2010年02月24日「音楽は自由にする」 坂本龍一著 新潮社 1785円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 この本、非会員にも全文、公開しようかと思いましたが、やめました。だって、音声サービスでも27分間!もあるんですよ。文章の形で掲載したらとんでもなく長くなっちゃうもんねえ。
 そういうわけで、全文公開サービスは明後日の本にしちゃいましょう(これがまたいいんですよ)。

 さて、う〜ん、これ、『わたしの履歴書』ですな。ただし、それがYMOであったり『戦場のメリークリスマス』『ラストエンペラー』の俳優&音楽担当だったりすると、いやはや、なんておもしろいんだろう。いつもの経営者版もそりゃおもしろいけど、これは格別ですよ。

 幼児体験というか、物心つかないくらい幼い頃の・・・直感とか想い、性分とかありますよね。あれ、大人になってからも色濃く残ってたり、結果、あちらこちらに影響を与えてるんですよ。

 「将来なんになりたい?」って子供の頃、よく聞かれます。小学生の卒業文集では定番ですよ。
 「プロ野球選手です。意中の球団は中日か西武です。契約金は1億円以上です!」・・・これ、イチロー選手が小学校の卒業文集で書いたもの。

 「ボクはマスターズで2回優勝したい。だから2倍練習します」
 これ、去年の賞金王(史上最年少)の石川遼選手のやっぱり小6時代の文章ですね。

 では、坂本さんはどうだったか?

 「ボクは・・・ない」

 何にもなりたくないというわけではないんです。将来の自分が思い浮かばない。まわりの子供たちは「総理大臣」とか「お医者さん」「スチュワーデス」「お嫁さん」とか言うんだけど、坂本少年はガンとして「ない」。

 どして? どしてなの?

 昆虫が卵から幼虫になり、さなぎになり、成虫になる・・・というように、時機が来れば何かになるというイメージがどうしても思い浮かばない。

 そしてこの意識・・・実は彼の未来というか人生をそのまま反映することになります・・・詳細はこちらからどうぞ。