2015年05月14日新潟は雪ではなく雨だった。。。
カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」
ほんにそうなんすよね。新潟原原では行きも帰りも毎度、長い長い長い長〜いトンネルを抜けております。で、この間、PCもケータイも電波はNG。
「ああ、越後湯沢か・・・」とわかります。東京から向かうときも、新潟から向かうときも、つまり、上りも下りも越後湯沢の駅に着くまではあかんねん。
ほんに長いトンネルでんなあ。ま、WiFiが使えないということなら、山陽新幹線など端からPCは出しません。ずっと読書の時間。もう諦めてます。その点、上越は外の景色を見なくても電波状態で、いまどこを走ってるのかがわかります。
さぞや、川端の時代は難儀したんでしょうなあ。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。向側の座席から娘が立って来て、島村の前のガラス窓を落した。雪の冷気が流れこんだ。娘は窓いっぱいに乗り出して、遠くへ叫ぶように、「駅長さあん、駅長さあん。」明りをさげてゆっくり雪を踏んで来た男は、襟巻で鼻の上まで包み、耳に帽子の毛皮を垂れていた。もうそんな寒さかと島村は外を眺めると、鉄道の官舎らしいバラックが山裾に寒々と散らばっているだけで、雪の色はそこまで行かぬうちに闇に呑まれていた。」
ご存じ『雪国』の有名な冒頭の文章ですな。完璧っす。「美しい日本の私」の面目躍如ですな。この数行を眺めるだけで風景がありありと見えてきますな。
そうか、漆黒の中に雪の白さのコントラスト。駅が小さいんでしょうな。列車はホームに入りきらず信号所まで延びてるわけね。
外はしばれるね、つうくらい寒い寒い。雪の白さを呑み込むほどの闇。。。
けど、この長い長い長いトンネルを越えると、自分の世界がある。東京に妻子を置き、ここ雪国では芸者と逢い引き。駒子と逢って本当の自分を発見してエネルギーをチャージ。そして東京に戻っていく。
ほとほと疲れたら救いを求めて年1回、駒子の元にやってくる。男にとって、女性は港。ドックと言ったら失礼でしょうか。島村にとって駒子は母港のようなものっすかね。
トンネルはいわば、「もう一つの世界」に飛び込む回路でもあるわけでね。この長い長い長いトンネルを通過することが「異界」に飛び込む儀式なんでしょう。
この男、「あの世」と「この世」を行き来する小野篁みたいな存在でんな。。。ああ羨ましい。
そういえば、『雪国』のDVD持ってたな。岸恵子さん版と岩下志麻さん版の2つ。締切に追いまくられてるけど、続けて見ちゃおうっか。編集者には内緒・・・ブログに書いたらあかんがな。。。
「岸恵子+池部良コンビ」。
天真爛漫。一転、情念の女。義理と人情は男ではなく女の世界のことだと痛感しますな。岸恵子は年とってからのほうが和服は似合いまんな。義妹役が八千草薫さん。ちょい役の市原悦子さん傑作の演技。
「岩下志麻+木村功」コンビ。
志麻さんの駒子ええなあ。惚れ惚れします。好みもあんだろうけどね。優男の島村も木村功がドンピシャ。
それにしても、大原麗子の駒子が見たかったもんです。残念。
さて、今日のメルマガでご紹介する本は「ドキュメント パナソニック人事抗争史(前編)」( 岩瀬達哉著・講談社・1,490円)です。
ほんにそうなんすよね。新潟原原では行きも帰りも毎度、長い長い長い長〜いトンネルを抜けております。で、この間、PCもケータイも電波はNG。
「ああ、越後湯沢か・・・」とわかります。東京から向かうときも、新潟から向かうときも、つまり、上りも下りも越後湯沢の駅に着くまではあかんねん。
ほんに長いトンネルでんなあ。ま、WiFiが使えないということなら、山陽新幹線など端からPCは出しません。ずっと読書の時間。もう諦めてます。その点、上越は外の景色を見なくても電波状態で、いまどこを走ってるのかがわかります。
さぞや、川端の時代は難儀したんでしょうなあ。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。向側の座席から娘が立って来て、島村の前のガラス窓を落した。雪の冷気が流れこんだ。娘は窓いっぱいに乗り出して、遠くへ叫ぶように、「駅長さあん、駅長さあん。」明りをさげてゆっくり雪を踏んで来た男は、襟巻で鼻の上まで包み、耳に帽子の毛皮を垂れていた。もうそんな寒さかと島村は外を眺めると、鉄道の官舎らしいバラックが山裾に寒々と散らばっているだけで、雪の色はそこまで行かぬうちに闇に呑まれていた。」
ご存じ『雪国』の有名な冒頭の文章ですな。完璧っす。「美しい日本の私」の面目躍如ですな。この数行を眺めるだけで風景がありありと見えてきますな。
そうか、漆黒の中に雪の白さのコントラスト。駅が小さいんでしょうな。列車はホームに入りきらず信号所まで延びてるわけね。
外はしばれるね、つうくらい寒い寒い。雪の白さを呑み込むほどの闇。。。
けど、この長い長い長いトンネルを越えると、自分の世界がある。東京に妻子を置き、ここ雪国では芸者と逢い引き。駒子と逢って本当の自分を発見してエネルギーをチャージ。そして東京に戻っていく。
ほとほと疲れたら救いを求めて年1回、駒子の元にやってくる。男にとって、女性は港。ドックと言ったら失礼でしょうか。島村にとって駒子は母港のようなものっすかね。
トンネルはいわば、「もう一つの世界」に飛び込む回路でもあるわけでね。この長い長い長いトンネルを通過することが「異界」に飛び込む儀式なんでしょう。
この男、「あの世」と「この世」を行き来する小野篁みたいな存在でんな。。。ああ羨ましい。
そういえば、『雪国』のDVD持ってたな。岸恵子さん版と岩下志麻さん版の2つ。締切に追いまくられてるけど、続けて見ちゃおうっか。編集者には内緒・・・ブログに書いたらあかんがな。。。
「岸恵子+池部良コンビ」。
天真爛漫。一転、情念の女。義理と人情は男ではなく女の世界のことだと痛感しますな。岸恵子は年とってからのほうが和服は似合いまんな。義妹役が八千草薫さん。ちょい役の市原悦子さん傑作の演技。
「岩下志麻+木村功」コンビ。
志麻さんの駒子ええなあ。惚れ惚れします。好みもあんだろうけどね。優男の島村も木村功がドンピシャ。
それにしても、大原麗子の駒子が見たかったもんです。残念。
さて、今日のメルマガでご紹介する本は「ドキュメント パナソニック人事抗争史(前編)」( 岩瀬達哉著・講談社・1,490円)です。