2013年02月22日アベノミクスってどうなるの? 第8弾
カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」
「景気が良くなる」とはいったいどういうことでしょうか?
「そりゃ、お金が増えることさ」と即答されるかもしれません。ご商売をされている方なら、「並べてる商品が売れまくって在庫一掃。積んでも積んでも片っ端から売れていく状態だよ」というかもしれませんね。
つまり、ひとことでいえば、可処分所得が増える。剰余金が増える。こういうことですね。
へそくりが増えれば従業員を誘って赤ちょうちんでご馳走もできますし、内部留保があれば、仕入れも開発費も人の採用も、安倍首相が懇願する賃上げだってできますよね。つまり、お金が増えるという意味は消費が増える、ということに置き換えられると思います。
そうか、だから、FRBのバーナンキ議長はヘリコプターでドルを空から撒けばいい、拾った消費者がそれを遣ってモノを買ってくれる。消費が増えれば景気が良くなる、という発言に気づきます。
「ヘリコプター・ベン」の異名通りです。さすがに議長になってからはこんな乱暴なことはいわなくなりました。元もとはミルトン・フリードマンの発言ですね。
可処分所得が増えれば余裕ができますから、財布のひももちょっと緩くなって、少々値上げしても買ってくれるかもしれません。「余裕」があるから、業界2位や3位の商品やサービスも購入してくれます。
収入が頭打ちだったり、減ったりしていたら、可処分所得が少なくなりますから、どれか1つしか買う余裕がありません。自然と業界1位の商品とかサービスしか買わなくなります。不景気になると業界トップが2位以下のシェアを吸い取ってしまいます。
2位も3位も「おこぼれ」に預かれる。すなわち、商品やサービスが選択肢が増える。バリエーションが増える。豊かさの証明です。
お金が増えると需要が増えます。需要が増えれば物価は上がります。価格に転嫁しても消費者は逃げませんから、コスト高も吸収してくれます。気づいてみたらインフレになっていた・・・理想的です。デマンドプルインフレの典型です。
では、「景気が悪くなる」とはどういうことでしょうか?
「そりゃお金が減ることだよ。不景気だとへそくりすらできないもの」という人もいるでしょう。 可処分所得が減ったり、剰余金が少なくなったり。借金しないとやりくりできない、という状態に追い込まれたり。
こうなると、なにかを買うと、その分、なにかが買えなくなる。収入が増えなければ、そうなります。こうなると、業界1位しか生き残れません。
可処分所得が減りますから、あれもこれもつくっている総合家電は厳しくなります。パナソニックではかつてデジカメをグループ内の3社が競合してつくっていました。FAXを3社が、エアコンも3社がつくっていましたが、1つに集約しました。
こうした重複した事業の売上がグループ全体の1割=1兆円にも達していた、と聞きます。
いままでの惰性で動いていた組織や事業もいったん見直しの時期に入ります。ここで仕切り直し。淘汰すべきモノは淘汰する。商品もサービスも人も役員も経営者もです。それがあるから経営者も企業も強靱化できるのです。
「好況よし、不況また良し」と松下幸之助さんはよくいっていました。
お金が減って、あれもこれも買えなくなると、あれもこれもつくったり売ったりしてる百貨店的な企業は経営が厳しくなります。こうなると、あれもこれもできないけど、これなら負けないと「売り」がはっきりした商売がスポットライトを浴びるようになります。
専門店ですね。かつてフリースで一世を風靡したユニクロがそうでしたし、アップルにしても、あれはiPhoneとiPadの専門店です。シングルテーマで勝負する企業ですから、これらの商品が飽きられたら終わりです。アップルは「ヒートテック」を開発しなければいけません。
パナソニック、シャープ、ソニーの家電不況は、テレビ事業が足を引っ張りました。2011〜12年に頭打ちとなり、今後の展開もかなり厳しいようです。頭打ちの原因は地デジが2010年7月24日に終了したこと。7000億円もの補助金に支えられたエコポイントが終了したこと。なにより、駆け込み需要が大きかったことが上げられます。
