2010年12月15日「経済古典は役に立つ」 竹中平蔵著 光文社 777円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 今日も23分間しゃべりっぱなし。忙しい方はテキストで、そうでない方は音声でどうぞお楽しみください。

 最初にクイズ。日本でいちばん最初に授業料をとったのはどこの学校だかわかる?

1慶應義塾(1866年設立)
2曹洞宗大学(1592年設立。いまの駒沢大学)
3綜芸種智院(829年。空海が設立した貴族向けの私立学校)

 正解は最後にお話します。

 さて、あの竹中先生の最新刊です。といっても、専門の経済政策分析・評価ではなく、経済古典というか経済史に近いような内容。

 俎上にあげてるのは、たとえば、アダム・スミス、マルサス、リカード、マルクス、ケインズ、シュンペーター、ハイエク・・・すなわち経済界の重鎮たちです。内容はというと、ま、早い話が、大学の教養課程で勉強する程度のレベルですな。

 そんな内容をどうして竹中さんが? どうも慶応丸の内キャンパスで連続講義を頼まれたらしいのね。これって、よく知らんのだけど、社会人向けのエクステンションみたいなやつ?

 もしそうだとしたら、経済学を勉強したことない人がちょっと入門してみようかとか、ちょっと忘れちゃったんでも1度おさらいとか、あの竹中さんだから生々しい裏話も聞けるかも、という動機で参加したのかも。けど、こうして活字にすると生々しい話なんか載せられない。そんなわけで、「30分でわかる経済史入門」みたいな本になっちゃったのかもしれませんな。

 一応、狙いは「問題解決のスキル」の教科書として読み直そう、と帯コピーにあります。
 そうなの、これ、「読み直し」なのよ。

『国富論』なんて600頁は優にありますからね。それがなんやかんや入れて200頁に突っ込んだわけですよ。ぶっちゃけこんな人、ぶっちゃけこんなこと書いてあんの、という解説本です。せっかちな人にはうってつけかも。
 
 重要なことは、たとえ600頁を丁寧に読んでもたぶん理解できない、というよりもかえってわからなくなると思うな。『キラー・リーディング』『インテリジェンス読書術』『すごい読書!』のどれかに書いたんだけど、難解な本を読み解くコツがあるんです。
 それはね・・・続きはこちらからどうぞ。