはベストかもしれませんな。楽しみながら、マーケティングの勉強までできちゃう本ですな。300円高。
ま、世界ナンバーワンの都市ですからね。ひと言でいうのは困難を極めますけど、政治、経済、社会、文化・・・的に、これほどいろんな要素を畳み込んでいる都市というのも希有でしょうな。
著者はこのメガシティを鳥の目、虫の目、魚の目で観察。そのレポートが実に面白いでんなあ。増田版アド街っくですな。あなたの街の宣伝本部長ですな。
で、神出鬼没。渋谷、六本木、新橋、新宿、原宿、広尾、品川、吉祥寺、高円寺、国分寺、立川から、祐天寺、上野、築地、さらには蒲田、大井町まで脚を伸ばしてます。
いま話題の池袋乙女ロードや中野ブロードウェイ、アキバ等のおたくのメッカ。さらには著者一押しの雑司ヶ谷までカバー。とても今年還暦を迎えた人の行動とは思えないほど精力的ですな。
私、民俗学が好きで「みんばく」の会員でもあるんですけど、民俗学というと現地でいろんな人の中に飛び込んで風土や風習をリサーチするという手法でアプローチするわけですけど(フィールドワークというやつね)、著者は歴史学と経済学というフィルターを通して街をウォッチしてるわけ。
だから、街の成り立ちとか歴史等の蘊蓄も勉強になりますなあ。
六本木がアメ車ブームを切り拓いた街だったとはち〜とも知りませんでしたよ。
前からギロッポンは外車ディーラーが多いなあと思ってのね。ヤナセも元々はここでしょ? いまだにダントツで六本木周辺に集積してますわな。
なぜか? ここにマッカーサー直属の第1騎兵師団3000人が駐屯してたから。
当時の法律では、日本人は外国製の新車には乗れなかったのよ。キャディラックもリンカーン、シボレー、マスタングにしても、どんなに早くとも2年落ちしか買えないように通産省に規制されてたというわけ。
それでも日本の若者からセレブにいたるまで、憧れのアメ車の納品を待ちに待ったのね。しかも元値の3倍ものお金を出しても喜んで購入してたわけ。
戦争に負け、貧しかった日本人は、強くて、豊かなアメリカに憧れてたんでしょうね。そのシンボルがアメ車だもの。欲しくて欲しくてしかたがなかったんだろうね。
で、米兵たちは2年間乗り回したあげく、3倍の値段で払い下げることができたんだから笑いが止まらないわな。みな、こぞってアメ車を本国から取り寄せたことは言うまでもありません。なかには兵隊などやってるより、アメ車専門のディーラー紛いのことをしたほうがずっと儲かると考える輩が出てきてもおかしくないですわな。
そんな不良外国人たちがつくり上げたのが六本木の風俗なのかもしれません。
都市は進化してますな。文化がその推進役なんでしょう。どんどん変わります。都市は生きてますな。情報発信できる都市、できない都市。いろいろありますな。もちろん、情報発信できる都市は全国、全世界から人間を惹きつけてしまいます。そのくらい引力が強い。
けど、できないからといってダメなわけじゃない。住み処としてはベストかもしれませんな。楽しみながら、マーケティングの勉強までできちゃう本ですな。300円高。