駆け込み需要の反動で頭打ちになりました。おそらく、今後、消費税増税直前に住宅購入のキャンペーンがアベノミクスとメディアがタッグを組んで展開するかもしれませんが、かつて(1997年)消費税増税直前の駆け込み需要のあとに激減したことを繰り返すはずです。「先楽後憂」でいい経営者はそうすればいいと思います。大切なことは反動を予定して勝てる戦略を錬っておくことです。
需要が減ると、企業は生産調整します。お店は仕入れを減らします。在庫倒産を避けるためですね。生産が減ると工場のラインも減ります。企業は売上も利益も減りますから、残業を減らします。一時帰休を命じたり、賃金をカットしたり、工場を閉鎖するかもしれません。リストラもあるでしょう。
物価が継続的に下落し続けます。賃金も減り続けます。ここ数年の日本ですね。デフレになります。幸い、円高とデフレのおかげで、物価が安く、電気代も安く、なんとか生活もできました。
これが円安とインフレで「いったん」なくなります。アベノミクスの予定では、2年後にはインフレになって、年収も上がり、生活が豊かになっているらしいですが、どうもそうならないような気がします。
戦後の日本を生き抜いてきたシニアは、アベノミクスには過度の期待などしていません。「どうせ無理だろう」とクールに見ています。諦観ではなく、そもそも依存しないのです。焼け野原を生き抜いてきた人たちには生きるセンスがあります。「良くなったらみっけもの」という感覚です。
そもそもインフレになれば賃金は目減りします。アベノミクスは片方で賃金を上げてくれといい、片方でインフレを2%にしろ、というのです。
いったいどうすればいいのでしょうか? そうか、そういうことか・・・便乗値上げをしなさい、ということですか。
1973年のオイルショックのとき、12月に原油価格はバレル3ドルでしたが、わずか4カ月で12ドルになりました。かなり厳しかったと思いますが、当時、なんなくやり過ごせたのは、給与もインフレ分上昇していました。円高がスタートし、便乗値上げもありました。
便乗値上げで企業は売上と利益を確保しました。日経平均株価もこの前後で3倍近くになりました。ただし74年に反動で半分になったのです。
いま、円安で日経平均株価は高騰しています。もちろん、主役は外国人でしょう。あれだけ円安にすると連呼してたのですから、ソニーやパナソニックなどの輸出関連株をしこたま買うに決まっています。おもしろいように、これらの株価はストップ高となりましたよね。
現実には「財政の崖」が一息ついて、ユーロ危機が少し遠のいた。これが日本の株価を高めたと思います。ご存じのように、アベノミクスのおかげではありませんね。
いずれ「財政の崖」は再燃しますし、ユーロ危機もぶり返します。「円売りの日本買い」から「円買いの日本売り」に転換するはずです。
さて、調整はいつでしょうか? 「7月の参院選後」と見ている人が多いようですが、もっと早いかもしれません。
円安のおかげで株高になり、嬉しい決算書がつくれると喜んでいる経営者が少なくないと思いますが、はたしてそうでしょうか。中国とヨーロッパの輸出は激減していますが、その分がかなりの重しになっているはずです。3月の決算は手放しで喜べる状態とはとても思えません。
安くても売れません。高くても売れます。そういう時代ではありません。昔からそうなのです。
日本の製造業は付加価値の高い部品や生産財をつくってきたから足腰が強いのです。パナソニックにしてもお客さんに提案する最終完成品である家電事業の売上は全体の1割に過ぎません。ほかは生産財とかシステムです。システムとは環境創造だとかそっくり街をつくってしまうという大がかりな事業です。
これこそ総合企業、百貨店的な企業の出番です。
付加価値の高い商品やサービスは「言い値」で売れます。価格決定権は企業やお店が持っています。不景気でも売れます。なぜならオンリーワンだからです。「1位、2位を競わず、唯一をめざす」といったのは親鸞ですが、唯一だから選択の余地はありません。
