2001年07月09日小泉革命はゴーン革命と同じ構図

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アメリカとの構造改革を忘れるな


 小泉さんがアメリカ、ヨーロッパと回って帰ってきました。

 はっきり言って、なんの成果があったんでしょうか。

 環境議定書への批准をアメリカが渋っている。それに対して、議長国だった日本の首相として「長い目で説得していきたい」と言ってますが、アメリカのスポークスマンにいわせれば、「日本がアメリカの味方になってくれる」と期待大。フランスは昔から我が道を行く、だから、アメリカが批准しようがしまいが関係ない。

 こういうわけですね。

 どうも小泉さんは当初この項でも指摘しましたが、自分が直々に出張って説得力を駆使して翻意させるタマではないようです。しかし、「方針」を打ち出して事務方に折衝させることは得意なようですね。

 ですから、もしかするとブッシュはホントに本意するかもしれませんよ。

 「わが国も厳しいので、アメリカの国債売っていいですよね」

 とでも囁けば、すぐに批准するのではないでしょうか。どうせ、痛みを伴う構造改革なんですから、「アメリカとのひも付き経済システム」という最大最悪の構造改革こそ、いますぐ対処すべき問題ではないでしょうか。



人間だけが優しくなれる

 さて、大学改革がスタートしそうですね。

 とくに地方の国立大学の改革については自主独立経営を要求していますね。トップ30の大学に大幅予算を配分し(むかしの傾斜生産方式ですよ)、努力しない大学は切り捨てるという方針です。

 これに対して、地方大学側は「大都市と地方との対立の構図を助長する」と言ってますが、「努力した結果、競争力がある=コア・コンピテンシィ」がたまたま「大都市」であって、「駅弁大学、駅前旅館、三等重役で惰眠を貪っていた=淘汰されるべき存在」が「地方」だったってわけ。

 別に「大都市VS地方」ではないのです。競争力があるかないか。もっとはっきりいえば、存在意義があるかないか。それだけなんですね。

 小泉さんに求められていることは、日産を立て直しているゴーンさんとまったく同じなんですね。ホントは「できれば、サッチャーさんに首相になってもらいたい」と国民は考えているかもしれません。いわゆる、明治時代の「お雇い外国人」と同じ理屈です。でも、それじゃあね。いくら、リーダー不在といわれる日本でも、これじゃ世間の物笑いです。

 ところで、日本は優しい国ではありません。優しくできるのは人間だけです。人間が優しくなければ、いけないんですね。国が優しくなるわけがありません。

 バカな政党や詐欺師に限って、「人間に優しい」とか「地球に優しい」とかいってます。ホントに優しい人は厳しいんです。優しさでカムフラージュしたインチキ人間、インチキ政党に騙されないようにしましょう。

 もうそろそろ、そういう人間がたくさん立候補する季節です。食あたりには十分注意しましょう。