2010年10月09日「マリア・カラス 最後の恋」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 これで終わりか、カラスはオナシスと結婚すんだなぁ。ジャクリーンとの確執なんてないんだ・・・しばしエンドロールを眺めていたら、いきなり第2部がスタート。な〜んだ、やっぱやるんだ。
 なんのサインもないから、たぶん1部だけ見て終わりの人もいるよ。

 ご存じ20世紀最高のディーバ、マリア・カラスの物語です。最初から最後までルイーザ・ラニエリに見とれてました。ホント、イタリア女はいいねぇ。私、大好き。

 ま、カラスはニューヨーク生まれのギリシャ人ですけどね。で、愛人のオナシスもギリシャ生まれ(いまはトルコ領)。



『椿姫』『メデア』『トスカ』『カルメン』・・・しかもそのさわりくらいしか歌ってないが、カラス自身の吹き替え。高音が出ずにもう1回演奏させたシーンもきちんと描かれてます。
 歌が少ない分、オナシスの半生がじっくり伺えたんで正解。私にはね。
 
 戦災孤児として育ったんですよ、オナシスは。ビジネス一色でね。結婚もビジネス。海運王の娘とも政略結婚。でもマリアと暮らすために離婚。
 どうだろ。映画では描かれてないけど、カラスを「自分の女」にしたのも、なんだかんだ言って、ビジネス狙いの面もあったわけでね。
 JFKの未亡人ジャッキーとの結婚にしたって、お互い、ビジネスのためでしょ。そのためにカラスから愛想を尽かされたみたいでね。

 どうも、オナシスという男は精力的な男でハンター気質プンプン。世界が驚くトロフィーワイフを手に入れ、同時にそれがビジネスにも役立つようにという抜け目ないオヤジでね。そのへんの男の身勝手さ、女の一途さはよく描かれてましたな。ま、結局、ジャクリーンはオナシスの手に逐えず、振り回されてしまうわけだけど。

 マリアとオナシスはW不倫の末、結ばれたわけ。しかも、マリアをものにしたのは彼女のご主人同伴の地中海クルーズにて。欲しいとなったら見境ないんですな。殿方の気質として無理はありませんけど。

 私、オナシス役のジェラール・ダルモン、大好きなんですよね。この人、コメディにかなり出演してるけど、渋いですなぁ。
 
 前後するけど、若い頃のカラスはデブっちょなの、だから、どこのオーディションでも歌すら聴いてもらえない。でもいったん、カラスが歌い出したら聞き惚れちゃう。
 そう、スーザン・ボイルなのよ、カラスってさ。違うところは、30〜40キロのダイエットに励むとこかな。