かつてのウォークマン。いまのiPhoneです。iPhoneで思い出しましたが、以前、『Sex and thec City』の主人公が緊急で電話しなくちゃいけないとき、使いづらいiPhoneを投げ捨てるシーンがありますが、このとき、爆笑したのは40代の女性たちでした。ここにもビジネスチャンスは転がっています。
この先、どう考えても成長するとは思えない新幹線事業に3兆円の予算をつけるより、世界を相手にハブ空港を拡充するほうがベターです。安倍首相は民主党の学級委員とはちがいますから、羽田、関空、福岡、名古屋、札幌以外の地方空港と世界を結びつけるよう、規制緩和を徹底すると思います。
世界と結びつける狙いは企業誘致にあります。日本の企業だろうと外資系だろうと、失業を解決してくれるならどこでもいいのです。賃上げよりも失業を減らす。就活生の採用を増やす。そうすれば、所得税と住民税が得られますし、失業保険、生活保護のコストも自然減となります。
いま猪瀬東京都知事が提案しているように、税制にしても、現行の40%超では外国企業どころか、すでに拠点を構えている企業も撤退しかねません。
特区法を適用して法人税を33%に下げた上で法人事業税は全額免除。これで法人税は31%になります。定率減税5%も延期します。法人税率は26%。これでようやく中国(25%)やソウル(24.2%)と肩を並べられるようになります。さらに資産保有時にかかる不動産取得税、固定資産税、都市計画税を数年間減免します。これで年間80億円の減収になりますが、国税と地方税を合わせると1000億円を上回る増収効果。その8割は国税になると皮算用をしています。
さらに奥村眞吾先生が述べておられるように「国外所得免除制度」をぜひ導入すべきです。
アベノミクスは日本経済をインフレにすることが最終ゴールではなく、もちろん、「新発国債の日銀引き受け」を強制することでもなく、円安にして、外国人に日本企業を買収しやすくしたり、不動産や水利権を買い占めさせたりすることではなく、GDPを増やし、税収を上げることにあると思います。
さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『千のナイフ、千の目』(蜷川幸雄著・筑摩書房)です。詳細はこちらからどうぞ。
いよいよ4月オープン!「原理原則研究会in名古屋(第1期)」 中島孝志の「すべらない講義」を聴いてみませんか?
「そりゃ、お金が増えることさ」と即答されるかもしれません。ご商売をされている方なら、「並べてる商品が売れまくって在庫一掃。積んでも積んでも片っ端から売れていく状態だよ」というかもしれませんね。
つまり、ひとことでいえば、可処分所得が増える。剰余金が増える。こういうことですね。
へそくりが増えれば従業員を誘って赤ちょうちんでご馳走もできますし、内部留保があれば、仕入れも開発費も人の採用も、安倍首相が懇願する賃上げだってできますよね。つまり、お金が増えるという意味は消費が増える、ということに置き換えられると思います。
そうか、だから、FRBのバーナンキ議長はヘリコプターでドルを空から撒けばいい、拾った消費者がそれを遣ってモノを買ってくれる。消費が増えれば景気が良くなる、という発言に気づきます。
「ヘリコプター・ベン」の異名通りです。さすがに議長になってからはこんな乱暴なことはいわなくなりました。元もとはミルトン・フリードマンの発言ですね。
可処分所得が増えれば余裕ができますから、財布のひももちょっと緩くなって、少々値上げしても買ってくれるかもしれません。「余裕」があるから、業界2位や3位の商品やサービスも購入してくれます。
収入が頭打ちだったり、減ったりしていたら、可処分所得が少なくなりますから、どれか1つしか買う余裕がありません。自然と業界1位の商品とかサービスしか買わなくなります。不景気になると業界トップが2位以下のシェアを吸い取ってしまいます。
2位も3位も「おこぼれ」に預かれる。すなわち、商品やサービスが選択肢が増える。バリエーションが増える。豊かさの証明です。
お金が増えると需要が増えます。需要が増えれば物価は上がります。価格に転嫁しても消費者は逃げませんから、コスト高も吸収してくれます。気づいてみたらインフレになっていた・・・理想的です。デマンドプルインフレの典型です。
では、「景気が悪くなる」とはどういうことでしょうか?
