2011年05月04日「レッド・アフガン」

カテゴリー中島孝志の不良映画日記」

 ヴィンラディンが殺されました。アフガンの山中ではなくパキスタンの高級住宅地でしたね。銃撃戦はホワイトハウスで実況中継だったとか。水葬にしたとのことですけど、さぁて、どうなのか。最初から殺害するつもりだったんでしょ。謀略好きのアメリカのことですから真相はわかりません。

 それにしても、パキスタン政府は米国軍隊の行動を許可してたんでしょうか。ま、落ち目のドルでも懐に入れたいから、見て見ぬふり・・・では国際法違反です。ま、パキスタン政府などはなから信用してないんですから独断専行でしょう。そして殺したら殺したで、フセイン同様、合法違法の議論など横に置いといて「なし崩し的」に事実のみが走るんでしょうな。

 民主党も共和党も関係なく、オバマ大統領にスタンディングオベーション。さすがアメリカ。国益最優先? いえいえ、西部劇のまんまですよ。やられたらやりかえす。でないと男の子じゃないってね。

 カダフィ政権攻撃についてはホワイトハウスの男の子たちがみな反対。で、女の子たち(おばさんたち!)がオバマを怒鳴りつけて攻撃させたわけ。で、ゲーツは辞めちゃったということでしょう。
 
 ご存じの通り、アフガンのタリバーンはCIAが育てた組織ですね。アルカイダにしてもCIAが絡んでるんでしょうな。きっと。つい最近もパキスタン秘密警察にCIA諜報員が逮捕されてますね。現地責任者は危うく脱出したようですけど。アルカイダだかタリバーンだかに侵入してた人物らしいですな。

 地政学的に考えると、アフガンは対ロシアののど元なんですよ。だから押さえたい。
 それとやっぱ麻薬でしょ。不思議なことに、ここだけの話ですけど、米軍が侵攻してからアフガンの麻薬生産量はグンと伸びてるんです。どうして?  ここ深読みしてください。こんな情報、「中島孝志の 聴く!通勤快読」でしか話せないんですから。危ないからもう言わない。

 映画紹介の前に、アフガンとアメリカの関係についてちょいとおさらいしときましょう。

 元々、1978年に誕生したアフガン政権は親ソ社会主義政権でした。けど旧支配勢力の反乱が起きちゃってソ連軍に鎮圧を頼んだの。即、拒絶。なぜか? アメリカが必ず介入するとわかってたから。

 残念ながらアフガン元首は暗殺されてしまいます。ところが次に権力を握ったヤツが米国留学帰りの親米派でね。

 さて、このとき、アメリカが考えたことはなにか?

 ものすごく単純ですよ。ベトナム戦争におけるアメリカ化をソ連にさせてやろうという謀略。早い話が、アフガンにソ連を侵攻させて泥沼に引きずり込むこと。

 カーター大統領&ブレジンスキーのコンビでしたね。

 その通りになりました。ムジャヒディンがあちこちで決起しました。裏で糸を引いてたのはCIAでしょう。狡猾なんだから、この国は。

 ヴィンラディンは聖地&イスラム教徒&祖国サウジの人民が異教徒というより謀略国家とがりがり亡者に蹂躙されてることに怒って立ち上がったわけでね。イスラム世界では反米のシンボルになってました。

 この映画もそうだけど、ぜひ「シリアナ」を観るべきでしょうね。真実が透けて見えるから。



 戦車好きにはたまらん映画でしょう。「戦車が主役?」と思っちゃう映画ですな。
 
 主役は「スピード2」でサンドラ・ブロックと共演してたジェイソン・パトリック。これと反目してるのが戦車隊長。
 アフガン侵攻時に村を焼き払うわ、皆殺しにするわ、部族長をひき殺すわ、好き放題やったんだけど、この戦車、オーバーヒートでエンコしちゃうわ、ガソリンが足りなくなっちゃうわ。大変なことになるわけ。

 で、復讐を誓ったアフガンゲリラは執拗に追いかけます。

 隊長と反目してる男(士官学校卒の情報参謀)は嫌われて砂漠に捨てられちゃう。で、追跡してきたゲリラに殺されそうになるんだけど、ある言葉を叫ぶのよ。イスラムの教えにあんの。その言葉を叫んだ者を殺してはいけない。助けなさい、と。

 殺すべきか、殺さざるべきか、ゲリラの中でも議論が出るんだけど、そこは菅さんと違ってリーダーが決断。

「教えを破ったら異教徒になってしまう」

 で、助ける。ソ連兵とゲリラが共通の敵戦車を追いかける。ここからがおもしろいんだけどね。野暮だからこのへんにしときましょう。