2010年06月04日「モンスター」 百田尚樹著 幻冬舎 1575円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 この著者なら、いま映画公開中の『ボックス!』を紹介すべきだろうけどね。
 放送作家だけあってリズム感がありますねえ。よけいなこと書かない。脚本っぽい文章。読みやすいんですよね、だから。

 内容? ご想像の通りだと思いますよ。「町いちばんのモンスター!」と呼ばれた女性が、20年後、見目麗しき美女として舞い戻ってきたわけ。瀬戸内の小都市に。

 で、潰れたペンションをレストランに改装してオープン。値段もそこそこすんだけど、「オーナーは女優もビビるくらいの美女だ」という噂が1日で広まっちゃった。
 で、繁盛すんだけど・・・。

 このモンスター、いや、絶世の美女。いったいなんのために舞い戻ってきたの?
 
 私にも想像できましたよ、目的がね。でもね、わかっちゃいるけど読ませるんだなあ、これが。

 しかし、『美女と野獣』『シンデレラ』の時代から、ヒロインはいつも美しい。汚いシンデレラも魔法の力で綺麗になったから王子様に愛されたわけでね。「ブスが愛された」という本はないのかね?

 これ、映画にはならんと思うけど、ドラマにはなりそう。けど、プライムタイムとかゴールデン、あるいは深夜枠で放送しちゃダメよ。いちばん話題になるのは、フジテレビ系の午後1時半スタートの「30分ドラマ枠」。これがベスト。
 いま、安達祐実さんが奇妙な役やってるよね。昔は『牡丹と薔薇』をやってた枠よ。
 
 めちゃくちゃハードな内容にして、臭いくらいオーバーな演技してね。いまじゃ見られないくらいメロっぽいドラマに仕立て上げたらウケると思うけどね・・・続きはこちらからどうぞ。