2001年08月20日こんな親はいらない!

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子どもの心を傷つけること


 わたしが小学生のとき、母の日にカーネーションを贈るという習慣がありました。

 いまでもあるようですし、わたしもいまだに続けていますが、当時は、これを学校が率先してやっていたように記憶しています。

 で、母親がいる子どもはいいのですが、いない家庭も少ないけれどもありました。

 そういう子どもはどうるすかというと、白いカーネーションを贈ったんですね。

 わたしは脳天気のガキでしたから、白いカーネーションを贈る同級生の存在にはまったく気づきませんでした。

 でも、これは小さい子どもには残酷な仕打ちですね。いま、学校ではこんな無神経なことはしてないと思いますが、いまのわたしには、運動会も残酷だし、ときには遠足だってシビアだなと思うんですね。

 なぜなら、いろんな事情があって親御さんが来ない(来られない)子どもがやっぱりいるからですよ。

 以前、本欄で記しましたが、わが子の幼稚園時代、幼児虐待が原因で親と隔離、保護されているお友達を何人も水曜日ごとに預かっていたことがあります。

 幼稚園と系列のキリスト教団体がこの子どもたちを高校まで保護してるんですが、やっぱり施設と家庭では雰囲気が違いますでしょ。施設のなかではシスターの膝の上を独占することはできません。だから、わが家に来ると家内の膝の上を取りっこになるんですね。で、あぶれると手を握ったり、腕を組んだり、とにかくスキンシップ(和製英語ですが)に飢えてるんです。

 親とのコミュニケーションが無い子はすぐわかりますよ。

 というのは、何も知らないからです。ディズニーランドを知らない。遊園地を知らない。デパートの屋上を知らない。遊びを知らない。食べ物を知らない・・・。

 どうでもいいことばかりかもしれませんが、こういう普通の子どもが知っていることを知らないんです。情報欠如なんですね。だから、かわいそうに友だちがなかなかできません。



世界でいちばん危険なところ

 幼児虐待というのは病気なんです。

 親の教育履歴を調べるとわかりますが、彼らも同じように虐待されてきた歴史があります。病気にかかっているのは親ですから、親に本格的に教育指導、あるいは心理学的な治療を施さなければ話になりません。

 いくら、親権を振りかざそうと、口うまく子どもを引き取ろうとしても、きちんとこの病気を治療してからでなければ解放してはいけないんです。

 それが今回の尼崎幼児虐待殺人・死体遺棄事件では生かされませんでしたね。

 児童福祉士だかなんだか知りませんが、あまりにもこの人たちは人間心理を知らなさすぎます。専門家としての勉強はしてきたんでしょうが、肝心の人間についての知識が致命的に欠如しているように思えてなりません。

 いま、文部科学省では「ゆとり教育」を導入するらしいです。

 土日も完全休暇。わたしは日本の小中学校の教師ほど暇で勉強しない人種は世界でも珍しいことを知っていますが、これで虐待される時間が増える危険も出てきたわけです。

 ゆとり教育というならば、校医と協力して学期ごとに3回の身体検査を導入すべきですね。普通、身体検査というのはわが子が毎年、スクスク育っている記録を記すものですが、悲しいかな、虐待の形跡はないかどうかを克明に調べ、あれば警察に通報するというシステムを導入しなければ、まだまだこの手の事件は出てきますよ。

 児童相談所はお役所仕事ですから、どうせ当てにはなりません。

 子どもにとって安らぎの場であるべき家庭が地雷地帯よりも危険なところだなんて、こんな世の中はありませんね。

 悲しいのは、こんな親であっても子どもは最後まで庇おうとするんですから、「子の心、親知らず」が現代なんですな。