2009年11月09日「成功は一日で捨て去れ」 柳井正著 新潮社 1470円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 「ユニクロ一人勝ち」。メディアでは必ずこんなコピーが躍ってます。たしかに、いまいちばん元気な会社といってもいいでしょうね。
 柳井さんに言わせれば、「一人勝ちではなくて、負けていないだけ」ということですけど。そして、2020年、売上高5兆円、経常利益1兆円・・・という計画をぶちあげました。なんとも勇ましい。

 前著「一勝九敗」を出版したのは03年11月のこと。当時はフリースブームが01年まで続いて増収増益。で、ブームが過ぎた02年8月決算で上場以来初の減収減益となりました。「ユニクロ一人勝ち」どころか「ユニクロの危機」と言われたときですね。

 けど、あにはからんや、「ブームはいずれ去ると思ってたのでなんら慌てることはなかった。不遜な言い方かもしれないが、逆にホッとした」と述べてます。たしかにそうでしょうなあ。業績が実力以上に膨らんでしまったわけですからね。

 あれよあれよと高く舞い上がった凧。「こんなに高く上がっていいの?」と当事者ですらその原因がわからない。アンビリーバブルなわけですよ。これってめちゃくちゃ不安ですよ。かえって、原因がはっきりしている不況のほうがいいくらい。

 ですから、どん底に墜ちても、普段通り、地道な努力を積み重ねていけばいい。いずれ浮上すると考えていたわけですよ。で、その通り、03年には底を打ちます。04年には増収増益となります。
 ところが、本当の危機、最大の危機はこの先にあったんです・・・続きはこちらでどうぞ。