2001年06月25日「人気」って何だろう?

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人気があれば勝ちなのか


 都議選は自民党圧勝でしたね。

 わたしは法事がありまして投票にいけませんでした(というよりも忘れてました。都議選なんて)。今回は自民党が勝ったといっても、それは「小泉政治・石原政治=変革」を応援したいからであって、自民党の都議会議員などだれでも良かったわけです。より正確にいうならば、小泉さん、石原さんの現住所がたまたま自民党だったから、投票したに過ぎません。もし、今後、変革の邪魔をするような議員がいれば、簡単に落とされるでしょうね。

 さて、勝った自民党にしても、導火線に火のついた爆弾を党内に抱えているようなものですね。

 真紀子大臣と鈴木宗男さんの戦いは、まるでハブとマングースのような様相を呈してきました。いま、真紀子さんはブームですし、鈴木宗男さんははっきり言って胡散臭いでしょ。週刊誌からも「官僚にいちばん嫌われてるアホの坂田似のセンセ」と指摘されてましたもんね。しかもロシア課長人事をめぐる今回の激論を「公私混同だ。選挙を控えてるという時期を考えてほしい」と、党内(地方の党連)からも自粛を求められてました。

 損な人ですよ、この人は。

 人気があること、胡散臭くて嫌われていること。それと正邪は別物です。「答弁のすり替え」「立法府への過剰介入」という鈴木さんの意見は正しいんです。

 でも、真紀子大臣の人気の前に正論も吹っ飛びました。



人気のあるうちにやってしまえ

 それは野党も同然で、小泉人気で手も足も出ません。

 表現は悪いですが、火事場泥棒には打ってつけの機会なんです。構造改革断行の大チャンスですよ。

 党内で反対する勢力があれば、「衆院解散」という伝家の宝刀をかざし、「マスコミにだれが反対しているか氏名を発表する」と脅迫して断行することでしょう。徹底的にできますよ、今回は。

 それもこれも国民が後押ししているからです。いま、「国民=政府」なんですね。

 話は飛びますが、民主主義の元祖アテネでプラトンの師匠であるソクラテスが死刑になりました。大政治家テミストクレスも海戦の勇者である将軍たちも追放されました。

 すべて、市民の投票によってです。その後、アテネはどんどんダメになっていきますが、民主主義という人気取り政治はこういう危険性をつねに孕んでいるんですね。

 構造改革はたいへんな返り血を国民に浴びせますよ。

 日本人に危機管理が向かないのは、平和ボケしているためにいつも「わたしだけは助かる」という前提でもの見たり、考えたりするからです。構造改革も自分には影響がないだろう、あっても少しくらいだろうと考えています。

 しかし、これはドカーンと来ますよ。大地震が直撃し、ものすごい津波が押し寄せてきたときに、「こんなことなら・・・」と後悔しても遅いんです。

 でも、やらないといけません。国民が錯覚している間にやりきってしまうことが肝心です。2〜3年は混乱するでしょうが、わたしはとうに覚悟しています。