2012年09月14日最新刊です。買うてや買うてや。頼んまっせ〜。。。

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 第12期原理原則研究会は本日をもって締め切らせていただきました。多数の留年組、そして新規メンバー、出戻りメンバーの皆さん、いよいよ来週火曜スタートです。遊びましょう。ま、勉強はほどほどにしましょう。

 申込するの忘れちゃった。申し込んだこと忘れちゃって何もしてないや、という方。事務手続きの都合上、来年9月スタートの第13期TOKIO原原までお待ち下さい。よろしくです。



 いきなりすんまへん。『一流の人、二流の人』という新刊をマガジンハウス社から出版しました。

近ごろ、一流、二流ブームですね。自慢話ばかりが続く薄っぺらい本から著名経営者とアスリートの言葉を集めたものまで百花繚乱です。
 一流、二流とは言い換えればホンモノ、偽物ということでしょう。もう少し考えると、仕事ができる人云々だとか、金持ち、成功者云々といった表層的なレベルを卒業し、ハートとかソウルといったもっと魂レベルに掘り進んだ鉱脈が問われるように思います。

 そのきっかけはおそらく・・・3.11でしょうね。

 一流。。。というとき、いつも思い出すのは「彼」のことです。
 わたしがいちばん尊敬する人間は、「自分で自分を励まし続けることのできる人」です。これは年齢、性別、国籍。。。を問わず無条件に尊敬します。

 以前、アメリカの大学教授が生涯でもっとも印象に残り、永遠に心に刻まれている1人の男子学生についてしみじみ語ったことがあるんです。
 彼は車椅子で教室を訪ねてきた、というのです。一目見るなり、両足が使えないことはすぐわかりました。

「どうした? なんの用かな?」
「この2年間でボクはいったいなにが学べるでしょう? もっとも効果的に勉強するにはどうしたらいいでしょう?」

 それはそれは熱心に訊ねた、というのです。

「で、君は2年後にはなにをするつもり?」
「2年後ですか? おそらくボクはこの世にいないでしょう」
「・・・・・・」

 車椅子は交通事故ではなく、進行性筋ジストロフィのためでした。「余命2年」と告知されていたんですね。手や腕はあと2年はもつかもしれない。最後の一瞬まで頭脳や心や魂も明晰でしょう。しかし麻痺が心臓に達した瞬間、彼は死ぬんです。

 それが運命なんですね。

「この限られた時間をいったいどう使うべきか?」という問いに、教授はいま口にした回答を猛烈に後悔した、といいます。

 それから2年、彼はきわめて優秀な学生でした。だれ1人、彼が病気について愚痴ったり、泣き言をこぼしたりすることを聞いたことがなかったといいます。

 最後の半年間、彼は急激に衰弱しました。最後の2週間、学内に姿を見せなくなりました。だれもが気もそぞろでクラスはしんみりとしていました。そして彼が亡くなった時、大学の礼拝堂は彼を弔う人々でいっぱいになりました。

 彼よりも自分を励まし続けた人間を、私はあと1人しか知りません。

 ま、一流と二流を分けるものなんて紙一枚の差もないかもしれませんね。けど、この差はだれの目にもはっきりとわかるものです。
「ああなりたい」という一流になるか、「ああはなりたくない」という二流になるか。小さな人間が書いた大きな話。ご縁があれば手にとってください。。。


 さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『日本語は天才である』(柳瀬尚紀著・新潮社)です。詳細はこちらからどうぞ。