2010年06月29日「絶対こうなる!日本経済」 榊原英資・竹中平蔵著 アスコム 1000円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 かたや小泉内閣当時の金融・経済、郵政等の担当大臣。かたや大蔵省審議官時代には「ミスター円」と呼ばれ、民主党の経済ブレーンとして「財務大臣」の呼び声も高かった人物。

 水と油? かと思いきや、これが意気投合。つうか危機感を共にし、問題意識を倶にしていることがわかりますな。

 意外? いや、当然かもしれませんな。菅さんが総理になってからは、2人とも、とくに榊原さんは強く憂慮してるのではないかな。

 さて、私が原理原則研究会で講義する中に「人生と仕事の公式」というのがあります。

 理想−現状=課題

 これを政治に当てはめてみましょうか。
 理想=この国のかたちをどうするか。グランドデザイン。
 現状=国債発行残高870兆円、個人金融資産1450兆円、金融純資産1100兆円。97.5%は日本人が購入している。すなわち、あと200兆円は国債を発行しても金利を上げずに済む余裕がありそうだ。
 課題=これは理想をどう描くかによって自動的に導かれてきますね。

 何%の潜在成長力があるのか? もっと上げる必要があるのか? これで十分なのか? もし上げるとするならどのくらいか?
 これら付随する疑問を検討してはじめて、これから何年間、経済成長は何%で税収はこれだけ得られる。財政はこれだけにしなければならない。差額をカバーするために消費税はこれだけ必要だ・・・という議論が当然出てくるわけです。

 すべては理想=グランドデザインから始まるわけですね。

 ところが、民主党にはこれがない!この議論がない。当然、グランドデザインもない。にもかかわらず、消費税云々、子ども手当継続、高速道路迷走・・・「大丈夫かいな」と国民が心配になることばかりしてるわけ。

 いったいどこに問題があるのか?・・・続きはこちらからどうぞ。