2016年08月18日お精霊さんを送るとき。。。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 五山の送り火も終わり、ご家庭でも送り火でお精霊さんをお送りされた方も少なくないでしょう。

 ああ、ご先祖様が帰ったんだなあ、とつくづく実感するのですが、いかがですか?

 基本、日本という風土は変わっていて、インド仏教と中国の儒教が混在=輪廻転生と招魂再生・・・この矛盾を平気で両立させてしまう得意の精神文化があるからこそ、お盆も彼岸もすっかり定着しているわけでね。

ここらへんがなんとも凄いと思います。

この日本とインド、中国、朝鮮等々の宗教と精神文化の違いについてはそう易々と説明できませんので、いずれ原原でたっぷり講義しましょう。「商道の哲理について語ろう」で深掘りしましょうか。

 さて、お精霊さん(おしょらいさん)が帰っていった、と実感するのは、まず送り火を焚きます。夜中、軽い金縛りにあいます。その瞬間、強い風がほんの一瞬吹くんですよ。

 ああ、あの風に乗っていったんだ、とわかります。

 昨晩は折からの台風でしたが、風の種類というか雰囲気が違いますから、すぐわかります。

 宮沢賢治はこのことをよく知っていたんでしょうね。でなければ、あれほど風を登場させませんよね。彼が愛した魂は必ず風と一緒にやってきて、風と一緒に帰っていきました。

 日本人だけではありません。マーガレット・ミッチェルもよくわかっていました。「風とともに去りぬ」です。風は「南北戦争(正確には内戦です。南軍は独立戦争のつもりだったでしょうけど)」の比喩なんかじゃありませんよ。

 風は風です。♪そこには ただ風が 吹いているだけ♪

 子供の頃、へんなタイトルだなあ、と不思議に感じましたが、そうか、魂は風とともに来て、風とともに帰って行くんだ・・・それがわかると、このタイトルは「あの世」と「この世」をよく知った人でなければつくれないことに気づきます。

 無風であるべき処で風が起きる。意味があるんです。


 さて、今日の「通勤快読」でご紹介する本は「プライベートバンカー 前半」(清武英利著・講談社・1728円)です。