2009年10月06日デパート、スーパー、コンビニが頭打ちになった本当の理由

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 いつの間にか10月。巷では衣替えのシーズンですね。Tシャツを着てるとちと寒いな、と感じて季節の変化に気づく有様です。トホホですな。

 さて、食欲の秋、馬肥ゆる秋。人もドカンと肥えてしまう季節ですが、9月のデパートのイベントにはびっくりしました。
 
 どうして同じような企画をやるのかね? なんと伊勢丹、京王、小田急、横浜高島屋、そごうまでもが「北海道物産展」ですよ。そごうは今月はイタリアン特集なども展開するとか。

 北海道物産展ともなりますと、どのデパートも60店ほど出展しますからね、しかも時期までかぶった。新宿、横浜であちらのデパート、こちらのデパートと梯子するんかいな。

 いつもなら微妙に開催時期をずらしましたよ。でも、この消費の超縮小期のなか、少しでも売上が欲しい。とくに秋冬物が売れないと困りますもんね。
 これはデパ地下、8〜9階の催し物会場が一丸となって頑張る・・・1人でも多く集客するためにも「目玉のイベント」が欲しい。で、「北海道物産展」となったわけでしょう。

 どこのデパートも苦しいから目玉のオンパレードとなった、というわけです。

 「あちらの北海道物産展とはちょっと違うんです」と言われても、その違いがわからない。

 これはド〜ンと違いを見せつけなくちゃ。私、秘策持ってるんですけどね。内緒。二番煎じ、三番煎じが後を絶たなくなります。最初にやったデパートの勝ち・・・というアイデア。知りたかったらご一報ください。

 さて、デパートのみならず、スーパーもコンビニも同じ。どこも同じ品揃え。なぜなら、自分で考えず卸業者に丸投げだから。しかも、訴求するのは「価格=値段の安さ」だけ。
 で、丸投げされた業者は取引先のあちこちに売りますからね。価格も平準化されてしまう。もちろん、安い価格のほうに引っ張られますから、デフレはさらに加速する。商品も価格も同じですからそこに差別化はありません。結果として、どこもかしこも同じ売場に見える。

 つまりは、大本のデパート、スーパー、コンビニの頭脳部分にアイデアがないから「差別化=特長」がなくなってしまうわけです。

 じゃ、健康ブームが来るからオーガニックか? たしかに来るでしょう。いまのうちから手がけるべきです。けど、価格が高いからお客がついてこれない。お客が増えれば・・・いい商品は数が少ないのよ。
 自前で無農薬、農薬散布3〜4回までという生産者=農家を囲い込まないといけません。これは長期レンジで展開する。短期レンジでは北海道展でいいんです。

 ナチュラルローソン。いいとこ見てると思います。なにもデパート・スーパー方式で展開することないもの。おひとり様が増える時代、地域の「直売所」という認識で展開すべきなのよ。

 たぶん、流通業者はものすごく悩みに悩んで、考えに考えて、迷いに迷ってると思う。でも、考えれば考えるほど知恵の泉は湧くからね。おおいに悩んでください。


横浜そごう。午前10時00分開店。数百人のお客さんがどんどん吸い込まれていきます。デパートにはまだまだ魅力がありますね。

 今日の「聴く!通勤快読」は『デパートへ行こう!』(真保裕一著・講談社)です。詳しくはこちらからどうぞ。