2001年08月27日やらずぶったくりの性格
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先々週の土曜日、スカイパーフェクTVをちらっと見てましたら、なんと懐かしい。
小学生のときに学校で観た映画を放送してました。
いまでもあるんでしょうか。文部省推薦なのか日教組推薦なのかは知りませんが、映画の鑑賞会をわたしたちの学校では体育館でやったんです。
「小さな逃亡者」という映画でした。
実はこの映画にめちゃくちゃ感動して、「ぴあ」とかレンタルビデオ店とかでずっと探してたんです。かれこれ、30年以上もですよ。
ストーリーは単純で、宇野重吉演じるバイオリン弾きの「おじさん」と一緒に流しをして暮らす小学生。この小学生が主人公です。
彼は日本で興業をしていたボリショイサーカス団の荷物に紛れて、モスクワに行こうと密航するんですね。
なぜモスクワか。
少年の父親がバイオリンの勉強のためにモスクワに行って、そこで生きているということを、酔っぱらった「おじさん」から聞いたためです。
でも、船が着いた先はウラジオストックでした。そこから、ソ連の軍楽隊の人と知り合って、シベリア鉄道でモスクワに向かいます。道中、はぐれてはいろんな人に世話になり、とうとうレニングラードでサーカスの一団と巡り会います。
ピエロの人は大の仲良しでした。
モスクワに着くと、彼が父親の安否を調べてくれました。残念ながら、5年前に亡くなってたんですね。
少年は日本に帰らず、そのまま音楽の勉強をモスクワで始めます。
時が流れて、大人になった彼が来日します。演じたのは太田博之さんでした(いまや、寿司屋チェーンの社長さんですね)。
「子どもの頃に世話になったおじさんに会いたい」と記者会見で言うんですね。
その頃、とうの「おじさん」は孤児院で給食の世話係をしてました。テレビを食い入るように見ていたにもかかわらず、出ていきませんでした。
ところで、この映画のなかで、少年が道にはぐれて山小屋にいるとき、地元の若い狩人から「おまえは何人だ? ブリヤート人か?」と聞かれます。
ブリヤート人というのは20年前にアフリカに現れたホモ・サピエンスが大陸を渡り歩いて、シベリアに行き着いた民族です。日本人のルーツは、2万年前、大陸と日本列島が陸続きだったときに北海道から本州の隅々まで行き着いた縄文人の祖先ですね。ですから、日本人にそっくりですよ(というよりも、日本人がそっくりなんですけど)。
この映画は日ソ合作映画でしたから、ソ連人がものすごく親切な人間として描かれてましたけど、実際、個人としてのソ連人はあんなものです。
国家としてのロシア
でも、これが国家となると、「やらずぶったくり」がピッタリですな。
他人の陣地に来て、「ここでサンマ獲らせてあげるから金よこせ」は言語道断ではありませんか。
台湾、韓国だけではなく、日本も1億6千万円という協力費名目でロシアに払ってるんです。これでは、「この領域はロシアのものだ」と認めているようなものではないですか。
最近は首相の親書を渡して抗議してるみたいですが、まっ、「のれんに腕押し」というか、「泥棒に追い銭」みたいなところがありますね。
どうして、こう日本政府はなんでもどうぞ、どうぞと受け容れてしまうんでしょうかね。これが「外交的戦略」ってヤツでしょうか。こんなことしてたら、足下を見られるだけで逆効果だと思うんですけど。まっ、政治家のみならずタカリ官僚が跋扈する世界ですから、いろいろとあるんでしょうな。
ところで、台湾、韓国は魚を獲るときは巨大船団を繰り出してドーンと持っていきます。
それに対して、日本は業界の談合というか、仲良しクラブというか、まっ護送船団方式で、「まずは小船の漁師さんからどうぞ」「次は中型船」「大型船は最後ですよ」とマーケットが暴落しないように予定調和の世界で運営してきました。
それがいきなりドーンと来て、ドーンと持っていく。それが市場に上がる。大振りのサンマは外国船の水揚げ。おこぼれは日本船の水揚げ。
サンマにしても、鯖にしても、最初は「走り」と言いますね。それほどうまくはないけど、珍しいから高い。これは金持ちが食べます。次に「盛り」という流れになります。「旬」というやつですね。安くてうまい。庶民の口にも入る値段になります。
最後は「名残り」です。「カツオもこれで最後です」なんて寿司屋で言われることあるでしょ。あれが「名残り」です。
こういう季節感が日本の食卓にはありました。でも、いまや、ドーン、ドーンですからね。
でもね、これが国際化というものでしょうね。
小さな世界の枠組みなどもう通用しません。
「はい、小から行きます。次は中ですよ。お待たせしました。最後は大です」と言っても、いきなり横からドーン、ドーンですもんね。
「あんたたち、いままで何も言わなかったじゃないの。今ごろ、ナーニ?」
腰のふらついた政府や官僚がいるから、こう言われてもグーの音も出ませんね。「いいものはいい、悪いものは悪い」とはっきり言わないから、どこまでも嘗められるんです。
「北方領土はソ連(ロシア)のもの」って、こうやって既得権益を積み上げていくんですよ。
いちばんいい方法は、ロシア絡みの魚は買わなければいいんですよ。
「そんなもの、いらない」って。どうせ、日本に売るわけでしょ。
でも言えないな。町人の国ですもんね、わが国は。