2011年12月06日「馬車が買いたい!」 鹿島茂著 白水社 3360円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 19世紀フランス小説の中で、青雲の志を抱いてパリへやってきた青年たち----『ゴリオ爺さん』のラスチニャック、『幻滅』のリュシアン・ド・リュバンプレ、『赤と黒』のジュリアン・ソレルたちには共通した願望があった。

 それは。。。馬車が買いたい!

 馬車は当時の青年たちが夢見たステイタスシンボル。生活から恋愛や出世にいたるまで切実な問題でもあった。

 そうかそうだったのか。当時のパリの風物はそうなのね。食費や家賃も含めた生活。下宿生活。仕送り。馬車の値段。レンタル代。数字だけでなく文学の脱線話が出色。

 これはいいわい・・・(続きは会員のみ視聴できます)。詳細はこちらからどうぞ。