2001年08月13日靖国問題からかいま見えるもの

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いったいなんのために、だれのために


 左右両陣営からの小泉バッシングが激しくなってますね。

 「アジアのリーダーとしての自覚を求める」という靖国参拝反対派。

 「内政干渉だ」と突っぱねる靖国賛成派。

 小泉さんの真意はどこにあるんでしょうかね。本人もある程度、予想してたでしょうが、これほどとは・・・。

 ほとほとあたまが痛いんではないでしょうか。

 彼を称して、「森田健作だよ」と見抜いた田中康夫さんの直感は鋭いものがありますけど、森田センセと違うのは、おそらく小泉さんが確信犯であるところ。たんに直感だけで動いてはいませんよ。粘り腰のしたたかな政治家ですね。

 でも、この行動でなにをメッセージとして送りたいんでしょうね。しかも、だれに対して・・・。

 どうも、それが見えないんですよ。

 前回、「いざとなったら病気になってしまえばいい」と書きましたが、なんか現実味を帯びてきましたよ。ほかの日にずらすという手もあるし、周辺諸国との意思のすり合わせを水面下であの外務省の役人がしてるんでしょうね。




蛮勇を奮え

 でも、ここで靖国を参拝すれば、どういう影響がありますかね。

 中国、韓国がヒートアップするんでしょうか。

 これが政権の命取りになりますかね。

 守旧派はそうしたいでしょうね。政治家は官僚の手先みたいなものですから、構造改革で特別法人がカットされたくない人たちはこれを政争の具に使いたいかもしれません。

 従来のような気兼ね外交、お詫び外交、忖度外交のまま、「とにかく摩擦を起こさず、どちらさんとも仲良くして、頭を低く、その代わり、広く商売をさせてもらえれば、それでいいんですよ、うちら」という町人国家のままでいい人はそうでしょうね。

 でも、わたしは彼がこれだけの非難囂々たるなか、四面楚歌になりながらも靖国参拝を貫いたら、「よし、これなら、構造改革も不退転の決意で突き進むだろうな。日本はホントに変わるかも」と連想してしまうでしょうね。

 欧米は腰を据えて取り組むかどうか、靖国参拝に対する行動1つからも、レントゲンのように日本の将来図を透けて見ると思いますよ。

 「戦後、政治の総決算」と唱えたのは中曽根さんでしたが、彼がやったのは経済的な戦後の総決算にすぎません。すなわち、国鉄、タバコ、電電公社の民営化ですね。

 小泉さんには、構造改革を貫徹することで「戦後、官政治の総決算(廃止と民営化)」をぜひとも力強く促進してもらいたいものです。

 蛮勇というものはときには必要だ、とわたしは思います。国連を脱退した松岡洋右のようにはなりませんよ。蛮勇を奮い続ける総理に、ときに魅力すら感じるという人は少なくありません。

 それを「蛮勇引力」っていうんです。