2002年04月15日不信の連鎖

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蚤の一蹴り


 みずほ銀行のゴタゴタ騒ぎが止まりません。

 わたしのところにも、今日、クレジット会社から親展が届きました。

 「今回の体たらくによって、あなたの信用はいささかも傷つくことはありません」

 まっ、そんな内容だったと思います。

 当たり前だっつうの。

 いちおう、会社の取引口座は旧第一勧銀と東京三菱だったんですが、一勧の支店のほうが近いから、主にこちらを利用していたわけ。

 でも、インターネット取引もあれば、コンビニのATMだと10メートル先に東京三菱があるわけですよ。

 で、今回の事件を契機に取引口座を東京三菱に換えてしまいました。まっ、蟷螂の斧というか、蚤の一蹴りといったところですが、生活者というのはみんな怒り心頭だと思いますよ。

 マネジメントが下手だから、預金者への低金利によって貸付金利との差額を膨大に溜め込んで利益をかき集めてるんですね。政府によるハンデの提供ですよ。

 それでも、不良債権が増えるばかり。

 結局、金融機関の不良債権がこれからどれだけ増えるのか。もう国民は絶望の中で見つめています。



お互いに信用していない

 金融機関が不良債権を正確にディスクローズできない理由はなんでしょうか。

 株主代表訴訟が怖いのか?

 それもあるでしょう。

 そもそも計算ができないのか?

 たしかに、それもあるでしょう。

 「ホントのことを言っちゃったら、マスコミから袋叩きになっちゃうもの」

 そうそう、それもあるでしょう。

 でも、もっとも大きな理由はお客を信用してないからです。

 不良債権額をばらしたら、みんな逃げ出して取りつけ騒ぎが起こるぞ。そしたら、恥だ。当局に叱られる。改善命令なんか、受けたくない。

 まっ、サラリーマン根性だとそうなりますわな。

 早い話が、銀行も国民も政府もお互いをまったく信用してないんです。これを「疑心暗鬼」と言います。不信の連鎖が繋がってるわけですね。

 だから、小泉さんや政府の金融行政責任者が何を言ってもダメなんです。

 「あの人は信頼できる」

 国民から信頼される政治家だけがこの苦境を切りひらいていけるのではないでしょうか。

 いまほど、「信頼」という二文字がものをいう時代はありませんね。能力、資格、学歴、財力・・・こんなものではなんの役にも立ちません。

 信頼されるってのは、最高最大の才能であり、能力なんですね。