2009年11月04日「ともしびマーケット」 朝倉かすみ著 講談社 1470円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 今日から、某メガバンクで13回連続講演をすることになりました。ま、全部、録音しといて単行本にしちゃおうか、なんて考えてます。
 この銀行。なぜか縁がありまして、数年前、「この会社とずっと取引したい!」という取引先(地場の有力企業)の2代目、3代目たちを集めて東西でセミナーやったことあんのね。初日は勉強、2日目はゴルフというプログラムだったんだけど、このときも記念講演をやらされたことがありました。もち東西とも。
 で、今回は13回連続・・・考えみりゃ、このくそ忙しい中にもかかわらずよく引き受けたよね。

 さてと、う〜ん。です・ます調で来ましたか。文章に味がありますねえ。人物の動きが実に細かい。
 ということは、心の動きも細かいってことかしらん。

 舞台は札幌。ともしびマーケット鳥居前店というスーパー。かといって、ここで再建話とかドタバタ劇が始まるわけじゃありません。「高円寺純情商店街」みたいなノリでもないしね。

 このスーパーがハブになってましてね、店の従業員とかお客さんとか、通りすがりの人・・とっても細くてちょっとしたことでプツンと切れてしまいそうな「縁」だけどけっして切れない。
 そんな縁が9人の登場人物に絡まり合ってるんです。つまり、物語の構成は1人1人のエピソードがシリアルになってるわけ。

 『田村はまだか』でようやっと吉川英治文学新人賞を受賞した朝倉さんは、なにかのインタビューにこんなことを答えてますね。

「チェーン展開しているスーパーマーケットの北海道本部で事務員をしていたが、正社員ではなかった。今後ひとりで生きていくために・・・・・・続きはこちらです。