2010年10月18日次回ゲスト講師は五十嵐由人さん(400億円企業アイワールド創業者)です!
カテゴリー中島孝志の原理原則研究会」
来月11月の原理原則研究会も特別ゲストとさせてください。ゲストは400億円企業アイワールドの創業者、五十嵐由人さんです。
男性版おしんです。
福島県の貧村で育った少年は、17歳で出稼ぎにきました。
場所は神奈川県の丹沢山。地名は地獄谷。仕事は山の伐採。親方の元に集った人間は15人。朝3時に起き、日が暮れるまで休みなく働く。2日で8人が逃げました。
風呂はドラム缶、食事は缶詰め。結局、残ったのは少年と親方夫婦だけ。
「仕事にならないから帰ろうか」と親方。
「支送りを首を長くして待っている親と弟妹がいます。僕は残ります」と少年。
その後すぐ親方夫婦は姿を消します。1人残された少年は、営林署の課長に「引き続きこの仕事をさせて欲しい」と必死に頼み込みます。
「学歴はない、知識もない、経験もないね」
「はい」
「人生で仕事をするとき大切なことってなんだと思う?」
「・・・」
「勤労と誠実だよ」
「それならできます」
17歳の少年ですよ。少年は田舎に帰って人集めをします。6人連れて飯場に戻ってきました。21歳から27歳まで全員年上。次の年は20人。その次の年は30人。6年後には50人の男衆を率いていました。
食糧品の買い出しに山を降りると、街には当時、価格破壊で話題の量販店ダイクマ本店がありました。
見たこともない店です。田舎ものの少年には「ドリームランド」に見えたことでしょう。毎週末、朝早くから閉店まで店中をウロウロする姿が店内で評判になりました。
ダイクマ(現ダイエーグループ)創業者の母親がおもしろがりました。
「これからドンドン伸びる。アナタうちで働きなさいよ」
青年はワクワクしました。怒られるのを覚悟して、恩人の課長さんのところへ駆けつけます。
「ダイクマで商売を勉強したいんです。どうか許して下さい」
「6年間弱音も吐かずよく頑張ってくれたな」
面接の日、この課長さんが一緒に付いてきたんですよ。で、ダイクマの社長になんと言ったか。
「この男は学歴はありませんが、人間は信用できます。私が保証人になりますのでどうか勉強させてやってください」
青年の誓いは4つ・・・。
誰よりも早く起きる。
誰よりも早く会社へ行く。
誰よりも早く歩く。
誰よりも早く飯を食う。
忘れなかったんですね。勤労と誠実をね。3年後、営業統括本部長になっていました。
それから6年後の1975年。33歳で価格破壊の店アイワールドを創業し400億円企業に育て上げます。バブル崩壊も乗り切りますが、好事魔多し。積極出店による金利負担が重荷になり、2002年7月、断腸の思いで民事再生に突入します。創業者ができること=個人財産全額放棄、株式放棄、再生後に引責辞任・・・を債権者に公約。02年12月史上最短で民事再生を成功させ、すべての責任を執り辞任。
27年間の社長業に終止符を打ちます。裸一貫。すっからかん。すべてを失った・・・のではありません。無一物中無尽蔵というじゃないですか。
歌があります。社長時代、尊敬する三波春夫さんから「商人道」(作詞作曲・三波春夫)という歌を贈られます。三波さんに師事し、歌の極意を伝授され「君はボクの唯一の弟子だ」と叱咤激励されました。五十嵐さんは、松下幸之助さんからも大変可愛がられておられました。これも三波春夫先生のご縁でしょう。
信用があります。「信用」だけで人生を切り開いてきた人物です。
人間どんな逆境に追い込まれても「信用」さえあれば生きていけます。けど、この信用を築くことは至難の業ですね。当たり前のことを当たり前にやる。これがいちばんむずかしい。
夢があります。この12月いよいよCDを発表します。プロの歌手として新たな人生に挑戦します。
感動があります。五十嵐さん、若いです。若さの秘密は「感動する心」にある、と思います。心のオアシスがぜんぜん干上がってません。人間が生きるエネルギーは「感動」にあるんです。これさえ失わなければ、必ず人生を切り拓いていけます。
そして、なによりもなによりも「仲間」がいます。新しい門出を祝う友だちがたくさんいるんです。人間1人じゃ生きていけませんよ。また1人で生きちゃいかんのです。
五十嵐さんのことを語れば1つの映画ができます。男性版おしんです。
五十嵐さんの魂の講演をぜひ聴いてもらいたい。人生論、経営論、仕事論、運命論、人物論・・・だけでなく、当日、締めにはお得意の喉を披露してもらおうか、と考えています。しかも持ち歌ではなく、あえて三波春夫さんの十八番。
演目は・・・12月も近いとなればこれしかないでしょう。
今回もメンバーには、家族・友人・知人・後輩・上司・恋人・愛人(2人まで可)・・・聴講希望者をお連れください(ただし会場のキャパがあるのでメーリングリストでお知らせください)。
