2012年04月06日「隅田川のエジソン」 坂口恭平著・青山出版社・1365円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 江東区による路上生活者の公園からの強制排除が話題になってますけど、これ、区によって扱いがかなりちがうらしいですな。つまり、ホームレスに優しい区と厳しい区があるってことですね。

 優しいのは台東区と文京区。厳しいのは。。。江東区なんかねえ。わからんけど。強制排除でホームレスが救急車で運ばれた、となると、そう判断されてしまうかもしれませんな。

 いま、ちと市況が厳しいですからね。ホームがあるかないかの違いだけで、「実質ホームレス」という人は少なくない、と思いますよ。

 サラリーマンだって、植木等さんが活躍してた昭和30〜40年代とちがって気楽な稼業ではぜんぜんありませんしね。

 さて、日本中に住宅が余っているのに建てようとしている建築業界に嫌気が差して、「建てない建築家」を名乗る。
 で、廃屋になった渋谷区公営住宅屋上にあった貯水タンクで生活をしたり(ビデオ作品「貯水タンクに棲む」)、ピザ宅配バイクのうしろに住居部分を搭載し移動生活を行う(ビデオ作品「移住ライダー」)。

 2001年に秋葉原で購入した1万円の小型ソーラーパネルのみで完全自家発電し、インフラフリーの生活を実践している「隅田川の鴨長明」と出会い、都市を自然と捉えブリコラージュしながら生活をしている路上生活者たちの家を「0円ハウス」と名付けて卒業論文を書く。。。

 ま、面白い人です。

 本書はその「隅田川の鴨長明」について書いた本ですな。一応、小説になっとりますけど、すべて実話ですな・・・(続きは会員のみ視聴できます。会員になってね)。



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