2002年01月21日ダイエー再建に思う

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銀行の都合最優先


 やはり、ダイエーはつぶせませんね。

 一企業グループのことですが、2兆円を優に超える債権でどうやって再建するんでしょうかねぇ。

 銀行団は債権の株式化というウルトラCで、結果として債権額の圧縮をペーパーの上では実現できました。これで助かるのは、一に金融機関、二に金融機関・・・ですね。

 アメリカとの約束があるから、金融不安は引き起こせません。しかも、2月危機に向けてその前哨戦というか、いきなりクライマックスの「ダイエー倒産」など演出できるわけがありません。

 だから、金融庁もこの債権圧縮方法を認めたわけです。まさに物言わぬけれども、政府の強い意思表明ですな。

 アメリカは大統領、政府高官と縁の深いエンロンですら、さっさとつぶす。日本では、死に体の企業でも何とか生かす。対照的ですが、スクラップ&ビルド・新陳代謝促進型のアメリカと、一所懸命・ギリギリ最後まで頑張る型の日本との違いです。どちらの方法もあると思います。

 だって、一挙に路頭に迷うサラリーマンが増えても困りますわなぁ。マスコミはどうせ、またオーバーに書くから、よけい社会不安になりますもの。ダイエー問題は銀行問題と失業対策問題とのミックスです。早い話が失業者の先送りです。

 でも、これは正解だと思います。ここまでは助けた。これで近い将来、本業がまったく伸びなければ、そのときこそ自然淘汰されるだけ。それまでの失業者対策ですよ。

 ダイエーの債権はお客さんがカムバックしなれば無理です。

 あなたは、再建できると思いますか?

 中内さんは20億円の退職金を辞退しました。これだけの功労者ですから、もっともらってもいいんですよ。でも、もらうと再建できないんです。だって、お客さんが許さないでしょ。難しいところです。



「基本に戻る」ということ

 そごうのトラブル時、いつもごり押しの抵抗勢力のドン、あの亀井静香さんですが、このときの意見は正論でした。

 「お客さん相手の企業が政府に助けてもらっても、これから商売ができるだろうか?」

 ねっ、そうでしょ。やっぱり。

 日本人は忘れっぽい民族ですから、いい品揃えとお値打ちの価格設定をして、ホントのスーパーとして再デビューできるなら、蘇るでしょうね。

 でも、どうかな。その確率は10パーセント程度ではないでしょうか。

 だって、この店、「安い」だけが取り柄なんだもの。ほかに付加価値ないんだもの。

 ユニクロからカジュアル商品のディスプレイを「真似っこだ」と訴えられた件はどうなったんでしょうか。

 「無くてはならない」というだけのコンピタンシィ(どんなことをしても生きられるだけのパワーを持ってること。相対的な強さではなく、絶対的な強さのこと)を発揮できるんでしょうか。

 はなはだ疑問です。

 困ったら、迷ったら、基本に戻る。これが原理原則です。

 基本というのは、お客さんを裏切らない商売をすることですよ。