2002年09月16日金正日氏との会談に思う

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北朝鮮という国


 いよいよ小泉首相が北朝鮮に乗り込みますね。

 ということは、水面下では話が付いてるということですかね。

 「手ぶらで帰ってくる勇気を」と与党はもちろん、野党も民主党から共産党まで声援を送ってますが、さてさて、どうなることやら。

 毎日新聞の「エコノミスト」編集長が「政治生命を賭けるのはこんな問題ではなく、経済問題でしょう」と述べてましたが、これは違います。

 国民の生命と安全を守れない国家がどこにありますか。

 「国民の財産が侵される懸念がある」と進軍するのが、どこの国でも常識なんです。わが国も敗戦前はそうでした。だから、それが抑止力にもなっていたんです(局地的に暴走する可能性も軍事官僚にはありますが)。

 政治が出張るべき最大のテーマは「国民の生命と安全」なんです。これ以上、重要なモノはありません。経済問題など、担当大臣にまかせりゃいいんです。

 民間旅客機を平気で打ち落とす国ですよ、ここは。拉致された11人が無事戻っても、この国がテロ支援国家ではなく、テロ国家だということを忘れてはなりません。


人物を査定されている

 日本の外交を考える時は、必ずアメリカというフィルターを通じて見ないとダメですね。わが国は敗戦後から外交の主体性を失ったんです。経済的な交渉はできても、政治的なそれはしない。すべてはアメリカの了解を得る。それが現実です。

 この会談も実質的にセッティングしたのは日本外務省ではないでしょう。

 「拉致問題を国交回復の阻害要因とはしない」という北の姿勢が伺えます。

 やっぱり、タリバン、イラクの二の舞はごめんだ、ということでしょう。

 金正日という元首はやっぱり一流の政治家ですよ。経済的にこんなにガタガタの国を、麻薬と拉致、テロ、そして外交力だけで生きながらえさせているんですから、ただものではありません。

 何もない国だからこそ、外交力が磨かれたんでしょうな。外務省もいまだに鹿鳴館外交などなってないで、北朝鮮から講師を呼んで勉強したほうがいいのではないでしょうか。

 この男とサシで話すには、「人物」でなければ無理だと思います。金丸さんのように、金の延べ棒でグラリ来るようでは、人物を見抜かれて、いいようにあしらわれるのがせいぜいです。

 「ぶれない、振れない、揺らがない鉄壁の不動心」

 真の愛国者でなければ、外交なんてできませんよ。