さて今回、「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は、『Carver's dozen レイモンド・カーヴァー傑作選』(村上春樹訳・中央公論新社)です。詳細はこちらからどうぞ。
男性版おしんです。
福島県の貧村で育った少年は、17歳で出稼ぎにきました。
場所は神奈川県の丹沢山。地名は地獄谷。仕事は山の伐採。親方の元に集った人間は15人。朝3時に起き、日が暮れるまで休みなく働く。2日で8人が逃げました。
風呂はドラム缶、食事は缶詰め。結局、残ったのは少年と親方夫婦だけ。
「仕事にならないから帰ろうか」と親方。
「支送りを首を長くして待っている親と弟妹がいます。僕は残ります」と少年。
その後すぐ親方夫婦は姿を消します。1人残された少年は、営林署の課長に「引き続きこの仕事をさせて欲しい」と必死に頼み込みます。
「学歴はない、知識もない、経験もないね」
「はい」
「人生で仕事をするとき大切なことってなんだと思う?」
「・・・」
「勤労と誠実だよ」
「それならできます」
17歳の少年ですよ。少年は田舎に帰って人集めをします。6人連れて飯場に戻ってきました。21歳から27歳まで全員年上。次の年は20人。その次の年は30人。6年後には50人の男衆を率いていました。
食糧品の買い出しに山を降りると、街には当時、価格破壊で話題の量販店ダイクマ本店がありました。
見たこともない店です。田舎ものの少年には「ドリームランド」に見えたことでしょう。毎週末、朝早くから閉店まで店中をウロウロする姿が店内で評判になりました。
ダイクマ(現ダイエーグループ)創業者の母親がおもしろがりました。
「これからドンドン伸びる。アナタうちで働きなさいよ」
青年はワクワクしました。怒られるのを覚悟して、恩人の課長さんのところへ駆けつけます。
「ダイクマで商売を勉強したいんです。どうか許して下さい」
「6年間弱音も吐かずよく頑張ってくれたな」
面接の日、この課長さんが一緒に付いてきたんですよ。で、ダイクマの社長になんと言ったか。
「この男は学歴はありませんが、人間は信用できます。私が保証人になりますのでどうか勉強させてやってください」
青年の誓いは4つ・・・。
誰よりも早く起きる。
誰よりも早く会社へ行く。
誰よりも早く歩く。
誰よりも早く飯を食う。
忘れなかったんですね。勤労と誠実をね。3年後、営業統括本部長になっていました。
それから6年後の1975年。33歳で価格破壊の店アイワールドを創業し400億円企業に育て上げます。バブル崩壊も乗り切りますが、好事魔多し。積極出店による金利負担が重荷になり、2002年7月、断腸の思いで民事再生に突入します。創業者ができること=個人財産全額放棄、株式放棄、再生後に引責辞任・・・を債権者に公約。02年12月史上最短で民事再生を成功させ、すべての責任を執り辞任。
27年間の社長業に終止符を打ちます。裸一貫。すっからかん。すべてを失った・・・のではありません。無一物中無尽蔵というじゃないですか。
歌があります。社長時代、尊敬する三波春夫さんから「商人道」(作詞作曲・三波春夫)という歌を贈られます。三波さんに師事し、歌の極意を伝授され「君はボクの唯一の弟子だ」と叱咤激励されました。五十嵐さんは、松下幸之助さんからも大変可愛がられておられました。これも三波春夫先生のご縁でしょう。
信用があります。「信用」だけで人生を切り開いてきた人物です。
人間どんな逆境に追い込まれても「信用」さえあれば生きていけます。けど、この信用を築くことは至難の業ですね。当たり前のことを当たり前にやる。これがいちばんむずかしい。
夢があります。この12月いよいよCDを発表します。プロの歌手として新たな人生に挑戦します。
感動があります。五十嵐さん、若いです。若さの秘密は「感動する心」にある、と思います。心のオアシスがぜんぜん干上がってません。人間が生きるエネルギーは「感動」にあるんです。これさえ失わなければ、必ず人生を切り拓いていけます。
そして、なによりもなによりも「仲間」がいます。新しい門出を祝う友だちがたくさんいるんです。人間1人じゃ生きていけませんよ。また1人で生きちゃいかんのです。
五十嵐さんのことを語れば1つの映画ができます。男性版おしんです。
五十嵐さんの魂の講演をぜひ聴いてもらいたい。人生論、経営論、仕事論、運命論、人物論・・・だけでなく、当日、締めにはお得意の喉を披露してもらおうか、と考えています。しかも持ち歌ではなく、あえて三波春夫さんの十八番。
演目は・・・12月も近いとなればこれしかないでしょう。
今回もメンバーには、家族・友人・知人・後輩・上司・恋人・愛人(2人まで可)・・・聴講希望者をお連れください(ただし会場のキャパがあるのでメーリングリストでお知らせください)。
さて今回、「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は、『Carver's dozen レイモンド・カーヴァー傑作選』(村上春樹訳・中央公論新社)です。詳細はこちらからどうぞ。