2013年07月30日どうなりまんねん、消費税増税?

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 国内外にたくさん問題を抱えてますけど、消費税増税があんのかないのか。さあて、どうなりまんのやろ? シナリオは次の3つですわな。

1上げない。
2上げる。
3上げても3%ではない。

 まあ、いろんな要素がありますからね。実際、先月、某新聞社の幹部が安倍さんと会ったとき、「増税はしない」と2回も宣ったらしいですからね。たしかに安倍さんは財務省の言うことを鵜呑みにするような政治家ではありません。けど、私は2番目の「上げる」だと思うのよね。

 理由は以下の通り。

1増税チャンスはこの3年間にしかない。
 今回増税せず、再来年いきなり5%から10%にはできない。少しずつ上げたいし、次の参院選挙で負けちゃうもんよ。
2財政危機は「待ったなし」の状態である。
 相続税55%、所得税45%。消費税8〜10%、さらにはユーロ並の20%超にしたい。8%〜10%なんて途中経過。さっさと増税するならともかく、断じて遅らせたくない。
3増税してもしなくても消費に影響しない。
 これは正解です。増税しても消費の腰折れにはなりません。駆け込み需要? んなもん、2年でならせば同じこと。必要なものは買うし、必要でないものは買わない。増税しようがね。
4デフレ脱却には消費税増税が貢献する。
 たしかにね。
 
 ま、1〜4はどうでもいいの。私は次の理由で、安倍さんは消費税増税をすでに決めてると思います。

5輸出企業の「見えない利益」を激増させたい。

 法人税というものがあります。いまなら実効税率は38.01%とかですよね。
 けど、これ、表向きの数字でしてね。こんな税率で収めてる法人は、こと、輸出企業とか大企業にはありません。経団連などの大企業に代表される連結決算企業なんて、実効税率は10%以下ですから。

 日本の法人税を支えているのは中小企業なんす。中小企業だけが愚直に税金を納めてきてるんす。そういう構造なんすよ。ま、これは原原メンバーにはここ2年間ほど講義してきてますから常識ですけどね。

 消費税つうのは、譲渡のたびに5%ずつ税金が次々にリレーされていくものすよね。で、それぞれの企業が税務署に消費税を納めるわけっす。

 ところで、この消費税ですけど、その国の消費にしかかけることができません。ヨーロッパで買い物すると付加価値税なんてのがとられますけど、日本の消費税はかかりません。ま、ヨーロッパの人が日本で買い物するとやっぱ5%消費税を払ってるわけでしてね。

 では、トヨタやソニー、パナソニックといった、日本を代表する輸出企業は外国に製品を輸出するとき、消費税を払ってるんでしょうか? 払うわけがありません。だって、消費税は日本国内だけで有効な税制なんだもん。

 つうことは、たとえばアメリカに売った車の消費税はどうなってんの? はい、税務署が返金してくれます。還付金つうやつです。嬉しいすね。
 で、いったいどのくらい? はい、上位10社だけでも8000億円を超えてます。
 さて、この還付金ですけど、納入業者に返金してるんでしょうか? してないでしょうね。国内では消費税は有効なんすから。

 いま消費税が5%でしょ。で、8000億円超。つうことは、消費税が10%になったらどうなるん? 1兆6000億円になるんでないかい。単純に計算しても。

 そうかあ、だから経団連は消費税増税に賛成してるわけかあ。

 で、安倍さんは、すべての産業のなかで世界と戦っている輸出企業をもっとも優遇したいわけっす。なぜなら労働人口や協力会社の数など裾野が広いからですね。ま、スポンサーつうことも大きいっすよね。

 日本の輸出依存度なんて15%しかありません。日本は内需国家です。けど内需で商売してる会社は輸出企業に比べたらやっぱ生産性が低いし、1社で労働人口が100万〜200万人という広がりはありませんわな。
 安倍さんにしてみれば、「中小企業は勝手にガンバってよ」「いちいち面倒みてらんないかんね」というのが本音でしょ。まずは輸出企業と大企業が元気になってもらいたい。円安も彼らのため、デフレ脱却も彼らのため、なわけ。

 で、こういう視点も含め、財務省の野望なんてものも加味して消費税増税を考えると、「規定方針通り」となります。

 アベノミクスのブレーンであるエール大学の浜田センセたちが「消費の腰折れになるから見送るか、1%程度にしなさいよ」とアドバイスして、とうの安倍さんも意見を拝聴してまっせ、と述べてますね。
 じゃ、その通りにするのか? するわけがない。こういう情報を小出しにして、おバカなマスメディアに騒がせて、世論の反応はどなんかなあ〜と確認してるだけのこと。

 最初からもう決めてるはず。選挙に勝ちましたけど、強引ではなく、世論のレスポンスを慎重に確かめつつ、注意深く、着々と規定方針通りに動くはずです。

 ま、外れるかもしれんけど。


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