2002年06月03日「国債の階段落ち」に思う

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格付けはたんなる格付け


 ホントに『蒲田行進曲』じゃないんだから、階段落ちもここらへんで止めてもらいたいものですね。洒落にもなりません。

 外国の格付け会社ムーディーズによって、日本の国債格付けが2段階さげられました。すなわち、A2ですね。

 これはアメリカやドイツなどのAaaのずっと下。Aa1のベルギーよりも下、Aa2のイタリア、ポルトガルよりも下、Aa3の台湾、香港より、A1のチェコ、ボツワナの1段階下ということになります。

 政府、財務省、財務大臣、与党のお歴々、格付け会社に対して「これはわが国のファンダメンタルズ(基礎的条件)を見ていない。根拠に欠く一方的な思い込みである」というメッセージを送っていましたね。

 でも、格付けってのはそういうものですよ。だって、これは国債のランキングであって、日本経済のランキングではありませんもの。

 元もと、格付けというのはほとんどがAレベルなんです。

 もし、格付け審査に自信があるならば、B、C、Dなどを明確に記します。でも、Aレベルが90%もあったら比較にならないから、Aを2つに分けました。すなわち、AとAaですね。それでも80%がAaになるので、さらに細分化してAaaを最上格にしたというわけです。


貧乏人ばかりの国になる!

 日本という国は27年間、赤字が続いてる国ですよ。そういう意味では、国債を引き下げられて当然なんです。

 「あの人は経済力がある」

 こう言うとき、どんな人を想像しますか?

 お金持ちですか。経済力ってのは、ものを買う力がある人のことですよね。日本は買う力がものすごいです。だから、経済力があるんです。ただし、それは国民にあるのであって、日本政府にはありません。だって、550兆円もの赤字なんですよ、日本国政府は。

 でも、そのわりには大きな顔してますね。だから、「わが国のファンダメンタルズを見てない」なんて、格付けの専門家にイチャモンつけるんでしょ。

 どうして、こんなでかいこと言えるんでしょうね。

 それはね、「いざとなれば、国民の1400兆円ともいわれる金融資産を人質に取ればなんでもできる」と思ってるからでしょうね。

 よーーーく、考えてください。

 この前提にあるのは、1400兆円もの金融資産を持つ日本国民の存在ですね。

 さて、どうでしょうか。

 いま、イチロー、野茂、ゴルフの岡本綾子の各氏のみならず、コンピタンシィのあるお金持ちはどんどん外国で税務申告してますね。ということは、資産を海外に移動させてるつてことでしょ。

 これはスポーツ選手の世界ですから、よくわかります。彼らにとって、この国の政治はなんのサービスもありませんしね。魅力もありません。役人天国、税金取り放題、天下りのし放題でしょ。莫大な金額の納税者が頭にくるのも無理はありません。だから、資産家はそぉっと膨大な資産を海外に移動させてるんです。

 で、気づいてみたら、この国には「資産のない国民」と公務員と政治家しか残っていなかった・・・ということになりかねません。

 これ、冗談ではありません。本当にそうなりつつあるのです。アメリカのグリーンカードって、実は簡単に取れるんですよ。