「そりゃお金が減ることだよ。不景気だとへそくりすらできないもの」という人もいるでしょう。 可処分所得が減ったり、剰余金が少なくなったり。借金しないとやりくりできない、という状態に追い込まれたり。
こうなると、なにかを買うと、その分、なにかが買えなくなる。収入が増えなければ、そうなります。こうなると、業界1位しか生き残れません。
可処分所得が減りますから、あれもこれもつくっている総合家電は厳しくなります。パナソニックではかつてデジカメをグループ内の3社が競合してつくっていました。FAXを3社が、エアコンも3社がつくっていましたが、1つに集約しました。
こうした重複した事業の売上がグループ全体の1割=1兆円にも達していた、と聞きます。
いままでの惰性で動いていた組織や事業もいったん見直しの時期に入ります。ここで仕切り直し。淘汰すべきモノは淘汰する。商品もサービスも人も役員も経営者もです。それがあるから経営者も企業も強靱化できるのです。
「好況よし、不況また良し」と松下幸之助さんはよくいっていました。
お金が減って、あれもこれも買えなくなると、あれもこれもつくったり売ったりしてる百貨店的な企業は経営が厳しくなります。こうなると、あれもこれもできないけど、これなら負けないと「売り」がはっきりした商売がスポットライトを浴びるようになります。
専門店ですね。かつてフリースで一世を風靡したユニクロがそうでしたし、アップルにしても、あれはiPhoneとiPadの専門店です。シングルテーマで勝負する企業ですから、これらの商品が飽きられたら終わりです。アップルは「ヒートテック」を開発しなければいけません。
パナソニック、シャープ、ソニーの家電不況は、テレビ事業が足を引っ張りました。2011〜12年に頭打ちとなり、今後の展開もかなり厳しいようです。頭打ちの原因は地デジが2010年7月24日に終了したこと。7000億円もの補助金に支えられたエコポイントが終了したこと。なにより、駆け込み需要が大きかったことが上げられます。
駆け込み需要の反動で頭打ちになりました。おそらく、今後、消費税増税直前に住宅購入のキャンペーンがアベノミクスとメディアがタッグを組んで展開するかもしれませんが、かつて(1997年)消費税増税直前の駆け込み需要のあとに激減したことを繰り返すはずです。「先楽後憂」でいい経営者はそうすればいいと思います。大切なことは反動を予定して勝てる戦略を錬っておくことです。
需要が減ると、企業は生産調整します。お店は仕入れを減らします。在庫倒産を避けるためですね。生産が減ると工場のラインも減ります。企業は売上も利益も減りますから、残業を減らします。一時帰休を命じたり、賃金をカットしたり、工場を閉鎖するかもしれません。リストラもあるでしょう。
物価が継続的に下落し続けます。賃金も減り続けます。ここ数年の日本ですね。デフレになります。幸い、円高とデフレのおかげで、物価が安く、電気代も安く、なんとか生活もできました。
これが円安とインフレで「いったん」なくなります。アベノミクスの予定では、2年後にはインフレになって、年収も上がり、生活が豊かになっているらしいですが、どうもそうならないような気がします。
戦後の日本を生き抜いてきたシニアは、アベノミクスには過度の期待などしていません。「どうせ無理だろう」とクールに見ています。諦観ではなく、そもそも依存しないのです。焼け野原を生き抜いてきた人たちには生きるセンスがあります。「良くなったらみっけもの」という感覚です。
そもそもインフレになれば賃金は目減りします。アベノミクスは片方で賃金を上げてくれといい、片方でインフレを2%にしろ、というのです。
いったいどうすればいいのでしょうか? そうか、そういうことか・・・便乗値上げをしなさい、ということですか。
1973年のオイルショックのとき、12月に原油価格はバレル3ドルでしたが、わずか4カ月で12ドルになりました。かなり厳しかったと思いますが、当時、なんなくやり過ごせたのは、給与もインフレ分上昇していました。円高がスタートし、便乗値上げもありました。
便乗値上げで企業は売上と利益を確保しました。日経平均株価もこの前後で3倍近くになりました。ただし74年に反動で半分になったのです。
