2001年07月02日日本って、ホントに不況なの?

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ブランド大好き日本人


 花の銀座はブランド店のオープンが目白押しです。

 エルメス、グッチ(リニューアルオープン)などなど。エルメスでは、初日になんと800人も並んだとか。

 1人平均100万円くらいは持ってきてるでしょうから、全部でざっと8億円。

 すごいですねぇ。

 店側も全世界の売上のなかで50〜80パーセントは日本人相手なんですから、「いつか日本に、それも銀座だ」と上陸のタイミングを虎視眈々と待ってたんでしょう。いま、20代の海外旅行が激減しています。で、「客が来ないなら、こちらから行商にでも行くぞ」という気分だったんだ、と思います。

 これは、日本のメーカーがアメリカやヨーロッパ、あるいはアジアに工場進出しているのと同じ理屈ですよ。ビジネスというのは買ってくれる人のそばで仕事をする。作ったり、売ったり、一言で言えば、「出前ビジネス」なんです。

 家ではユニクロという国民服を着て、外出にはエルメス、グッチ、シャネルでキメる。まっ、こういうパターンなんでしょうね。

 毎度のことですが、パリ、ミラノあたりで、ブランド店に並んでいる日本人は最高のお客さんです。もちろん、店員にすらバカにされてますが、これらの国に落とす外貨を考えれば、小泉さんに表彰状の1枚くらい上げても罰は当たりません。



価値を決めるのはだれか

 たしかにブランド品はいいんです。とってもよくできてます。丈夫で長持ちしますから、そこら辺のいい加減な商品を買うより、ずっとお得です。使い勝手がいいんですよ、やっぱり。シャネル以外はだいたい革職人からスタートしてますから、カバンなどいいものが多いですよね。わたしもファンです。

 「いい仕事してますなぁ」と1人1人のお客さんの信用。それがいまのブランド価値を作り上げたんですね。

 「グッチのカバンなら、もう無条件で信頼してる」

 こういうのがブランドの強さです。これがベースなんです。

 「高いから価値がある」

 「みんなが欲しがってるから価値がある」

 世の中、需要と供給で価値が上がったり下がったりしますから、こういう考え方でもいいんでしょうが、わたしは嫌いです。

 ところで、「価値」という字は「価」も「値」もどちらも「あたい」と読ませますが、「あたい」を正確に書くと「当合」と書くんですね。つまり、「1:1」で釣り合うもののことですね。100万円でバッグを1つ買う。これも価格と価値が釣り合ったから売り買いが成立したわけでしょ。

 ところで、ところで、日本って不況なんですかね。政府は「痛みを覚悟してもらう」とか言ってますが、「これからの痛み」より「目先のブランド品」なんでしょうな。

 クレジットではなく現金で買いに来た人ばかりだったそうですが、普通、お金持ちの場合、デパートの外商担当が見繕って自宅まで商品を何点か持ってきます。その中から、「これがいいわ」と選ぶんですね。わざわざ店まで買いに行くのは小金持ちなんです。

 テレビを見て、「カップラーメン食べながら貯めたお金なんだろうな」と思っていたのは、わたしだけでしょうか。