2004年03月01日麻原裁判の枝葉末節

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ヨーイドンの報道合戦

 オウム事件の張本人。麻原に死刑判決が下されました。

 まっ、当然でしょう。

 アメリカなら、死刑十回、終身刑二十回、懲役二千年というような判決が出たかもしれません。

 日本の場合、死刑は一回しかできませんものね。

 さて、今回、そんな決まり切った判決よりも、わたしが注目していたのは報道各社がどう伝えるのだろうかという一点にありました。

 こういう全局一斉にヨーイドンという番組はそうありません。当然、各社ともそれぞれライバル社の動き内容をチェックしているはずです。

 各社が鎬(しのぎ)を削って番組作りをする。いったい、どう伝えるのか、関心があったのです。

 たとえば、飄々と書いたメモを読み上げる局、キャスターや記者がスラスラ覚えた科白で伝える局、あるいは、「とっちらかって何言ってるかわかんない」という局・・・いろいろあるのではないか、と思っていたのです。




もっと説明力を鍛えよう!

 やっぱり、NHKですな。あとは日テレか。テレビ東京はまったく関係ない番組を放送してたし・・・。

 それにしても、フジとTBS、テレ朝はどうしたんでしょうかねぇ。キャスタークラスの報道記者は説明力、伝達力があるのに、現場はまったくダメですね。

 某局では、判決直前に裁判長の様子、麻原の様子を横から飛び込んできた記者に語らせ、続いて、間髪を入れずにどんどん記者を横っ飛びさせて語らせる。まるで、駅伝型放送スタイルでしたが、見事に空回り。

 「死刑、死刑です、死刑です、死刑!」

 「裁判長は閉廷です! 閉廷、閉廷、閉廷を宣言しましたぁ!」

 百メートル競走をした後みたいに呼吸が乱れて聞きづらい。緊迫感だけは演出できていたけど、そんなに一秒を争うような報道なのでしょうか。視聴者はじっくりどんな裁判だったのかを知りたかったのではないでしょうか。

 スタジオにいる報道デスクについても、質問しても、理路整然と話せない。いったい、どんな教育してるんでしょうかね。『巧みな説明ができる人できない人』『伝える技術わからせる技術』(ともに三笠書房)を読んで勉強したほうがいいぞ、と言いたくなりました(たいして役に立たないけど)。

 記者はインタビュー、ヒアリングするだけが仕事ではありません。事実、真実を第三者、とくに視聴者にきちんと伝える。これが大事なんですね。

 けど、それができていたのはNHKだけ。せいぜい日テレか。

 民放ではとかく女子アナばかりが批判の対象になってますけど、報道記者も同じようなものではないか、と感じたのはわたしだけではないでしょう。

 横町のご隠居の愚痴みたいになってしまいましたが、ホントに困ったものです。



 ところで、オウム、アレフにかぶれてる人って、要は「酔っぱらい」でしょ。何に酔っぱらうか、人生はそれで決まります。自分の頭で考えることの放棄。楽そうだけど、わたしゃ嫌だね、そんな「引きこもり」。