いま、円安で日経平均株価は高騰しています。もちろん、主役は外国人でしょう。あれだけ円安にすると連呼してたのですから、ソニーやパナソニックなどの輸出関連株をしこたま買うに決まっています。おもしろいように、これらの株価はストップ高となりましたよね。
現実には「財政の崖」が一息ついて、ユーロ危機が少し遠のいた。これが日本の株価を高めたと思います。ご存じのように、アベノミクスのおかげではありませんね。
いずれ「財政の崖」は再燃しますし、ユーロ危機もぶり返します。「円売りの日本買い」から「円買いの日本売り」に転換するはずです。
さて、調整はいつでしょうか? 「7月の参院選後」と見ている人が多いようですが、もっと早いかもしれません。
円安のおかげで株高になり、嬉しい決算書がつくれると喜んでいる経営者が少なくないと思いますが、はたしてそうでしょうか。中国とヨーロッパの輸出は激減していますが、その分がかなりの重しになっているはずです。3月の決算は手放しで喜べる状態とはとても思えません。
安くても売れません。高くても売れます。そういう時代ではありません。昔からそうなのです。
日本の製造業は付加価値の高い部品や生産財をつくってきたから足腰が強いのです。パナソニックにしてもお客さんに提案する最終完成品である家電事業の売上は全体の1割に過ぎません。ほかは生産財とかシステムです。システムとは環境創造だとかそっくり街をつくってしまうという大がかりな事業です。
これこそ総合企業、百貨店的な企業の出番です。
付加価値の高い商品やサービスは「言い値」で売れます。価格決定権は企業やお店が持っています。不景気でも売れます。なぜならオンリーワンだからです。「1位、2位を競わず、唯一をめざす」といったのは親鸞ですが、唯一だから選択の余地はありません。
かつてのウォークマン。いまのiPhoneです。iPhoneで思い出しましたが、以前、『Sex and thec City』の主人公が緊急で電話しなくちゃいけないとき、使いづらいiPhoneを投げ捨てるシーンがありますが、このとき、爆笑したのは40代の女性たちでした。ここにもビジネスチャンスは転がっています。
この先、どう考えても成長するとは思えない新幹線事業に3兆円の予算をつけるより、世界を相手にハブ空港を拡充するほうがベターです。安倍首相は民主党の学級委員とはちがいますから、羽田、関空、福岡、名古屋、札幌以外の地方空港と世界を結びつけるよう、規制緩和を徹底すると思います。
世界と結びつける狙いは企業誘致にあります。日本の企業だろうと外資系だろうと、失業を解決してくれるならどこでもいいのです。賃上げよりも失業を減らす。就活生の採用を増やす。そうすれば、所得税と住民税が得られますし、失業保険、生活保護のコストも自然減となります。
いま猪瀬東京都知事が提案しているように、税制にしても、現行の40%超では外国企業どころか、すでに拠点を構えている企業も撤退しかねません。
特区法を適用して法人税を33%に下げた上で法人事業税は全額免除。これで法人税は31%になります。定率減税5%も延期します。法人税率は26%。これでようやく中国(25%)やソウル(24.2%)と肩を並べられるようになります。さらに資産保有時にかかる不動産取得税、固定資産税、都市計画税を数年間減免します。これで年間80億円の減収になりますが、国税と地方税を合わせると1000億円を上回る増収効果。その8割は国税になると皮算用をしています。
さらに奥村眞吾先生が述べておられるように「国外所得免除制度」をぜひ導入すべきです。
アベノミクスは日本経済をインフレにすることが最終ゴールではなく、もちろん、「新発国債の日銀引き受け」を強制することでもなく、円安にして、外国人に日本企業を買収しやすくしたり、不動産や水利権を買い占めさせたりすることではなく、GDPを増やし、税収を上げることにあると思います。
さて「中島孝志の 聴く!通勤快読」でご紹介する本は『千のナイフ、千の目』(蜷川幸雄著・筑摩書房)です。詳細はこちらからどうぞ。
いよいよ4月オープン!「原理原則研究会in名古屋(第1期)」 中島孝志の「すべらない講義」を聴いてみませんか?